次回の米国勢調査、人種欄の「白人」はざっくり過ぎる?

次回の米国勢調査、人種欄の「白人」はざっくり過ぎる?

アメリカで10年ごとに行われる国勢調査。最後尾に0がつく年に行われるため、次回の調査は2020年だ。それに踏まえて新たな見直しが進められているが、なかでも争点になっているのは「人種欄」だ。


これまで「白人」は、ずっと「白人」だった

 アメリカで初めて国勢調査が行われたのは1790年。当時は、馬にまたがった保安官が一軒ずつ回って、人々を「自由な白人男性(free white males)」、「自由な白人女性( free white female)」、「その他の自由な人たち( all other free persons)」、「奴隷(slaves)」の4つに分類して数えたが、その後も1960年までは 「誰が白人で、誰が白人以外の人種」なのかを国勢調査員が判断していた。1960年に初めて住民が自ら自身の人種を調査票に書き込む方法に変わったが、「白人」という欄は常に調査票の人種欄の最初に記載されてきた。

 しかし、次回の国勢調査では、これまで「白人」という欄に印を入れてきた人たちにも、各自の人種的背景を掘り下げる質問項目を加える話が出ている。たとえば「白人」という欄に印を入れた後、さらに「ドイツ系」、「アイリッシュ系」、「ポーランド系」など、「白人」には違いないが、「どこからアメリカへ来た白人なのか?」を明記させるという案である。

白人同士で優越をつけようとする人が現れる懸念も

 この新案を取り入れることで、選挙時における地域の人種構成が把握できるだけでなく、法案の作成や健康被害の分析などが、さらにしやすくなるため、政府側には有益な情報が入手できる。しかし、各「白人」の祖先の出身国を掘り下げることで、多国間をまたがる先祖が大勢いても自分にとって都合のよい国だけを申告したり、白人至上主義派が「さらに優越な白人は」として神話化している欧州の一国を勝手に申請する可能性などもいなめない。

 一方で、白人を「細分化してくれるのは、ありがたい」という人もいる。一部のユダヤ教信者のように「人種は白人だが、宗教が異なる」ため、「同じ白人として一括りにされるのは如何なものか」と感じている人々や、複数国に印を入れられるならば正しい情報の把握に繋がると考える人々もいるようだ。

 もしトランプ現政権が、この改定案を承認した場合(締め切りは今月8日)、次回の米国勢調査票の人種欄はこれまでとはかなり異なるものになるだろう。通常、アメリカで人種にかかわる法案が通る場合、それがどのような法案であっても白人と有色人種間、保守派とリベラル派間で意見が分かれてヒートアップするため、現政権がこれに対してどういう結論を出すかが注目される。

引用元:2020 Census May Ask White People To Get Specific About Their Ethnicity

遺伝子検査の結果に落胆する白人至上主義者たち

https://bizseeds.net/articles/357

「23 and me」や「haplotype」など、アメリカでは多くの企業が唾液から簡単に遺伝子検査ができるサービスを提供しており、昨今注目を集めている。そんな遺伝子検査について、白人至上主義をうたう極右派ウエブサイトの中で最も長い歴史を持つ「ストームフロント」の読者フォーラムが白熱している。

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