トランプ大統領、貿易において米国を利用している中国を評価

トランプ大統領、貿易において米国を利用している中国を評価


 先月、13日間に渡るアジア歴訪を行なったトランプ大統領は、中国に立ち寄った際、中国は米国との不公正な貿易慣行から大きく恩恵を受けているが、中国を非難はしないと発言した。
 昨年の米国の中国との貿易赤字は3,470億ドルあり、大統領は中国との貿易関係を「非常に不公平」と言っているが、これについては中国ではなくオバマ前政権を非難している。大統領選挙中には、中国の貿易を「最大の盗難」、「レイプだ」などと非難していたトランプ大統領のこの発言をRedとBlueはどう見るか。

出典『Market Watch』
Trump gives China credit for taking advantage of U.S. on trade

RED: トランプが言うことに米メディアが不平をこぼさないのは奇跡だ
“It’s a Miracle…Trump said something and the American Media didn’t complain”

 トランプについて不平を言わないアメリカの左派メディアを想像するのは難しい。トランプが、オバマ前政権の失敗や対中国外交に関して言及する場合は特に批判が高まる。この記事もビジネスニュース・サイトのものなので、おそらく記者はトランプを侮辱することをそれほど気にかけておらず、それよりも米中間の貿易変化の現実に関心が高いだろう。個人的には、トランプ大統領はこの8年間で失敗した国家安全戦略の修正を試みようとしているのであり、オバマとはその点が違うのだと思っている。中国の指導者にも、そのことは知って頂きたいと願うばかりだ。

 トランプは、何よりも第一にビジネスマンである。だから彼は、中国との貿易協定において、より公平な国際貿易関係にシフトする実質的な内容でなければ、同意しないだろう。もしも中国が、かつての歴代大統領たちと同じように、トランプに対してごり押しできると考えているとしたら、その期待は崩壊寸前だ。アメリカ人は年間5,000億ドル以上の貿易赤字を抱えている。それはアメリカ経済を損なうだけではなく、アメリカ人のフェアプレー精神にも反する。これは、世界の舞台にアメリカ人を復活させるトランプ・キャンペーンのオープニング序曲だと私は予測している。確かなことは、気候変動協定からの離脱から始まり、イラン核合意の終焉、そして今、中国との貿易政策において、トランプ大統領は確実にアメリカ・ファーストの行進を始めている、ということだ。


BLUE: TPP加盟11カ国 米国除外
“TPP 11, USA 0”

 ドナルド・トランプは2016年、中国との貿易赤字3,470億ドルは「世界の歴史における最大の盗難」のひとつだと言った。そして彼は、中国が引き続き「我々の国を強姦することは許されない」と述べた。

 しかし先月、中国で周大統領に会うと、トランプは、中国との貿易におけるアメリカの赤字は全てアメリカのせいだと言った。そして彼は、周大統領を、オバマ前大統領とそれ以前の大統領をうまく利用してきたと褒めた。「他国を利用する能力のある国を責めることが、誰にできる」とトランプは述べたのだ。しかし、ベトナムに向かうため中国を後にした時、トランプは、「これ以上は利用されない」と宣言した。数時間後、中国を含めたTPP加盟11カ国が貿易協定に調印したが、米国は外れた。

 トランプは自分が好きなことは何でも約束できる、しかし、アメリカはBrexit後の英国と同じ運命に向かっているように見える。選択肢もなく、借り入れ資本もなく、保証もない部外者だ。トランプは張子の虎に過ぎない。自宅では牙をむき出し、雄叫びをあげてファンを喜ばせ、外に出ると、中国を訪問した時のように、贅沢な夕食会に招待されて喜び、子猫のように喉をゴロゴロ鳴らすだけだ。中国との本当の均等貿易など虚偽の希望であり、真の解決策は見当たらない。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

アメリカが中国を「人身売買犯罪国の中で最低」の烙印

https://bizseeds.net/articles/198

 米国務省は、世界各国の人身売買犯罪と強制労働における同省の格付けリストにおいて、人身売買に関しては中国が世界最低だとして、これまでの三段階評価の真ん中(Tier2)から、最も下段(Tier 3)に格下げした。

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この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

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