日本に居ると分からないアメリカ

日本に居ると分からないアメリカ

シカゴを拠点に、30年近くビジネスを展開する著者が、アメリカに進出したい企業人が知っておくべき常識や、ハイパーニッチで事業開発を加速化する術を指南。岸岡慎一郎のコラム『今こそ、アメリカで勝負!』。2017年はトランプ政権発足により、波乱の幕開けであった。1年が経ち、経済はどのように動いているのか。今年を総括してみたい。


2017年を総括

 本年5月よりBizseedsへの寄稿を始めたわけだが、今年の総括をするのであれば、『アメリカ進出アメリカに進出したいならば、その時は「今」』に書いた記事の内容が顕著化した一年だったと言える。

 アメリカはトランプ大統領となり、「アメリカ・ファースト」が大きく打ち出された。そんな流れを受けつつ、私たちも日本からのアメリカへの企業進出に対し、「アメリカの懐へ、切り込んでいって欲しい」という大きな流れのもとで支援を継続したいと考えている。こうした理念を実現すべく取り組んだ一年となったが、日本企業のアメリカ支局・支社を代行するという立ち位置で支援を提供することや、ニッポンの恒久的な課題であるグローバル人材難に対して新たな体制を敷いていくことも今後可能になりそうだ。

 2016年に取得したアメリカのマイノリティ承認も、ようやく業務として形になってきつつある。また、多くの戦略的な提携やパートナーシップを構築できたことや、既に進出して成功をおさめている日本の製造業に対しては、彼らの次フェーズの重要施策とも言えるコンプライアンス・CSR重視の業態セクターでサポートを開始することが出来た。初めてのIoT製品技術を市場に投入したり、ITやマーケティング・コンサルティングにおいても、弊社の顧客層もエンドユーザーから川上の専門グループ・企業サービスプロバイダーへの移行も行った。アメリカの輸出センターの支援家として指定を受けたりと、アメリカ現地企業からのニーズも高まってきている。

アメリカ・ファーストと、日本のこれから

 弊社の流れだけをみても、これから必要になるのはアメリカ・ファーストになるのだろうという予感がある。今年は今までの数倍の日本企業にご来社頂いたが、特にサービス部門における日米のデフレギャップは相当なものがあると感じる。またトランプ政権は、何かと移民政策に対しても厳しいが、アメリカ進出を目指す日本企業にとっては、コスト高な環境もさることながら、ビザ問題を克服する必要もあり、大変厳しい状況になったとも言える。

 また、アメリカ現地では産業部門・製造業において、サービス部門とは逆の熾烈なコスト競争がスタートしている。日本からの進出についても、東南アジア市場でコスト面を鍛え上げられた企業のアメリカ進出が目立ち始めているようだ。この点を考察するなら、従来は東南アジア市場の価格競争に巻き込まれることを避け、高品位を売りとしていた企業群について、今後は更に熾烈な日系同志の競争も激化していくことが予測できる。こうした動きも激しくなってきているので、やはり私の役目は変わりゆくアメリカにどっぷりとつかり、日本企業がアメリカで真に勝負をするための「突破口」を開くことだと考えている。

 最後になるが、今年は海外にいるからこそ日本の高齢化、いわゆる2025年問題、2035年問題の臨場感をより高く、深刻に感じる一年でもあった。この問題については、もはや手が回らなくなってきており、支援家がいなくなる時代に突入したとも言える。顧客・サプライヤー、コラボレーターが一丸となり乗り越えていかなければ、日本経済への打撃は避けられないものになるかもしれない。そう考えれば、やはり企業が日本にとどまらず、経済活動を海外に求めることは、ある意味、健全なのだとも感じる。日本を離れてはいるが、日本のために寄与できることには、積極的に取り組みたいと考えている。

ビジネスに関する記事 >

アメリカでの交渉に必要なこと

https://bizseeds.net/articles/534

 今月も読者から質問を頂いた。今回の質問は、「アメリカで初めての商談が決まりました。その交渉に向けて準備を進めていますが、どんな注意が必要でしょうか?」である。

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