テキサス銃乱射事件 便乗する陰謀説でさらに混乱

テキサス銃乱射事件 便乗する陰謀説でさらに混乱


 50人以上の犠牲者を出したラスベガス銃乱射事件の悲劇から1カ月半しか経っていない中、アメリカ時間の11月5日午前11時半頃、米テキサス州サザーランド・スプリングスにあるキリスト教バプテスト派教会で、ひとりの銃撃犯による銃乱射事件が発生した。少なくとも27人が死亡し、多数の負傷者が出ている。

 犯人の白人男性、デヴィン・ケリー容疑者(26)は事件後に死亡したため、事件の全容はまだ明らかになっていないが、ラスベガス銃乱射事件同様、単独犯とみられている。ケリー容疑者はテキサス州サンアントニオ近郊在住で元米空軍。人口がたった数百人という小さな農村の穏やかな日曜礼拝に集った住民たちに向け、アサルトライフル(自動小銃)で無差別に発砲し、5歳の男の子から70歳代の年配者までの大勢の命を奪い、多数の負傷者を出した。事件の際、地元住民が自ら所有するライフルで同容疑者に向かって防衛のために銃を撃ち始めたため、容疑者は逃走したと言われている。

 襲われた教会は白人信者がほとんどの保守派教会だった。アメリカ史上最悪な大規模銃乱射事件のうちの2つが短期間に起き、両方の事件の犯人が共に白人のアメリカ人であったため、トランプ支持層とされる白人たちを狙った「アンティファ」 、つまり極左勢力、暴徒を動員することも厭わない反ファシズム(アンチ・ファシズム)によるものや、「これこそが白人ナショナリズムの右翼運動「オルト・ライト(オルタナ右翼)」の陰謀だと指摘するジャーナリストやネット記事、ソーシャルメディア情報が飛び交い、混乱を見せている。

 そんな中、日本を訪問中だったトランプ大統領は記者会見で、この事件は銃規制に関する問題ではなく、この犯人の精神に問題があると発言。その発言を受けて、陰謀説よりも大きな波紋がアメリカ国内に広がっている。

引用元:ANTIFA" RESPONSIBLE FOR SUTHERLAND SPRINGS MURDERS, ACCORDING TO FAR-RIGHT MEDIA
テキサス州に関する記事 >

この記事の寄稿者

関連する投稿


トランプ大統領は現代のロビン・フッドだ

トランプ大統領は現代のロビン・フッドだ

多様なアメリカでは、暮らす地域によってすべてが異なる。テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、アメリカ国内でも報道されない保守の声をお届け。トランプ支持がなぜ悪い? 西森マリーの「アメリカ保守派の考え方」。先日、新税制改革法を通したばかりのトランプ大統領。彼こそが「現代のロビン・フッド」だと評価する保守派の考え方とは?


【Red vs Blue】トランプ政権、米疾病管理予防センターに「7つの用語」の使用禁止を通達

【Red vs Blue】トランプ政権、米疾病管理予防センターに「7つの用語」の使用禁止を通達

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々見解を披露する。今回は、先月半ばに現政権が米CDCに対して「多様性」などの用語の使用禁止を通達したことについて、両者が意見を戦わせる。


【Red vs Blue】トランプ大統領のセクハラ告発者の勇気を讃えたヘイリー米国連大使

【Red vs Blue】トランプ大統領のセクハラ告発者の勇気を讃えたヘイリー米国連大使

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々見解を披露する。今回は、大統領自身も自らを告発した女性たちの声を聞くべきだと発言したヘイリー米国連大使について、二者が意見を交わす。


トランプ大統領をSNSで批判すると警告の電話が来る?!

トランプ大統領をSNSで批判すると警告の電話が来る?!

SNSで友達に向けて、米大統領に批判的な意見を発信したとする。ある日、米大統領支持団体から、その投稿を指摘する電話が掛かってきたら、あなたはどう反応するだろう? 市民のSNSまでモニターされているのだろうか?


【Red vs Blue】トランプ大統領の北朝鮮政策は飢饉を誘発する?!

【Red vs Blue】トランプ大統領の北朝鮮政策は飢饉を誘発する?!

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々見解を披露する。今回はトランプ大統領による北朝鮮への制裁に対して、両者の意見を聞く。






最新の投稿


訳が分からないアメリカの不法移民問題

訳が分からないアメリカの不法移民問題

保守とリベラル派の対立が激化し、「分断された」と言われるアメリカだが、実際には中道派も多く存在する。二つの異なる思想の間で様々な思いを抱く中道派の視点で、グッドイヤー・ジュンコが「アメリカ」を語る。1,100万人以上とされるアメリカの不法移民。トランプ政権発足後、取り締まりが強化されているが……。


権利意識が社会を変える:アメリカ女子アイスホッケー(前編)

権利意識が社会を変える:アメリカ女子アイスホッケー(前編)

アイスホッケーの在米コーチである著者が、アメリカのプロスポーツ・ビジネスの構造や考え方、ユース・スポーツの育成、アプローチ方法などを情報満載でお届けする、若林弘紀のコラム『スポーツで知るアメリカ』。平昌オリンピックの開幕まで、あと約1カ月。今回は注目の女子アイスホッケーで、なぜ北米が優位なのかを解説する。


【Red vs Blue】サンフランシスコの慰安婦像 大阪市長が姉妹都市提携の解消を表明

【Red vs Blue】サンフランシスコの慰安婦像 大阪市長が姉妹都市提携の解消を表明

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々見解を披露する。今回はサンフランシスコ市が設置した「慰安婦像」と大阪市の言い分について、保守派とリベラル派が市民目線で見解を述べる。


野菜は近所で調達! ローカル・フード・ムーブメント

野菜は近所で調達! ローカル・フード・ムーブメント

「サステイナブル(持続可能)」は、今日のアメリカの農業を語る上での、ひとつのキーワードだ。サステイナブルな農業にもいろいろな方法があるが、身近でそれを実現させている注目のサイトを紹介しよう。


トランプ大統領は現代のロビン・フッドだ

トランプ大統領は現代のロビン・フッドだ

多様なアメリカでは、暮らす地域によってすべてが異なる。テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、アメリカ国内でも報道されない保守の声をお届け。トランプ支持がなぜ悪い? 西森マリーの「アメリカ保守派の考え方」。先日、新税制改革法を通したばかりのトランプ大統領。彼こそが「現代のロビン・フッド」だと評価する保守派の考え方とは?


アクセスランキング


>>総合人気ランキング