日米英における電気自動車の所有は、ガソリン車より既に安いと判明

日米英における電気自動車の所有は、ガソリン車より既に安いと判明

電気自動車は「コンセプトは良いが、値段が高い」という印象があるが、最新の調査によって、日本、アメリカ、イギリスにおいては、ガソリン車やディーゼル車よりも電気自動車の所有コストの方が安いことが分かった。


もはやガソリン車より、電気自動車を所有する方が安くなった

 研究論文サイト「サイエンス・ダイレクト」に掲載された「Applied Energy」の最新号で、英国リーズ大学のジェームズ・テイト氏らによる研究「日本、アメリカ、英国におけるハイブリッドと電気自動車の所有コストと市場シェアー」という論文が発表され、この三国においては、ガソリン車やディーゼル車よりも、電気自動車の方が維持費を含めた所有するコストがすでに安くなっていることが判明した。

 今回の研究では、購入価格と減価償却費、燃料費、保険料、税金とメンテナンスなど、「4年間でかかる自動車の総所有コスト」を分析した。これは1997年から2015年までの上記三国の各自動車の総所有コスト(TCO)を比較した調査で、ハイブリッドやプラグイン・ハイブリッドを含まない純粋な電気自動車の場合、日本、米テキサス州、米カリフォルニア州、英国の各市場でガソリン車やディーゼル車よりも安価であるという結果が出たという。純粋な電気自動車は、エンジンよりも構造が簡単なモーターを使用していることや、電気自動車特有のブレーキの仕組みなどで故障や消耗する箇所が少なく維持費が安くなり、ガソリンやディーゼルよりも電気の燃料コストの方が安いことが結果に大きく反映しているとみられている。

 ガーディアン紙の取材によると、今回の研究に参加した前述のテイト氏は、「生産が拡大されるにつれて、純粋な電気自動車はバッテリーのコストが下がり安くなると予想されていたが、すでにここまでコストが低くなっていたことには驚かされた。電気自動車の未来に確信を持った」と語っているという。

電気自動車が「最も安価な自動車の選択肢」となる

 電気自動車は環境への意識の高まりだけでなく、特にディーゼル車の大気汚染への懸念から普及がより一層進むと考えられている。 現時点では電気自動車の競争力は政府の補助金に頼っている面もあるが、これから数年も経たないうちに補助金なしでも、電気自動車は自動車を購入する際に「最も安価な選択肢になる」と予想されているという。

  しかし、RAC財団のスティーブ・グッディング氏は電気自動車の普及予測に慎重で、「電気自動車は 所有コストがすべてではない。実用性や使いやすさが重要であり、大規模で信頼性が高く、車の所有者が必要とするスピードで充電を行える公衆充電ネットワークが必要だ」と現在の問題点に言及している。

 パソコンや携帯電話、そしてスマートフォンの誕生のように、時代を変えるような新商品が市場に現れたときは、普及までにはある程度の時間がかかるが、一旦普及してしまうと、それ以前のことが思い出せなくなるほど、新商品の方がディフォルトになるのが現代だ。電気自動車がそうなるときも、そう遠くないのかもしれない。

引用元:Electric Cars Already Cheaper to Own and Run Than Petrol or Diesel – Study

自動運転車の開発を早めよ! 安全確認を省略する立法、米下院へ

https://bizseeds.net/articles/252

 米国議会下院の小委員会で19日、自動車安全基準が満たない場合でも、1年間にメーカー各社10万台まで、自動運転車を公道で使用できる立案が可決された。現状の自安全確認を大幅に簡略化する内容であり、本件は9月の下院審議へ進められる。

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