それでも、やっぱり「仮想通貨投資」はやめられない

それでも、やっぱり「仮想通貨投資」はやめられない

1月26日、仮想通貨取引所大手のコインチェックが利用者から預かった約580億円相当の仮想通貨「NEM」を不正アクセスによって失った事件は、アメリカでも話題になったが……。


日本は仮想通貨の先進国と評価されていた

 誕生以来、詐欺やハッキングなどの問題も絶えない仮想通貨。2014年に日本で起きた「マウントゴックス事件」は、世界的にも有名だ。東京・渋谷で2010年に創設されたマウントゴックス社は、一時は世界一の取引量を誇る取引所だったが、65万のビットコインに加え、28億円が喪失したとして破たんしてしまった。当初はハッキングによる顧客資産流失だと発表されたものの、実際には代表者だったマルク・カルプレスが横領していたと大騒ぎになったことを覚えている人も多いだろう。

 この事件の教訓を踏まえ、日本では仮想通貨に関する法整備が、世界に先駆けて進められたという経緯がある。昨年4月には、仮想通貨法(※1)も施行され、仮想通貨が決済方法のひとつとして認められるようにもなった。こうした流れはアメリカでも高く評価されており、「日本は世界で最も仮想通貨の法整備が進んでいる国」という認識が高かった。

 しかし、それから1年も経たずに起きた今回の「NEM」事件は衝撃的だった。当然、大手メディア各社はこの事件を大きく取り上げたが、報道は賛否両論だ。このような事件が起きると、リスクを囁く人が急に増える。これを投機だと捉える声は大きいものの、アメリカ国内における仮想通貨は、この先どう評価されていくかまだ分からないといった印象だ。

アメリカにおける仮想通貨の現状

 それでも仮想通貨への関心度は、年々上昇している。アメリカ国内には仮想通貨での決済が可能な店も増えてきた。整備が進んでいる州と、そうでない州の差はかなりあるものの、ネバダ州やテキサス州のように、ブロックチェーンを用いた電子取引は非課税という州もある。

 仮想通貨の取り扱いは資産と見なされるが、その資産にかかる税金処理がかなり複雑になるため、仮想通貨の税金処理を専門とする会計士なども増えてきている。また、会計士を雇うまでもないが、面倒な税金処理を少しでも簡単にしたい人のために仮想通貨における税金計算用サイトやアプリなども現れた。下記はその一例だ。

Bitcoin Taxes:https://www.bitcoin.tax

 このように仮想通貨市場は周辺ビジネスにおいても賑わいを見せ始めているが、たとえば億万長者と呼ばれる投資家の中には、あからさまに仮想通貨に懐疑的な意見をする人も少なくない。先週も、スターバックスの会長(エグゼクティブ・チェアマン)であるハワード・シュルツ氏が、ビットコインを酷評したことが米メデイアで大きく取り上げられたばかりである。同氏はウォール街のアナリストとの会議で、「ビットコインが今日または将来に、通貨にとって代わる存在になるとは思えない」と切り捨てたといわれている。

 また、かの億万長者ビル・ゲイツ氏に至っても、仮想通貨の可能性には肯定的であるものの、「国際取引を大きく変えるものにはならない」と発言したことが話題になったこともあった。大手投資銀行であるゴールドマン・サックスもビットコインを含む仮想通貨業界をバブルであると警告している事実もある。

今後、仮想通貨はどのように世界を変えていくのだろうか。

注釈:※1 情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律(平成28年法律第62号)

投資銀行のトレーディング・ルームにAI(人工知能)ロボット参入

https://bizseeds.net/articles/216

 投資銀行や証券会社にて 株や債券、外国為替などを売買する花形部署、トレーディング・ルーム。世界的な金融大手スイスのUBSは、トレーディング・ルームで働くプロフェッショナルに加えて、新たに人工知能ロボットを投入した。

金融業界に関する記事 >

この記事の寄稿者

関連する投稿


ブッシュ夫人の死を喜ぶリベラル派が浮き彫りにしたものは?

ブッシュ夫人の死を喜ぶリベラル派が浮き彫りにしたものは?

多様なアメリカでは暮らす地域によってすべてが異なる。テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回はバーバラ・ブッシュ夫人の訃報を喜んだリベラル派大学教授のツイート炎上に関する保守派の意見を紹介する。


アメリカのティーンたちはファッションよりも外食費

アメリカのティーンたちはファッションよりも外食費

ミレニアルズの後の世代は「iジェネレーション」や「ジェネレーションZ」と呼ばれる、生まれた頃からスマートフォンと触れ合っている世代。なかでも2000年以降に生まれたアメリカのティーンたちは、ファッションよりも外食費に小遣いを遣うと言われているが、その傾向は今年も継続。それが投資にも影響するというが……


スターバックスの最高峰「Starbucks Reserve」、世界第1号店の評判は?

スターバックスの最高峰「Starbucks Reserve」、世界第1号店の評判は?

コーヒー好きを魅了する「ブルーボトル」や「インテリジェンシア」等、サードウェーブ系本格派コーヒー店に顧客を奪われることに危機感を覚えたスターバックス社が、米シアトルの本社ビル1階に、世界初高級志向の「Starbucks Reserve(スターバックス・リザーブ)」を開店。オープンから約2カ月、現地の人々の反応はいかに?


【Red vs Blue】ビットコインが抱える“多くの問題”に頭を悩ませる監査当局

【Red vs Blue】ビットコインが抱える“多くの問題”に頭を悩ませる監査当局

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は、両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々の見解を披露する。今回は、アメリカでも話題の仮想通貨への投資について。


「ストロー禁止令」は、アメリカのレストラン業界をどう変える?

「ストロー禁止令」は、アメリカのレストラン業界をどう変える?

米カリフォルニア州で「客からの要求がない限り、飲み物用のストローは提供しない」という新法案が提案され、レストラン業界が揺れている。なぜ、そのことが業界に不安の声を広げるのだろうか?






最新の投稿


中間選挙に向けて始動するアメリカ

中間選挙に向けて始動するアメリカ

保守とリベラル派の対立が激化し「分断された」と言われるアメリカだが、実際には中道派も多く存在する。二つの異なる思想の間で様々な思いトランプ大統領率いる政権も2年目に入り、今年は中間選挙がある。保守から勝利を奪還したいリベラル派市民たちが開く集会の数も増えてきているが、そんな集会でリベラルたちは何を語っているのだろうか?


ベガスで勝負するなら、まずは「飛べ!」

ベガスで勝負するなら、まずは「飛べ!」

カジノの都、ラスベガスのダウンタウンに数年前にオープンしたアトラクションが、最近になって注目を集めている。それを体験すると、カジノで「小当たりする」からだというが、一体、どんなアトラクションなのだろう?


高齢者用だった電動自転車、若いIT系プロフェッショナルに人気沸騰

高齢者用だった電動自転車、若いIT系プロフェッショナルに人気沸騰

交通法規の違いから、日本ではまだ流通がないアメリカ製のe-bike(イーバイク、電動自転車)。当初は高齢者のサイクリストを狙って作られたe-bikeだが、ここ数年、機能やデザインの改良が飛躍的に進み、ファッショナブルで便利な移動手段として、特にIT企業が多い西海岸で人気が沸騰。若い層の売り上げがうなぎ上りだ。


普通女子をミリオネアへと転身させるアメリカの「インスタ・ビジネス」

普通女子をミリオネアへと転身させるアメリカの「インスタ・ビジネス」

“インスタ映え”する風景や人の写真を見るのは、暇つぶしに最適だが、好きな写真をシェアーする場であるインスタグラムも、昨今ではビジネス・ツール色が濃くなってきた。アメリカでは、スポンサーを意識した写真を載せて、一般人からミリオネアになった女子たちも。そんな彼女たちの手法とは?


ブレインテックで鬱と不安を解消できる?!

ブレインテックで鬱と不安を解消できる?!

「成人の10%近くが鬱を経験する」と言われるアメリカ社会で、最近注目を集めているブレインテックがある。脳に働きかけ、心の健康と良質な睡眠を得られるというこの商品、一体どんなものだろうか?


アクセスランキング


>>総合人気ランキング