アメリカ人はなぜ、エッグノックを飲むのか?

アメリカ人はなぜ、エッグノックを飲むのか?

自然を愛し、趣味はハイキングと食べることという著者・デイビッド・アンドリューズが、「ごく普通」のアメリカ人代表として綴る『You Are What You Eat~食は人なり~』。クリスマスになると登場する卵色の飲み物「エッグノッグ」。アメリカ人はみんな、これが好きなのだろうか?


ホリデー・パーティーの定番といえば

 今年もクリスマスのシーズンがやってきた。クリスマスは寒い天候と冬用のコート、そして、この時期のホリデー・パーティーでよく出る、ふわっと泡だったクリーミーで甘くて華やいだ飲み物と一緒にやってくる。その飲み物とは、エッグノッグだ。

 アメリカ人は、エッグノッグについて様々な意見を持っている。たいてい「すごく好き」か、「すごく嫌い」のどちらかだ。ホリデー・シーズンのパーティーには、いつもエッグノッグが出てくる家に育った人たちは好きな可能性が高いだろうし、逆にエッグノッグと接する機会があまりなかった人たちは、少し嫌悪感を抱くことが多いのではと思う。アメリカ人の食生活では通常、生卵を食べないので、卵でできた飲み物の良さは伝わり難いかもしれない。生卵にはサルモネラ菌がいて、すごく具合が悪くなる可能性があると聞いているから、アメリカでは卵はいつも調理して食べる。アメリカの卵生産者は、日本の生産者のように「生卵を食べて病気になるリスクを少なくする」ための消費期限を設定するなんてことはしないのだ。

 僕の家族は、エッグノッグを飲まなかった。だから、僕はエッグノッグを心から楽しんだことがない。パーティーで出されたら一応カップは貰う。もし飲まなければならない場合には、一口だけ飲む。でも、できるだけ早く、そのカップをどこかへ置く機会を見つけて、置いた後はそのことを忘れる。

 しかし今年の僕は、エッグノッグのことをもっと知りたいと思った。すごく好きな人がいるということは、そこに僕が見逃しているものが何かあるはずだと思ったからだ。

 いろいろと調べてみると、エッグノッグは一般的に牛乳、クリーム、砂糖、ホイップした卵でできていることがわかった。そして、しばしばスパイスの入ったラム酒、コニャック、バーボン・ウイスキーなどの蒸留酒と一緒に提供される。エッグノッグはヨーロッパが発祥の地で、材料を買うことができる財産をもつ、英国の貴族たちが大好きな飲み物だったと言われている。18世紀にヨーロッパからアメリカに伝わると、乳製品、卵、ラム酒がヨーロッパほど高くなく簡単に手に入ったため、エッグノッグは庶民にも人気のある冬の飲み物になった。アメリカ初代大統領のジョージ・ワシントンは、なんと彼オリジナルのエッグノッグのレシピを持っている(※記事末に記載)。

 現在はホリデー・シーズンになると、エッグノッグはスーパーマーケットやコンビニエンス・ストアーでも売られる。それは牛乳と同じような容器に入れられ、牛乳の隣に置かれる。しかし大量生産するための味付けは、うんざりするほど甘く、人工的にとろみと風味をつけているため、エッグノッグの好き嫌いの分裂をさらにあおっている。市販のエッグノッグにはアルコールは入っておらず、溶けたアイスクリームを思い出させる。アメリカ人の卵に対する考え方のせいで、スーパーマーケットで売っている「それ」には、卵がたった1%しか入っていないものもあり、それでもエッグノッグとして売られている。多くのパーティーでホストが提供しているのが、こういう市販されたエッグノッグで、これにアルコールを加える。お酒を加えることで、この味が少しでもマシになることを願うホストもいるだろう。

 良いエッグノッグは生卵とお酒から作られて、数日間、熟成させる。熟成させることによって、お酒が生卵の中にいるかもしれないバクテリアを殺し、風味を融合させる。それは、1種類のお酒でもいくつかのお酒を混ぜたものでもよい。多くの人たちは、バーボンやラム酒がベストだと考えている。たいてい、ナツメグが入っているが、バニラエッセンスやシナモンを使う人もいる。この作り方が正しいエッグノッグだというものはない。牛乳とクリームと泡立てた卵を混ぜて、おおよその質感が作れれば、あとは自分の好みで調整できる。良いエッグノッグを作るにはいくつかの努力が必要だ。日々忙しい生活を送る僕たちにとって、スーパーマーケットで買える安くて簡単なエッグノッグは、魅力的で抵抗し難い。しかし、ほとんどのことと同様に、もし生活のペースを少しゆっくりすることができて、注意を払うことに値する全てのプロセスをやり抜く時間が取れれば、その結果は努力する価値があるものになる。

 今年、自分でエッグノッグを作ってみて、僕はエッグノッグに対して新しい認識を持った。もし僕がパーティーを主催することを楽しむタイプだったら、良いエッグノッグについて僕が発見したことを友達に話すだろう。しかし残念ながら、僕がパーティーを開くことはなさそうなので、その代わりにここに書いてみた。これを読んでくれた誰かが、自分自身でエッグノッグを作ってみたいと思ってくれることを願う。

 もし僕がホリデー・パーティーに招待されたとしたら、もう一度、たくさんのエッグノッグを作って持っていくだろう。もし、招待されなくても、ホリデー・シーズン中に自分自身で楽しむために、やっぱりエッグノッグを作るだろう。楽しいホリデー・シーズンを!

ジョージ・ワシントンのエッグノッグのレシピ

【材料】
・卵2~3個
・生クリーム200㎖
・牛乳200㎖
・砂糖大さじ2と1/2
・ブランデー100㎖
・ライ麦のウイスキー50㎖
・ジャマイカのラム酒50㎖
・シェリー酒25㎖

【作り方】
 まず全てのアルコールを混ぜておく。卵2個を白身と黄身にわけ、黄身に砂糖を入れてよく混ぜる。そこに、牛乳と生クリームを少しずつ加え混ぜる。そして、硬くなるまで泡出てた白身を少しずつ混ぜる。数日間涼しい場所に置いておく。しばしば味見をする。

ブラピも太鼓判? 世界一大きいデリバリー・ピザ

https://bizseeds.net/articles/506

 アメリカのレストランの料理やドリンクは、すべて日本に比べて「サイズ」が大きい。アメリカに留学した人や駐在員たちがよく「アメリカにいると、太ってしまう」というが、アメリカサイズの食事を続ければ、そうなるのは何ら不思議なことではない。アメリカ人は「大きい」ことが好きなのだ。

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この記事の寄稿者

 アメリカ中西部オハイオ州の小さな田舎街に生まれる。オハイオ州立大学に通った後、アメリカ各地を転々と暮らしながら旅をした経験を持つ。これまでに就いた職業は飲食業、ツアーガイド、ミュージシャン、セールスマン、オフィス勤務、物書き、長距離トラック運転手、花屋さんなど多岐に及ぶ。現在はワシントン州にある国際輸送業関連会社に勤務し、平日は会社でデスクワーク、週末は趣味のハイキング、ランニング、写真撮影などに勤しんでいる。料理と食べること、そして自分と異なる文化を知ることが何よりも好き。文化の違いを学ぶだけでなく、共に美しい地球上で生きる者として、その差異の中にも人間として何か共通点を見つけることを常に心掛けている。

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