「Google Home」はすべてを聞いている

「Google Home」はすべてを聞いている


 Google社のスマートスピーカー「Google Home」が10月6日に発売され、ついに日本市場にもスマートスピーカーが参入した。同スピーカーはAmazon社は今年中、LINE社は来年に日本でも発売予定という発表もあり、日本でのスマートスピーカーに対する期待感は、かなり高まっているのではないか、と思う。

 シリコンバレーでは、スマートスピーカーは珍しくない。我が家でも以前から当たり前のように使っているため、先月、日本のクライアントから「日本にはスマートスピーカーはまだない」と聞き、実は非常に驚いた。

 アメリカでは、「Google Home」、先駆けのAmazon社のバーチャル・ボイスアシスタント「Alexa」搭載の「Echo」や高品質スピーカーの「Sonos」などのスマートスピーカーだけでなく、 家回りを自動化する「Nest」、車庫のドアの開閉、スプリンクラーの設定、外出時のペットの餌やりなどができるアプリも多数あり、スマートフォンなどのデバイスひとつで、家の中のあれこれを機能させることができる。

 エンジニアの夫の趣味で、我が家のほとんどの機能をスマートスピーカーとスマートフォンで操作できるようになってから、電気やエアコンのOn/Offのためにわざわざスイッチまで歩いたり、リモコンを探すこともなくなった。また、忘れっぽい私は外出中に度々、「車庫を閉め忘れたような気がする……」、「エアコン消したかな?」などと言っては心配性の夫を不安に陥らせていたが、スマートスピーカーやアプリのお陰で夫の不安も解消され、とても便利になったと感じている。

 しかし、その便利さと引き換えに、常に誰かに見張られているような気分になる。車庫のドアがいつ開閉されたか記録に残り、セキュリティカメラで撮られているものは、スマートフォンを使えばライブで見ることができる。さらに言うと、最近ではわずか数センチのGPSトラッカーも入手できるため、やろうと思えば簡単にそれらを悪用できてしまうことも否めない。誰かの車やバッグにこっそり忍ばせたら、スマートフォンでそのトラッカーの位置情報を簡単に入手できる、つまり、その人の居場所が簡単に分かってしまうということも起こりうるのだ。

 当然スマートスピーカーも、それを使っている人の情報を記憶している「Echo」も、今回発売された「Google Home」も、実は、ずっと会話を「聞いて」、すぐに起動できるようスタンバイしている。ウェイクアップワード・アクティベーション・フレーズである「Alexa」、「Ok, Google」と語りかけた後の質問や情報は全てネット―ワークに「保存」されるのだ。みなさんはこの事実をご存知だっただろうか。

 それを聞くと個人情報の漏洩が心配になるだろうが、ウェイクワード・アクティベーション・フレーズが聞こえる前の情報は保存されない。また、保存されている情報は暗号化されるため、リークの心配はそれほどしなくても大丈夫そうだ。しかし、もし誰かが、あなたのAmazonやGoogleのパスワードを手に入れた場合、スマートスピーカーを使って、あなたがいつ、どんなことをスマートスピーカーに尋ね、何をし、何を調べたかなどということがすべて分かってしまう。

 スマートスピーカーは大変「便利」だが、それと引き換えに、使用することで「プライベートがリークされる可能性がある」というリスクを使用者は理解しておいた方がいいだろう。

 個人情報漏洩のリスクを軽減させる方法として、

パスワードを数カ月に一度は変える

大事な話をするときはスマートスピーカーのミュートをオンにする


 大変基本的なことだが、上記の二点をオススメしたい。ちなみに、記録に残らずとも何かがずっと会話を「聞いている」ことを嫌うアメリカ人が少なくないため、Amazon社ではボタンを押したときのみ起動する「Amazon Tap」も販売している。

 先日のニュースでは、ボーイフレンドがガールフレンドに対して暴力をふるっている最中に、男が言った「警察に電話したのか?」という言葉にスマートスピーカーが反応し、911(日本の110・119)に自動的に電話をかけ、その女性を救ったというニュースがあった。上手に使えば、スマートスピーカーは命を救ってくれることもあるのだ。

 スマートデバイスをスマートに使い、安心してスマートな生活を送ろうではないか。

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