戦争へ一歩近づいた? 米国が3隻目の航空母艦を北朝鮮付近に配備

戦争へ一歩近づいた? 米国が3隻目の航空母艦を北朝鮮付近に配備


 北朝鮮とトランプ米大統領の応酬が続き、戦争への不安が消えない中、朝鮮半島沖で戦闘訓練を行っている2隻の米軍母艦に、先月末、3隻目の空母ニミッツが加わった。このことから、『The Daily Star』紙は米軍が戦争に備えた動きをしているとほのめかし、「アメリカは北朝鮮の核を撃ち落とせる」という米国迎撃ミサイル・システム製造企業RaytheonのCEOケネディ博士のコメントを紹介した。戦争への動きが現実化してきたかに見えるこの記事、RedとBlueはどう読むか?

出典『The Daily Star』
参照元:US Sends THIRD Aircraft Carrier Near North Korea in Shock War Move

RED: アメリカは立ち上がった
“America Rising”

 北朝鮮は、戦争を終結させた1953年の朝鮮戦争停戦以来、共産主義の凶悪国家である。日本人の誘拐、世界におけるテロ行為、1200万人以上の北朝鮮国民の大量飢餓、強制収容キャンプの運営、25万人もの人々の残虐な投獄、そしてアメリカと太平洋同盟国に対する核攻撃の直接的な脅威などが、言語に絶する彼らの犯した罪の数々である。

 アメリカ歴代大統領(ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、そしてバラク・オバマ)は、北朝鮮問題をほとんど無視して、北朝鮮のこうした行動をほぼ25年にわたって見逃してきた。しかし、トランプ大統領はこれまでの歴代大統領とは違うようだ。北朝鮮に対して立ち上がったアメリカを誇示するために、この地域に3隻目の米航空母艦戦闘隊を送り込んだ。金正恩に脅威を与えるために立ち上がったのだ。北朝鮮が大陸間弾道核兵器を保有する危機に対して、そして北朝鮮がしかけようとする戦争を攻防するために。

 中国政府でさえも、中国と北朝鮮間の全ての商業交流の停止を命じ、国連による北朝鮮に対する制裁強化を暗黙のうちに後押しもさせた。北朝鮮は、アメリカから瞬時に譲歩を確保できた以前とは異なり、終焉に向かっているのかもしれない。中国との貿易や西側との援助がなくなれば、北朝鮮はいよいよ韓国主導の政権の元に韓国と平和的な統一を迎える道を選ぶか、あるいは、現代の世界に暗い影を落とす形で、自ら軍事的に破滅の道に進む可能性に直面することだろう。


BLUE:自紙を多く売るためだけに記事を書く最低のタブロイド新聞
“The Daily Star Wants to Sell Newspapers”

 『The Daily Star』紙 は、でっち上げのニュースを報道するセンセーショナルなタブロイド新聞だ。このニュース全体の事実確認をするのは、突っ込みどころが多過ぎて相当な時間がかかってしまうだろう。

 そこで、いくつかの事実だけをここに上げておこう。国防総省のジョセフ・ダンフォード海兵隊大将は、問題の第3隻目の空母は、「偶然」韓国の近くにいただけであると言っており、ジェームズ・マティス国防長官も「我々の目標は戦争ではない」と述べている。

 ダンフォード、マティス、さらにはトランプ大統領も韓国を訪問しており、この地域のアメリカ艦船の数は力の誇示、または米軍の計画の一部だと推測するのは容易だろう。でも我々は、なぜ韓国の近くに3隻の母艦がいるかについて、軍から何の情報も得ていない。今年の4月にも日本海をアメリカの空母が航海した時に同様のことが起こり、トランプ自身が北朝鮮に向けてのメッセージとして送ったのだと発言したが、この時トランプは間違った情報を与えられたか、あるいは嘘をついたかのどちらかだ。なぜなら、その空母はオーストラリアとの軍事演習のためにインド洋に向かう途中だったからだ。

 『The Daily Star』紙が興奮して書いている3隻目の空母について我々がわかっていることは、この船が現在どこかに向かっているということだけだ。それを裏付ける事実がないまま、まるで「戦争が間近だ」と言わんばかりのセンセーショナルな見出しをつけるのは危険であり、無責任である。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

ハワイとアラスカ、北朝鮮の大陸間弾道ミサイルの射程範囲に

https://bizseeds.net/articles/220

 今月4日、再び北朝鮮がミサイルを試射し、北朝鮮国営メディアはそれが高度2,802キロメートルに達したと伝えた。専門家の中には同ミサイルは8,000キロメートル以上の射程があると見ている者もおり、この見解に沿えばアメリカでもハワイとアラスカが射程範囲内になる。

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この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

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