「イスラエル首都エルサレム移転」を福音主義者が支持するのはなぜか?

「イスラエル首都エルサレム移転」を福音主義者が支持するのはなぜか?

多様なアメリカでは、暮らす地域によってすべてが異なる。テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、アメリカ国内でも報道されない保守の声をお届け。トランプ支持がなぜ悪い? 西森マリーの『アメリカ保守派の考え方』。トランプ大統領が、イスラエルの米大使館をエルサレムに移転する公約を遂行しようとするのを喜んでいる人々がいるという。


イスラエルは誰の土地なのか

 イスラエルは建国以来、エルサレムが首都である、と宣言している。

 しかし、エルサレムはキリスト教徒、イスラム教徒にとっても聖地であり、パレスチナ人との紛争を回避するために、世界各国はテル・アビブに大使館を置き、テル・アビブがイスラエルの事実上の首都となっている。

 アメリカでは1995年に、「アメリカ大使館をテル・アビブからエルサレムに移転する」と宣言したエルサレム大使館法が制定された。しかし、パレスチナやイスラム教過激派によるテロが激化することを恐れて、その後、3人の大統領(クリントン、ブッシュ、オバマ)がこの法律を無視し続けてきた。

 トランプ大統領も、ティラーソン国務長官や諸外国の首脳から「エルサレムを首都と認めることは、イスラム教過激派のテロに油を注ぐようなものだ」と警告を受けていたが、「アメリカ大使館のエルサレムへの移転」を公約のひとつとして掲げていたトランプ大統領は、彼らの反対を押し切って12月6日に、「エルサレムをイスラエルの首都と認め、アメリカ大使館をエルサレムに移転する」と宣言した。

 これは、トランプの支持の基盤であるアメリカの福音主義派キリスト教徒にとっては、まさに最高のクリスマス・プレゼントとなった。福音主義者は、聖書を文字通り「聖なる書物」だと信じている。他の宗派の人々が聖書を「信仰のガイドライン」として受け止めているのとは異なり、福音主義者たちは聖書の記述は「神の言葉、神の命令、神が定めた規律、実際に起きた史実である」と信じている。

聖書をどう読むかで、解釈が大きく異なる

 創世記15章には、こう記されている。

 主は、アブラム(ユダヤ人の祖先)と契約を結んで、こう言った。「私はこの地(現在のイスラエルに相当する地域)をあなたの子孫に与えた」

 実は、アメリカで売れ行きトップ3の英訳聖書では、主の言葉がI give、与える、と現在形で訳されているが、原語のヘブライ語で使われている動詞は既存事実が継続している状態を示す時制(英語の現在完了形に近い時制)なのである。つまり、ごく普通に聖書を読んでいるキリスト教徒は、神は「イスラエルをユダヤ人に与える」と約束したと解釈しているだけで、この約束が実現したかどうかまでは考えていない。

 一方、聖書の言葉を忠実に守ろうとしている福音主義者たちは、原語のヘブライ語をしっかり勉強している牧師たちから、「天地創造の際に、主がアブラムの子孫(=ユダヤ人)にイスラエルを与えたと、創世記に明記されている」と聞かされているため、イスラエルはユダヤ人の土地ということを史実、既成事実、神の意図と理解している。

 また、ゼカリヤ書12章など複数の箇所に、「エルサレムがイスラエルの首都であり、神はエルサレムを通じて地上を支配する」という主旨が記述されている。さらに、ルカによる福音書、使徒行伝など複数の箇所には、「イスラエルが再建されたらイエスが地上に再臨する」と記されている。

 これらの記述を信じている福音主義者たちは、「イスラエルがユダヤ人のものであり、イスラエルの首都がエルサレムだ、ということは神が決めたことであり、議論の余地はない」、「イスラエルが神の意向に沿って、エルサレムを首都とした形で再建されれば、イエス様が再臨してくれる」と本気で信じているわけである。

 そのため、福音主義者たちはたとえ世界中が反対しようと、トランプの”英断”を、あたかも神が授けてくれたクリスマス・プレゼントでもあるかのように大歓迎しているのだ。

 ちなみに、ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所の中東専門家でアラブの王族や要人と親しい関係にあるシャディ・ハミド氏は、「改革派として知られるサウジ・アラビア皇太子は、イスラエルの首都をエルサレムに移すことに反対していない」と言っている。サウジ・アラビアが影響力を行使して、平和的解決に導いてくれることを祈ろう。

アメリカ経済を司るユダヤ人のビジネス

http://bizseeds.net/articles/370

 一般的に「アメリカ人」というのは陽気で明るく、ガレージが付いた大きな家で、家族揃ってのんびりと幸せに暮らしている、というイメージがステレオタイプではないだろうか。

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