【Red vs. Blue】トランプ政権、米疾病管理予防センターに「7つの用語」の使用禁止を通達

【Red vs. Blue】トランプ政権、米疾病管理予防センターに「7つの用語」の使用禁止を通達

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々見解を披露する。今回は、先月半ばに現政権が米CDCに対して「多様性」などの用語の使用禁止を通達したことについて、両者が意見を戦わせる。


 トランプ政権が、米疾病管理予防センター(CDC)が準備中の2018年予算申請の公式文書作成において、7つの用語の使用を禁止するよう職員に命じたことが、CDC政策分析官への取材で明らかになった。使用を禁止されたのは、「脆弱な(vulnerable)」、「資格(entitlement)」、「多様性(diversity)」、「トランスジェンダー(transgender)」、「胎児(fetus)」、「証拠に基づく(evidence-based)」、「科学に基づく(science-based)」の7つ用語で、禁止の理由は明らかにされていない。
 CDCは米厚生省の管轄下にあり、厚生省にも同様の指示が下されているものと見られ、同省のウェブサイトからは既に、「LGBT」に関連する情報ページが削除されるなどの変更が行われている。言論の統制とも受け取れる現政権のこの動きを、RedとBlueはどう捉えるか?

出典『Chicago Tribune』
Trump Administration Forbids CDC Officials From Using 7 Words and Phrases

[BLUE リベラル派] トランプ政府から医者へ:科学はダメだが検閲は良い

Trump Government to Doctors: Science Bad, Censorship Good

 米疾病管理予防センター(CDC)は、健康、安全、そして安全保障の脅威に関し、アメリカを国内外から守ることを使命にしている。それなのにトランプ政権は、CDCに、「証拠に基づいた」、「科学に基づいた」という言葉の使用を許可しないと言っている。

 一体、どこの世界の医療機関が、「科学に基づかずに、その使命を果たすことができる」というのだろう? 証拠もなしに治療法を決めるというのだろうか? 「国民のために働く」とされる政府が、なぜ市民の健康を守るために作られた機関の権限を、これほどまでに制限しようとするのだろうか?

 トランプ政権は、国民の安全を守り、保護するための公的機関の言論の自由を抑制しようとしている。この次には、何が来るのだろう? 今日は7つの用語だが、来月は14の用語、再来月は21の用語、それとも100用語になるのか? いつかCDCは、「インフルエンザ」、「妊娠」、「蚊」 などと発言することも禁じられるのか? 

 次にトランプ政権が規制するのは、一般市民であろう。その後はどうなる? 我々が何か間違ったことを言うと、逮捕されるのだろうか? トランプをツイッターで批判するだけで、刑務所送りになる日が来るかもしれない。自由の国アメリカは、一体、どこへ向かおうとしているのか?

[RED 保守派] ついに米CDCに、いくらかの常識が適用される

Finally Some Common Sense at the American CDC and Prevention

 この新聞記事はセンセーショナルなニュースとして取り上げられているようだが、私にいわせれば、これはニュースですらない。米疾病管理予防センター(CDC)へ、主要な医学的懸念に関する特に無価値な用語を使用しないことを決めただけだ。

 記事で報じられているように、トランプ政権が使用を禁止した用語は、「脆弱な」、「資格または権利」、「多様性」、「トランスジェンダー」、「胎児」、「証拠に基づく」、「科学に基づく」で、厚生省は最近、高齢者に対する2つのアンケートから、性的傾向と性のアイデンティティーに関しての質問を取り除いた。言うまでもないが、これらの質問は無意味だ。「トランスジェンダー」という言葉には、意味がない。人間は男から女へ、または女から男へ自然に変身したりはしない。一体、奴らは何を言っているのだろうか? アメリカの左派、マルクス主義者、トランスジェンダー活動家たちは、自分の性を自分の思いだけで変えることができるとか、性的嗜好は大切なことだと人々に思わせたいのだろう。しかし、がんを患っているとか、心臓病がある、または命を救うための処方薬の費用を払えるかどうかといった問題に対して、これらはまったく的外れな項目だ。

 アメリカには、平均的な性的嗜好の市民による一時的なトランスジェンダーのナンセンスとか、左派やマルクス主義者の歪曲した興味などは必要ない。我々に必要なのは、機能的な政府だ。CDCにおけるこの変更で、ついにそれを手にすることができたと願おうではないか。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者  
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

LGBT(LGBTQ)に関する記事 >

サンフランシスコのゲイの街でヌーディストのパレードが開催

https://bizseeds.net/articles/110

 先月下旬、サンフランシスコのゲイが多く住む街として知られるカストロ地域で、ヌーディストたちによるパレードが行われた。

この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

関連する投稿


アメリカの本当の顔とは?

アメリカの本当の顔とは?

圧倒的にリベラル派が多く住むカルフォルニア州。同州在住でトランプ大統領に投票しなかったアメリカ人のひとりである著者が語る、今のアメリカのリアル。今回は、時代の変化に柔軟性のない共和党(保守)に対して、民主党(リベラル)がいかにそうした変化を受け入れて柔軟であるかを軸に、アメリカのあるべき今後の姿について語る。


2019年、「狂気vs正気」アメリカはどこへ?

2019年、「狂気vs正気」アメリカはどこへ?

保守とリベラル派の対立が激化し「分断された」と言われるアメリカだが、実際には中道派も多く存在する。二つの異なる思想の間で様々な思いを抱く中道派の視点で、グッドイヤー・ジュンコが語る。2019年は米大統領選挙の前年。次期大統領候補者についての話題が増えるのは必須だ。ますます国の分断が進みそうな予感だが……?


パーティーを盛り上げるゲームの主役はトランプ大統領?!

パーティーを盛り上げるゲームの主役はトランプ大統領?!

アメリカではホリデーシーズンに集まる親族や友人たちと食後のテーブルを囲んでボードゲームを楽しむことが多い。デジタル化が進んだ今でもその需要は高いが、世相を表すものは特に人気がある。そんな中、特に注目されているトランプ大統領関連ゲームを紹介しよう。


共和党の民意無視がアメリカを蝕む

共和党の民意無視がアメリカを蝕む

圧倒的にリベラル派が多く住むカルフォルニア州。同州在住でトランプ大統領に投票しなかったアメリカ人のひとりである著者が語る、今のアメリカのリアル。今回は、先の中間選挙で共和党州から民主党州に変わった州の現知事が、退任前に新しく就任する知事の権力を制限する法律を制定しようとする動きについて、著者の憤慨をまとめた。


テキサス人が選んだ2018年のフェイク・ニュース トップ5

テキサス人が選んだ2018年のフェイク・ニュース トップ5

 テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。年末を迎えた今回は、テキサスに暮らす保守派たちが選んだ「2018年のフェイク・ニュース トップ5」を著者の解説つきで紹介しよう。






最新の投稿


成功への選択「入浴剤」2019年1月18日~1月24日

成功への選択「入浴剤」2019年1月18日~1月24日

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが送る「成功への選択」。算命学、数秘術、占星術などをベースにしたオリジナル手法を用いて、あなたが切り開くべき幸運への扉のヒントを毎週アドバイスします。さて、あなたのビジネスを成功に導くのは、どちらの選択肢でしょうか?


アメリカの本当の顔とは?

アメリカの本当の顔とは?

圧倒的にリベラル派が多く住むカルフォルニア州。同州在住でトランプ大統領に投票しなかったアメリカ人のひとりである著者が語る、今のアメリカのリアル。今回は、時代の変化に柔軟性のない共和党(保守)に対して、民主党(リベラル)がいかにそうした変化を受け入れて柔軟であるかを軸に、アメリカのあるべき今後の姿について語る。


誰でもシルク・ドゥ・ソレイユに挑戦できる! ラスベガスで新体験

誰でもシルク・ドゥ・ソレイユに挑戦できる! ラスベガスで新体験

エンターテインメントの街、ラスベガスは、カナダに本拠地のあるシルク・ドゥ・ソレイユのアメリカ拠点としても知られている。現在ラスベガスでは6つのショーが上演されているが、その本場の舞台に出演中の日本人パフォーマーが、新しいビジネスをスタートさせた。ラスベガス旅行を計画している人には特に注目の新情報だ。


あれから1年、#MeToo はどうなった?

あれから1年、#MeToo はどうなった?

アメリカ生活20年強。翻訳家の高柳準が、アメリカ文化とそれにまつわる矛盾を語る「アメリカで暮らしながら想うこと」。今回はハリウッド界に端を発する「#MeToo」について。女性差別問題は根深く、複雑化しやすい。性別や文化により、セクハラと性犯罪の違いに対する意識の違いを浮き彫りにしたこの運動、あれからどうなったのだろう?


アメリカ版の福袋? 女子力アップの「サブスクリプション・ボックス」

アメリカ版の福袋? 女子力アップの「サブスクリプション・ボックス」

日本の1月の風物詩のひとつである「福袋」。今年も85,000円もする「ジャイアント馬場福袋」があっという間に完売したり、新たな出会いを願う人のための「婚活福袋」が登場したりと世間を賑わせたが、アメリカにも福袋の発想に近い商品がある。それは若い女性を中心に人気を博している「サブスクリプション・ボックス」だ。その箱の中身とは?


アクセスランキング


>>総合人気ランキング