アメリカは核ミサイル反撃を24時間警戒態勢へ

アメリカは核ミサイル反撃を24時間警戒態勢へ


 核ミサイルを保有する全米の空軍基地では、大統領命令が下り次第、24時間態勢でB-52を発射できる準備を整えている。これは米・ソ冷戦が集結した1991年以来の緊張状態だ。この動きの背景には、急速に進む北朝鮮の核兵器開発、北朝鮮に対するトランプ大統領の挑発的な姿勢、ロシアの活発な軍隊活動などがある。アメリカの防衛、国家安全に関連するニュースに特化したメディア『Defense One』の記者が、ロサンゼルスのバークスデール基地を独占取材した。この緊迫した現情勢をRedとBlueはどう受け止めているのだろうか?

出典『Defense One』
元記事:EXCLUSIVE: US Preparing to Put Nuclear Bombers Back on 24-Hour Alert

RED: アメリカが再び本気になったということだ
“America means business again ”

 前大統領バラク・オバマが就任した2009年から2016年の8年間、世界はアメリカを真面目に捉えなかった。バラク・オバマが用いた「まずは謝罪して」世界の独裁政権や殺人政権をなだめるという戦略は、もちろん状況を改善することはできなかった。そもそも、そんな戦略はうまくいくはずがない。しかし、オバマ前大統領のような軍隊経験も外交経験も全くないリベラル派の半植民地主義者はナイーブで、自分が相手にしているのは自分と同じように話し合いを好む人々だと考え、イランのようなイスラエルの破壊とユダヤ人の破滅を誓った国の指導者であるという認識がなかったのだ。

 さて今やトランプ大頭領の元、金正恩のような武力を用いて威嚇する道化者への対応の違いがよくわかる。トランプ大統領は、アメリカの戦略核兵器を警戒状態に置くことで、世界、特に平壌の指導部に対して「アメリカは本気」だと表明しているのだ。


BLUE:それよりも我々の核兵器を解体すべきだ
“We Should Be Dismantling Our Nuclear Weapons Instead  ”

 冷戦は26年前に終わっている。以来、世界の指導者たちは、核兵器の保有量を減らすために努力してきた。オバマ前政権の下で、アメリカはようやくイランとの核兵器条約に調印することができたのだ。

 トランプは今、こうした進展を全て反故にすると脅している。彼は「外交」という言葉をまったく理解していないように見える。核兵器に対する彼の態度は恐ろしいというほかない。イラン条約を尊重することを拒否し、アメリカの核兵器を10倍増やすよう提案していることが報道されている。さらに悪いことに、トランプが世界的な緊張状態を作り出していることで、他国が核兵器を作り出す可能性もある。

 トランプになんらかの自制心があれば、我々は核爆撃機を警戒態勢に置く必要はないはずだ。しかし現実はそうではなく、トランプが発する全ての発言と脅しは、世界平和の機会を着実に遠ざけている。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

アメリカ軍に関する記事 >

この記事の寄稿者

関連するキーワード


米軍 ロシア 兵器

関連する投稿


ブレインテックがトップ・アスリートを創造する?

ブレインテックがトップ・アスリートを創造する?

脳に働きかけて能力向上を図るブレインテックは、アメリカで急成長し続ける技術エリアだ。今回紹介するのは、ブレインテック・ヘッドフォン。トップ・アスリートたちがこよなく愛する商品の秘密とは?!


トランプの「軍事パレード開催」発言を兵士たちはどう受け止めたか

トランプの「軍事パレード開催」発言を兵士たちはどう受け止めたか

多様なアメリカでは、暮らす地域によってすべてが異なる。テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回は、「軍事パレードを開催したい」というトランプ大統領発言に対する兵士や保守派の意見を紹介する。


トランプ大統領に対する「抵抗勢力」の狙いは、トランプ潰しではない

トランプ大統領に対する「抵抗勢力」の狙いは、トランプ潰しではない

ヒッピーやリベラル派が多く住むオレゴン州ユージーン。彼の地のファーマーズ・マーケットで働きながら、米政治・社会について論破することが趣味なリベラル派市民、ロブ・スタインが語る「今日のアメリカ」。先日、NYタイムス氏が掲載したトランプ大統領のロング・インタビューを読んで、リベラル派の彼は何を思ったのだろうか?


大人の社会科見学!アメリカ省庁探訪

大人の社会科見学!アメリカ省庁探訪

 アメリカの政府関連施設は、一般に内部を公開している機関も少なくない。施設見学に加えて、その機関ならではの「不思議なお土産」に出会えるのも魅力のひとつだ。その一部を紹介しよう。


「一流」や「本場」から学ぶということ

「一流」や「本場」から学ぶということ

「ペンタゴン(米軍)式」はビジネスでも使える! メンタル・トレーニングを中心に、国防省現役キャリアの著者が知られざるペンタゴンの世界を紹介する『ペンタゴン式・心の鍛え方』。何かを習得したい時には、ボトムアップでコツコツ自分を試すだけなく、一流や本場と呼ばれる世界に体当たりしよう。






最新の投稿


日本の逸品、アメリカ人が査定②「めぐリズム・蒸気でホットアイマスク」

日本の逸品、アメリカ人が査定②「めぐリズム・蒸気でホットアイマスク」

編集部が勝手に選んだ日本の優れた商品を、アメリカ人に試してもらうというこの企画。今回は日本ではおなじみ、花王の「めぐリズム・蒸気でホットアイマスク」でリラックスしてもらった。アメリカ人による使用心地の感想はいかに?


新たな婚約指輪トレンドの誕生? 永遠の誓いを“永遠”のものに……

新たな婚約指輪トレンドの誕生? 永遠の誓いを“永遠”のものに……

婚約指輪といえば「ダイヤモンド」。そのダイヤモンドの感動を永遠のものにしたいと願うのは、アメリカのミレニアルズ世代も共通だ。しかし彼ら流のダイヤモンドの新しい身に付け方は、ちょっと変わっている


【Red vs. Blue】日米首脳会談で安倍総理がトランプに言うべきことは……?

【Red vs. Blue】日米首脳会談で安倍総理がトランプに言うべきことは……?

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は、両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について、各派のアメリカ人が各々の見解を披露する。今回は、今週アメリカで開催される安倍総理とトランプ大統領の日米首脳会談について、両派の意見を乞う。


サマーキャンプで未来を創造するリーダー育成

サマーキャンプで未来を創造するリーダー育成

夏休みが長いアメリカでは、子供を「サマーキャンプ」に送るのが通常だ。キャンプといっても、テントで寝泊まりするのではなく、科学や美術、スポーツなど様々なスキルを学ぶためのもの。なかでも昨今の人気は……?


ホームレスから年収1千万円以上の職に就く道を開くために

ホームレスから年収1千万円以上の職に就く道を開くために

サンフランシスコのダウンタウンの一角、テンダーロイン地区には多くの有名IT企業が並ぶが、ビルの前には行き場のない大勢のホームレスが佇む。この貧富の不均衡が明確な地区で二者間を近づける活動を行う団体がある。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング