日産が開発した「Brainwave」とは?
毎年1月にラスベガスで行われる、世界最大の家電見本市「CES」。今年も1月8日から12日まで行われたが、今年は特に車に応用する新技術の話題で持ち切りだった。なかでも注目を浴びたのは、日産自動車が開発した「Brainwave」という脳波から人の心を読み取る、ちょっと変わった形のヘルメット。現在はまだ実験段階だが、装着により運転技術を誰でも向上させることができるツールということで、会場に設置したシミュレーターには体験したい人が殺到した。
まずはCES会場での様子を、映像でご覧頂きたい。
目的はあくまで運転技術の向上
Brainwaveは、脳波を勝手に読んで自動操縦をさせるというコンセプトではない。ヘルメットを装着することで、脳の運動野に関わる11地点の脳波のデータを収集し、よりよく運転を行う手助けをしてくれるツールである。
たとえばこの技術を使うと、運転手がハンドルを切るよりも早く脳波が曲がり角を認知するため、運転がよりスムーズになる。開発チームの一員である科学者のルシャン・ギョルケ氏は「この技術はAI自体に人間の行うべき作業をさせる発想ではなく、より良くAIと人間がパートナーシップを構築することを目的にしている。AIと人間の技術の相乗効果で、運転クオリティがあがるのだ」と説明している。
確かに車は車種によって様々な特徴がある。また、運転する人間の運転技術によっても車の動きは変わってくる。特に経験の浅いドライバーの場合、自分の車の特徴に慣れるまでに時間を要する。こうしたAI技術の力を借りれば、個々が車の特徴に慣れるスピードなども早くなるのかもしれない。
半自動運転機能がある車に搭載可能となるようにデザインしているというが、実用化までの道のりはまだ長いらしい。今後は同様の発想で、人の脳波をAI技術に取り入れるツールは様々なエリアで登場するだろう。未来はAIと人の共栄共存の時代になるのだろうか。10年後、人はどんな時代を生きているのか楽しみだ。

日米英における電気自動車の所有は、ガソリン車より既に安いと判明
https://bizseeds.net/articles/580電気自動車は「コンセプトは良いが、値段が高い」という印象があるが、最新の調査によって、日本、アメリカ、イギリスにおいては、ガソリン車やディーゼル車よりも電気自動車の所有コストの方が安いことが分かった。