「黒人女性が白人に変身するCM」のダヴが謝罪

「黒人女性が白人に変身するCM」のダヴが謝罪


 トイレタリー製品の有名ブランド、ダヴ(Dove)がFacebookに掲載した動画広告が「差別的だ」と非難を浴びて炎上し、同社は「皆様を不快な気分にさせたことを深くお詫びする」と謝罪して広告を取り下げた。その動画は、「黒人女性が同社のボディーローションを使い、ブラウンのTシャツを脱ぐと白人女性に変わる」というものだ(写真リンク下記)。これを差別と受け止めるか、誤解と受け止めるか、保守派とリベラル派の意見は?

出典『The Guardian』紙
元記事:Dove apologies for ad showing black woman turning into white one


RED: 石鹸は差別主義者ではない
“Soap is Not Racist”

 ダヴは謝罪すべきではなかった。この会社は何も悪いことはしていない。何もわかっていない愚か者たちが、ソーシャルメディアで炎上したビデオを見て不快に感じたからといって、ダヴが差別主義ということにはならない。極論を言うなら、一定の人はしっかりと大人になるまでインターネットを使うのをやめるべきだろう。自分の気持ちが傷ついたからという理由で泣いてもいいのは子供だけだ。私は、世界が正常であることに対して腹を立てている18歳以上の人たちに「大人になれ。毎日1秒ごとに不平を言うのではなく、もっと建設的な何かを見つけろ」と言いたい。

 問題のコマーシャル映像では、肌の色の異なる3人の女性が次から次へ変身する様子が見られる。「ダヴの石鹸は全ての女性の肌の色を変える」と言うごく単純なアイデアだ。ダヴのマーケティング・チームは人種差別的な広告を作りたかったのだという非難は全くのお笑い種だ。こうした左翼や社会的な正義を訴える奴、傷つきやすい若者たちは、組織や個人を差別主義者だと決めつけて告発する前に、少なくとも実際の意図や動機が何であったかを冷静に判定するべきだ。間違いは誰にでも起こる。ダヴがあえて人種差別をしようとしたとは考えられない。そうだと思う人はベビー石鹸を使うべきだろう。大人用の石鹸の広告はまだ受け入れられないのだから。


BLUE:ダヴは今が2017年であることを理解するべきだ
“It's 2017. Dove Should Know Better”

 「ダヴを使ってあなたの茶色い肌を白くしましょう」。これが、Facebookに掲載された13秒のダヴ・ブランドのボディーソープの広告を見た何百万という人が、映像から受け取ったメッセージである。この短い画像では、黒人女性が白人女性に変わり、そして中東の女性に変身する。テレビのコマーシャルでは30秒の完全版が見られるが、それには女性が7人登場する。

 ダヴは、この広告が意図したのは、「すべての肌が優しい石鹸を使うのにふさわしい、と伝えることだった」と言っている。それは素晴らしい考えだ。しかし、ダヴがその意図をもっと良い方法で社会へ伝えられなかったのはとても残念だ。

 同広告の冒頭に登場する黒人女性モデル、ローラ・オグニュエミさんは、「みんなが広告を黒い肌への否定的なメッセージとして受け取ったことを残念に思っている」とコメントしている。しかし、広告の他の部分がどうであろうと、黒人女性を白人に変えるアイデアは、決していい考えではない。オグニュエミさんの姿が白人に変わる画像がソーシャルメディアに現れる否や、みんながそこだけを見ることになってしまったのだから。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

差別に関する記事 >

この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

関連する投稿


ソーシャルメディア時代にぴったり!写真映えするビタミン剤

ソーシャルメディア時代にぴったり!写真映えするビタミン剤

ちょっと変わったマルチビタミンが注目を集めている。特に変わっているのはその「形状」だ。今まで見たことがないような新しいデザインの錠剤は、写真映えするという理由から、たちまち世間に浸透した。一体、どんなビタミンなのだろう?


「世界で最もパワフルなフェイシャル」の効果とは?

「世界で最もパワフルなフェイシャル」の効果とは?

ニキビや吹き出物、赤みなどの肌のトラブルは、性別も国籍も超えた悩みのひとつ。肌をきれいにする商品は数多くあるが、米アマゾン・ドットコムで使用者のレビュー数が1万8千件を超えたほど話題のクレンジング商品がある。その効果とは、いかに?


アメリカに浸透する「カリフラワー食」

アメリカに浸透する「カリフラワー食」

一般的に流通する野菜のひとつだったカリフラワーが、4〜5年前からニューヨークやロサンゼルスなどの米沿岸都市部で脚光を浴び始め、 今や最も人気のあるヘルシー野菜の代名詞になった。控えめなサイドディッシュでしかなかったカリフラワーが、なぜ、アメリカでこれほどウケたのだろう?


人気の「Moon Juice」、カリスマ社長の商法とは

人気の「Moon Juice」、カリスマ社長の商法とは

美と健康を追求するアメリカ人女性の多くは自分の目標像が明確。最近は「頑張れば自分もそうなれるかもしれない」と思える距離感にいる美しい女性たちが、カルト的な人気を博している。有機植物コスメや美容食を販売する「Moon Juice」の社長は、そんな女性の一人。彼女のライフスタイルに憧れるファンが多く、商品の生産が追いつかないという。


疲れたニューヨーカーを癒す、スーパー銭湯?

疲れたニューヨーカーを癒す、スーパー銭湯?

マンハッタンを望むニュージャージー州に昨年オープンした「SoJo Spa」。このスパでは、「韓国風の高級スパをイメージしたサービス」を売りにしているが、アジア式の風呂文化をアメリカ人に広めるのに、ひと役買っているという。






最新の投稿


召しませ、完璧なステーキ

召しませ、完璧なステーキ

アメリカ人には、「肉好き」が多い。厚みのあるステーキは、アメリカ料理の定番のひとつだが、ステーキの調理は簡単のように見えて実は難しい。焼き加減によって硬くなり過ぎたり、生焼けになったりと、上手く肉が焼けない悩みを持つ人は多い。そんな悩める人々の救世主となるグッズとは?


ソーシャルメディア時代にぴったり!写真映えするビタミン剤

ソーシャルメディア時代にぴったり!写真映えするビタミン剤

ちょっと変わったマルチビタミンが注目を集めている。特に変わっているのはその「形状」だ。今まで見たことがないような新しいデザインの錠剤は、写真映えするという理由から、たちまち世間に浸透した。一体、どんなビタミンなのだろう?


米中間選挙: 保守派の見解「信じるな!世論調査とCNN」

米中間選挙: 保守派の見解「信じるな!世論調査とCNN」

テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回は中間選挙に向けて、世論調査の結果を掲げて議論するリベラル派に対して、「その質問はフェアーか?」と質問の仕方に疑問を持つ保守派の声を現地からレポートする。


成功への選択「未来予想図」2018年10月12日~10月18日

成功への選択「未来予想図」2018年10月12日~10月18日

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが送る「成功への選択」。算命学、数秘術、占星術などをベースにしたオリジナル手法を用いて、あなたが切り開くべき幸運への扉のヒントを毎週アドバイスします。さて、あなたのビジネスを成功に導くのは、どちらの選択肢でしょうか?


静脈探し技術で患者の不満を解消

静脈探し技術で患者の不満を解消

 病院で看護師に「血管が見つかりにくい」と言われたことのある人に朗報だ。検査時などの採血の際、静脈の位置がなかなか見つからず、何度も針を刺されて痛い経験をしたことがある人も少なくないだろう。でも、これがあれば今後はそれほど痛い思いをしなくて済むかもしれない。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング