スーパーハイウェイが実現する? コロラド州が取り組む夢の構想

スーパーハイウェイが実現する? コロラド州が取り組む夢の構想


 アメリカの経済が集まる都市圏は、場所を問わず渋滞がひどい。沿岸都市部ほどではないにせよ、コロラド州デンバーも渋滞の悩みは一緒だ。しかし、州政府がロサンゼルスに本拠を置くハイテク企業と手を組んだことで、デンバーが渋滞問題をいち早く完全に解消する都市になるかもしれない。

 超高速輸送システム「ハイパーループ」によって、コロラド州は全米で最初に通勤渋滞を解消できる可能性が出てきた。11月14日、コロラド州運輸省はベンチャー企業「アリーヴォ社」と官民協働で、同州デンバーにハイパーループ・ネットワークを建設する計画を発表した。

 ハイパーループとは、テスラ社CEOのイーロン・マスク氏が2013年に名付けた次世代の超高速移送システムだ。その実現を目指す企業のひとつ、ハイパーループ・ワン社(今年10月ヴァージン・ハイパーループ・ワン社と改名)の構想では、磁力で空中浮揚した車両が真空チューブの内部を音速に近い時速700マイル(時速約1,126キロ)もの超高速で走り、たとえばロサンゼルスとサンフランシスコ間を30分で移動するという。同社は最近、米国最初の10の運行候補地にはコロラド州も入っていると発表していた。

 しかし今回、アリーヴォ社が発表したコロラド州ハイパーループ・システムは、上記のようなサイエンスフィクションめいた構想とは著しく異なる。同社が目指すのは、広範囲にわたる長距離・超高速移動ではなく、ローカルな交通渋滞を解決して通勤者を助けることだ。同社の共同創業者バンブローガン氏は、かつてハイパーループ・ワン社の創業者のひとりだったが、訴訟沙汰の末に同社を去って昨夏アリーヴォ社を立ち上げた人物。彼の構想は、デンバー市中心部の密集地に、既存の高速道路の敷設権を利用して地上チューブを設置し、時速200マイル(時速約320キロ)で通勤ドライバーを車ごと高速移動させるというもの。コロラド州は近年、全米で最も人口増加が激しい州のひとつで、州都デンバーは急速に都会化が進み、交通問題の需要が高い。同社は来年初頭、1,000〜1,500万ドルを投じてデンバーに試験軌道を起工し、うまくいけば2021年には最初の運用システムを準備できる見込みだ。

 この事業は、アリーヴォ社を含む公営、民間企業によって実施される予定だが、その参加団体には、E-470 Public Highway Authorityという公社も含まれている。この公社は、市の東部の周りを走る75マイルの有料道路を運営しているが、アリーヴォ社のテストトラック・サイトはE-470にも近く、2018年初頭に着工が計画されている。

 アリーヴォ社CEO のバンブローガン氏は、 資金調達や規制への認可などが通れば、最初の商用システムは2021年には準備できそうだと語っている。この計画が実現すれば、ダウンタウンから空港まで車で約1時間10分かかるところが約9分に短縮でき、ラッシュアワーには通常1時間はかかるデンバー市とボルダー市との移動が、わずか8分になると見ている。

 コロラド州運輸省エグゼクティブ・ディレクターのシェイレン・バット氏によれば、アリーヴォ社のハイパーループは、人々を自家用車ごと運ぶだけでなく、貨物トラクター・トレーラーの80%をハイパーループ路線に乗せるため、一般道の渋滞緩和を期待できる。同氏は「公共交通でも、軽量軌道でも、連結車両でも、ハイパーループ型システムでも、問題解決のためにできることはすべてやってみたい」と意気込んでいる。

 アリーヴォ社は来年、デンバーで40〜50人を雇用し、テストトラック・サイトに10〜1,500万ドルを投下、そして新しいエンジニアリング・テクノロジーセンターを開設する計画だという。夢のようなスーパーハイウェイがデンバーで成功すれば、全米の至る所で同じような交通網が張り巡らされるかもしれない。近未来型都市計画によって全米の街は今後どのように変貌していくのだろうか。

引用元:Hyperloop firm Arrivo to create 200 mph traffic-busting tubes in downtown Denver

イーロン・マスクの新構想 ロケットで地球上の都市間を高速移動?!

https://bizseeds.net/articles/445

 スペースXとテスラ・モーターズの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏が、またしても世間を騒がせている。

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