アメリカの性病感染数は1億1千万

アメリカの性病感染数は1億1千万


 米国疾病対策予防センターによると、米国ではクラミジア、淋病、梅毒などの性病(STD)の発生率が増加しており、現在推定で1億1千万もの感染が報告されている。若年から成人女性に最も多いのはクラミジアで、15歳から19歳の9.2%、20歳から24歳の8%が感染している。梅毒の割合はすべての年齢層、すべての人種で増加し、20代に最も多い。同センターの性病予防ディレクター、ゲイル・バロン博士は、「性病増加の傾向を逆転させるには、すべての人がそれぞれの役割を果たす必要がある」と述べている。増加する性病と政治がどういうつながりを持つのか。RedとBlueの見解は?

出典『New York Times』紙
元記事:110 Million Americans Have an S.T.D.

RED: このバカげた結果はリベラル派による性の考え方のせい
“Leftist Sexual Polices have ridiculous consequences”

 アメリカにおける性病(STD)の発症率は過去20年のうち大部分で激減し、1991年から2000年にかけては段階的に減少した。しかし今、性病が再び増加している。それについては(ある部分)ハリウッドと、そして悲しいことに我々の政府による、10代のセックス、10代の妊娠、父親のいない子供への美化と宣伝のたまものだともいえるだろう。それは、なぜか? アメリカの左派政治家と地方自治体関係者は、10代のセックスを非難するのではなく、それを可能にさせたからだ。政府のプログラムによって、中高校の10代の子たちに避妊具を提供した(子供たちはいずれにしろセックスするのだから避妊具を与えるのに越したことはないというのが、奴らの誤った理屈だ)。さらに、ほとんどの左派およびリベラル民主党による中絶の正当化と宣伝は、人々が無防備な性行為に対して責任を取らない結果をもたらした。

 仮に、貧しい少女が妊娠したとしよう。そして避妊手術を受けられる医療機関がそれほど遠くないところにあったとしたら、実際に避妊手術を受けた女性たちが負う、生涯にわたる感情的心理的ダメージとは関係なく、手術は行われるのだ。セックスは常に何らかのリスクを伴う。いかなる社会も10代のセックス、無防備な性交渉、避妊手術、または未婚の母を美化したり、奨励したりすべきではない。こうしたリベラル派の考え方が、結果として性病を減少させるのではなく、感染率に大幅な上昇をもたらしたのだ。

 ついでに、ひとつ補足しよう。14歳から49歳までの黒人アメリカ人女性の48%が性器ヘルペス・ウイルスの感染者だ。冗談ではない、大変な悲劇だ。これはセックスに対する左派リベラルたちの考えがアメリカに広がった直接的な結果である。


BLUE:アメリカにいる全ての人が医師にかかれるべきだ
“Everyone in America Should Have Access to a Doctor”

 アメリカで1億1千万もの性病が発症しているというのに、2,800万人ものアメリカ人が健康保険に加入していない。なぜなら右派が、「貧困層は医療を受けるに値しない」と考えているからだ。500万人のアメリカ人はプランド・ペアレントフッド(全米家族計画連盟)を通して医療保険を得ているが、右派はこの団体が避妊手術を行っているからという理由で閉鎖を望んでいる。 

 これらの何百万もの無保険のアメリカ人は、定期的に医師にかかるのではなく、地元の救急医療室に駆け込むことになる。それは患者にとってより高額な負担になり、もしも支払えなければ、自治体が支払うしかない。

 アメリカにおいて性病は、安全な性行為によって撲滅に近づけることが可能だ。しかし、宗教的な右派たちは、子供への性教育に反対するだけでなく、性病への感性を予防できる避妊手段にも反対しているのだ。

 右派は貧しい人々を医者から遠ざけ、全ての人々を性教育から遠ざけることに努力を払っている。右派は、まるで性病に感染した、これほど多数の患者の全てが左派だと考えているのだろうか? 今こそアメリカは、公衆衛生や安全なセックス、医療保険へのアクセスを制限することによる、本当のコストについて真剣に考える時だろう。 

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

アメリカ人に関する記事 >

この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

関連する投稿


アメリカの若者たちに大人気の電子タバコ、JUULとは?

アメリカの若者たちに大人気の電子タバコ、JUULとは?

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生、光田有希が、アメリカの大学生たちに人気のアプリやサービス、学生たちのトレンドなどの情報をお届けする。今回は、アメリカの若者たちの間に急速に浸透したフレーバー入りの電子タバコ「JUUL」(ジュール)と、それにまつわる様々な問題について。


文化の「盗用」について考える

文化の「盗用」について考える

保守とリベラル派の対立が激化し「分断された」と言われるアメリカだが、実際には中道派も多く存在する。二つの異なる思想の間で様々な思いを抱く中道派の視点で、グッドイヤー・ジュンコが語る。アメリカに住んでいると、たびたび話題になるのが「文化の盗用」。当事者としてこの問題を扱うことになって感じたこととは?


アメリカで支持される出会い系アプリ 〜新しい恋愛の形〜

アメリカで支持される出会い系アプリ 〜新しい恋愛の形〜

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生、光田有希が、アメリカの大学生たちに人気のアプリやサービス、学生のトレンドなどの情報をお届けする。今回紹介するのは、周囲の大学生やシングルスたちから支持されている数々の出会い系アプリだ


エリートだけが会員になれるデーティング・アプリは社会問題?

エリートだけが会員になれるデーティング・アプリは社会問題?

  アメリカでも結婚相手やパートナーとの出会いに繋がるオンライン・デーティング・サービスの需要は高く、各社は年齢層や地域を限定したり、人種や宗教で括ったり、真剣度の差などを売りにして競っている。そんな中、「会員になれるのは、男女ともエリートのみ」と厳しく限定したデーティング・アプリが注目されている。


アメリカのティーンたちはファッションよりも外食費

アメリカのティーンたちはファッションよりも外食費

ミレニアルズの後の世代は「iジェネレーション」や「ジェネレーションZ」と呼ばれる、生まれた頃からスマートフォンと触れ合っている世代。なかでも2000年以降に生まれたアメリカのティーンたちは、ファッションよりも外食費に小遣いを遣うと言われているが、その傾向は今年も継続。それが投資にも影響するというが……






最新の投稿


成功への選択「脱、暴飲暴食」2018年12月14日~12月20日

成功への選択「脱、暴飲暴食」2018年12月14日~12月20日

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが送る「成功への選択」。算命学、数秘術、占星術などをベースにしたオリジナル手法を用いて、あなたが切り開くべき幸運への扉のヒントを毎週アドバイスします。さて、あなたのビジネスを成功に導くのは、どちらの選択肢でしょうか?


共和党の民意無視がアメリカを蝕む

共和党の民意無視がアメリカを蝕む

圧倒的にリベラル派が多く住むカルフォルニア州。同州在住でトランプ大統領に投票しなかったアメリカ人のひとりである著者が語る、今のアメリカのリアル。今回は、先の中間選挙で共和党州から民主党州に変わった州の現知事が、退任前に新しく就任する知事の権力を制限する法律を制定しようとする動きについて、著者の憤慨をまとめた。


アメリカで再注目されている「サードプレイス」の重要性

アメリカで再注目されている「サードプレイス」の重要性

日常生活の中で定期的に通えて、第三者と会話を交わせる場所「サードプレイス」が、個人や地域の活力を生み出す上で重要であると社会学者のレイ・オールデンバーグ氏が提唱したのは、今から約20年前のことだ。ネット社会が確立した今、アメリカでは再び、自宅でも職場でもない第三の場所、「サードプレイス」の重要性が注目されている。


マリファナ入り食品市場が広がるアメリカ

マリファナ入り食品市場が広がるアメリカ

マリファナ合法州が一段と増えたアメリカでは、葉に火をつけて吸引するだけでなく、成分を飲み物に混ぜたり、スイーツや料理に加えたりと、様々な嗜好品が誕生している。しかも、この市場は来年以降、さらに広がる見込みだという。


アメリカの若者のエクササイズ事情:運動というライフスタイルのかたち

アメリカの若者のエクササイズ事情:運動というライフスタイルのかたち

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生、光田有希が、アメリカの大学生たちに人気のアプリやサービス、学生たちのトレンドなどの情報をお届けする。今回は、アメリカの若者たちのエクササイズのトレンドについてお届けする。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング