アメリカ私立高校のベスト1の学費は年53,000ドル

アメリカ私立高校のベスト1の学費は年53,000ドル


 学校に関するリサーチ及び情報収集を行なう企業Nicheがアメリカの私立高校約3,500校を対象にした最新調査結果を元にトップ25校のランキングを発表した。

 評価の基準はSAT及びACTの得点、卒業率、学校の文化と多様性、大学入学率などで、1位に選ばれたのは、マサチューセッツ州アンドオーバーのフィリップス・アカデミー(Phillips Academy)だった。同校の学生数は1,154人。学費は年間40,500ドル。全米はもちろん、世界(現在44カ国)からも学生を受け入れるための寮施設があり、寮生は学費込みで年間53,000ドル(約592万円)。これを高いと見るか、学生たちの将来を見据えた効果的な投資と見るか。RedとBlueの評価はいかに?

出典『Business Insider』
引用元: Inside the best high school in America that costs $53,000 a year

RED: お話にならない記事だ
“his article is a joke”

 この記事の意味が分からない。アメリカにおいて優れた教育の基準を測る尺度は、学費だと言いたいのだろうか? 本来高い教育基準を語るにあたり、議題に上るべきは学費にどれほどかけているのかでもなければ、フィリップス・アカデミーのようなバカ高い授業料にあるのでもない。ここ30年の間、アメリカの左派は子供の教育費が高いほど良い教育が得られるという、誤った主張をしてきた。これは、そもそも最初の仮説からして間違っている。

 2010年、アメリカは地球上のどの国よりも多くの資金を学生のために費やしている。その額は学生一人当たり年間11,000ドルから12,000ドルと驚異的な金額だ。しかし国語、数学、科学などの科目で学生たちがどの程度の成果を上げているかを評価した調査では、アメリカは世界全体で14位だった。アメリカはどの国よりも高い費用をかけているというのに、どうしてこんなことが起きるのだ? それは学費の高さと教育の質が、必ずしも一致するわけではないからである。

 確かに潤沢な教育資金は、音楽、美術、演劇、スポーツといった幅広いカリキュラムを学ぶ機会を子供に与えるだろう。しかし、国語や数学といった基礎強化向上には、必ずしも高い資金は必要ない。アメリカの子供の学力を上げていくには、自己鍛錬、誠実さ、家族、献身という全く異なる条件が、まずは必要なのだ。

 こうした条件は学費を払えば手に入るものではないし、本屋などで入手できる類のものでもない。本来、社会や家庭が与え続ける必要のある価値あるものが、子供たちに与えられていないという事実に目を向けるべきだ。アメリカの子供達が教育水準に達しない理由はそこにある。この記事を掲載した『ビジネス・インサイダー』は、アメリカの教育の真実を理解できていない。この記事は、アメリカで最高の教育を受けるには、家族が驚異的な金額を費やさなくてはならないという点にそれとなく議論を持ちかけようとしており、ナンセンスだ。子供に必要なのは、献身的な両親と学ぶことへのたゆみない修練だ。お金では決してこの条件を満たすことはできないし、記事が試みようとしたように、「子供を持つには大金が必要だ」という思考に人々を牽引することは、読者への侮辱でもある。


BLUE:優れた生徒が優れた教育を受けるべきだ
“The Best Students Should Get the Best Education”

 経済的にゆとりのある家庭の子供のための私立エリート校の存在に、何の問題もない。アメリカは科学と数学において世界の他の国に比べて遅れをとっており、より良い学校があれば、それに越したことはないからだ。

 気にかかるのは、アメリカの公立学校の資金の問題だ。州によっては学校に資金を提供するだけの十分な財源がない。実際、アメリカの多くの学校が、生徒のために十分な鉛筆やノートを買うことさえもできないのが現状だ。右派は公立学校の予算を削ることばかりに注力しており、国民から誰もが平等に教育を受けられる権利を奪い、その重要さを無視しようとばかりする。

 公立高校には、上級コースが用意されていない高校もいくつかある。テストの結果において全国平均または平均以上を取っているのは、全米における最も貧しい学校区1,000のうち68のみだ。これを不公平と言わず何といえばいいのか。家庭の事情で私立学校に行けない子供たちが、我々のシステムによって罰を受けるべきではないはずだ。

 アメリカはチャンスの国だということに誇りを持っている、そして、より良い教育は我々すべてが利用できる機会でなければならないはずだ。どこに住んでいようと、お金があるかどうかに関わらず、聡明な子供達が最高の力を発揮できる教育システムが必要なのだ。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

幼稚園でトランスジェンダーについて議論?

https://bizseeds.net/articles/394

 カリフォルニア州ロックリンの幼稚園で、子供向けのトランスジェンダーの書籍をクラスで読んだことに対し、教育委員会の席で親からの抗議が殺到した。

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この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

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