あれから1カ月、米大統領に中指を立てた女性に寄付殺到

あれから1カ月、米大統領に中指を立てた女性に寄付殺到

先月、米メディアを騒がせた一枚の写真がある。自転車を漕ぐヘルメット姿の中年女性が、黒塗りの米大統領車両に向かって左手の中指を立てた姿を捉えたものだが、その彼女の元に寄付が殺到しているという。


シングルマザーの働き者が、中指を立てた事件で即刻解雇

 先月初旬にトランプ大統領がヴァージニア州内で自動車行列をおこなった際、ロードバイク風の自転車に乗った通勤途中の中年女性が、大統領車両に向かって左手の中指を立てながら走った写真が、全米中のメディアで取り上げられた。「中指を立てる」というのは、いわずもがな「クタバレ、クソくらえ」などを意味する下品なジェスチャーであり、決して褒められたものではない。

 そのことを当然知りながら、指を立てたのは、ジュリ・ブリスクマンさん(50歳)という二人の子持ちの一般の女性だ。ブリスクマンさんは当時、米政府機関の出入り業者で働いていたが、このことを重く見た同社は即刻、彼女を解雇。しかし、この事実をテレビの司会者が生放送で話したことで、逆に彼女は一躍、時の人になってしまった。

 ブリスクマンさんは、まさか自分が「中指を立てたところ」をホワイトハウス担当の記者がたまたま写真に撮っていたとは知らず、非常に驚いたそうだ。しかし、そんな彼女の驚きとは裏腹に、反トランプのリベラル派の中には「よくぞ、やってくれた!」と、その勇気ある行動を讃える人たちが後を絶たず、彼女のことを「ヒーロー(hero)」もとい「シーロー(she-ro)」と呼ぶ現象まで起きているという。

なぜかドイツからの寄付が多い?!

 表現の自由を守る合衆国憲法修正第一条があるため、ブリスクマンさんの行為については「とがめられるべきではない」、「会社は解雇するべきではなかった」等と主張する声も多い。健康保険が高額なアメリカでは、正社員としての就職先がないと個人で月々の高額保険を支払わなければならない。二児の母でシングルマザー、そして突然無職になってしまったというのは、まさに生活そのものの危機だ。そんな不安を解消すべく、彼女の友人たちが彼女を支援するため寄付の呼びかけを始めた。

 寄付の受付を「Go Fund Me」というクラウド・ファンディングサイトに設置し、寄付金は$10か$20のみの小口設定にしたが、これが瞬く間に話題となり、アメリカ中から何千人もの人たちがブリスクマンさんのために寄付をした。トランプ大統領の宿敵ともいわれるコメディアンで女優のロージー・オドネルさんもこれに賛同、彼女も合計$1,000も寄付したという。その結果、寄付の合計達成目標が100K(約1千万円)をゴールにして、11月6日にから1カ月の予定でスタートした寄付の呼びかけに、5,816人から132,445ドル、日本円で約1,500万円が集まり、キャンペーンは終了。集計を見ると、アメリカに住むアメリカ人からの寄付に混ざって、なぜかドイツの人々からの寄付が多く、ドイツ人の米政治に対する関心の高さが伺える結果となった。

 ブリスクマンさんには、この寄付だけでなく、4千人以上の人々からメッセージが届いたという。街で知らない人から「寄付はできないが、あなたの今日のコーヒーを買わせてくれ」、「生活が苦しくて二つの仕事を掛け持ちしているが、このビールは俺の奢りだ」など、温かな申し出も多数受けたという。大勢に支えられたと感動した彼女は、「自分が人々に支えてもらったことに恩返しをしたい、人々の親切心を讃えたい」と、自分よりもさらに困っている人のためにクラウド・ファンディングを設置する予定だという。

 ブリスクマンさんの新しい就職先はまだ決定していないが、国中に自転車姿の写真を見せつけた彼女には二社の自転車会社からの就職の打診が来ただけでなく、リベラル系の非営利団体や企業、そしてヴァージニア州の議員やアリゾナ州の司法長官補佐からも就職の斡旋がきているという。捨てる神あれば、拾う神ありとは、こういうことかも知れない。

引用元:Juli Briskman Has At Least 5,523 Reasons To Be Thankful This Year

トランプ大統領、自分がヒラリーをゴルフボールで打つ映像を自ら共有

https://bizseeds.net/articles/432

 トランプ大統領のツイッターはしばしば世間を騒然とさせるが、今回は大統領支持者が作ったGIF画像を共有して物議を醸している。

トランプ大統領に関する記事 >
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