空港は航空輸送をより持続可能にできる

空港は航空輸送をより持続可能にできる


 ワシントン州シアトル港湾局はシアトル・タコマ国際空港において、全米に先駆け環境に優しい空港づくりに取り組んでいる。空港に出入りするタクシーやUberなどの配車サービスに、より厳しい燃料基準を満たすことを要求し、空港内の新しい建築物デザインにも高い環境基準の達成を義務付けるなどの試みをしているが、さらに今回は、空港で最大の炭素排出汚染源であるジェット燃料を航空バイオ燃料に移行する試みに取り組むことになった。地元のワシントン州立大学、ボーイング、アラスカ航空が航空バイオ燃料に関する画期的な科学的・工学的研究を行い、連邦航空局の承認を得た同港湾局は、シアトル・タコマ国際空港で低炭素燃料の需要を集約して全ての航空会社に航空用バイオ燃料を供給する全米初の空港になるという目標を立てている。大気汚染の削減に大きな役割を果たすとみられるシアトル港湾局の取り組みを、RedとBlueはどう見ているだろうか?

出典『シアトルタイムス』紙
元記事:Airports can help make air transportation more sustainable

RED: 気候変動問題は、たとえ空港でもナンセンスだ
“Climate change is utter nonsense, even at the airport”

 この記事は人々を良い気分にさせる。この空港はどういうわけか気候変動問題に取り組んでいるが、誰も聞こうとしないのが、「費用はどれだけかかるのか?」という質問だ。空港で気候変動に取り組むために様々な規制を課せば、さらに追加の規制が発生し、それと引き換えに航空券のコストが上がるだろう。そうならないと考えるのは、バカだ。

 しかし、この議論は非実際的だ。それは、なぜか? それはそもそも地球が温暖化しているという事実自体が曖昧だからだ。地球温暖化、気候変動は人間が原因だという理論の原則は、二酸化炭素が大気中に太陽の光をより多く閉じ込めることで地球を根本的に温める、とするものだ。その説だと、気温が上昇する前に二酸化炭素が増加することになる。気候温暖化の主張者は、人間が過去250年にわたって行ってきた工業生産の結果として今日の問題が発生しており、人類だけがこれを解決できると信じている。ここで言う人類とは、左派の科学者のことだ。しかし、1996年に採取されたボストーク氷床コアによって、地球温暖化に伴う二酸化炭素(地球温暖化の原因と推定される)の増加は、常に地球の温度が上がった後に発生していることが判明した。つまり、地球温暖化の考えは全くのゴミなのだ。歴史的に(地球の地質学的な過去を何千年も昔に遡って)、地球が温暖化し、それから二酸化炭素が増加していることがわかっている。その反対ではない。地球温暖化の幻の原因と戦うのは無意味であり、その間、他の現実の環境災害(福島の原子炉事故のような)は、広大な太平洋に放射能を流し続けて汚染している。


BLUE:再生可能エネルギーを増やすべきなのは明らか
“For Renewable Energy, The Only Way Is Up”

 航空機は、温室効果ガス排出量の9%を占めている。旅客機の需要は今後10年で2倍になると予測されており、飛行機の排出ガス削減は、地球への影響を軽減するための成功への鍵となる。従って、ワシントン州とシアトルの空港当局が航空機のバイオ燃料使用を奨励するという記事を読むのは、励みになる。こうした先見的な政策は経済にとっても良いだけでなく、航空機による環境への影響を軽減することにもなる。

 一方で石炭は、アメリカ全体の温室効果ガス排出量の25%を占めている。トランプ政権は今でも石炭の使用を積極的に奨励しており、石炭採掘産業と石炭を使用する発電所に有利になるよう環境規制を変更した。しかし、昨年の米国の供給電力の半分は天然ガスと再生可能エネルギーであり、これらの供給量は増え続けている。石炭による電力供給は30%だけで、しかも減少の傾向にある。

 またもやトランプ政権は、すでに過去のものとなったテクノロジーを保護するために環境を二の次にしようとしている。古いテクノロジーを追うことの一体どこに、ビジネスセンスがあるというのだろうか?

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

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この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

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