「ストロー禁止令」は、アメリカのレストラン業界をどう変える?

「ストロー禁止令」は、アメリカのレストラン業界をどう変える?

米カリフォルニア州で「客からの要求がない限り、飲み物用のストローは提供しない」という新法案が提案され、レストラン業界が揺れている。なぜ、そのことが業界に不安の声を広げるのだろうか?


エコ・フレンドリーは人類の共通課題

 アメリカの西海岸には、環境に対する意識の高い人たちが特に多く住んでいると言われる。その西海岸に位置する主要都市では、「ストローや、プラスチック製のスプーンやフォークが環境に与える悪影響」を懸念する声が高まっており、たとえばワシントン州シアトル市では今年7月より、レストランでプラスチック製品を提供することが全面禁止となることが決まっている。

 対象は今のところレストランに限られるが、こうした「環境に優しい取り組み」に対しては賛同者も多く、この法案がシアトル市で可決後、同市を拠点とする大リーグ球団のシアトル・マリナーズは、ホーム球場であるセーフコ球場でのストローの提供を中止するなど素早い対応が見られた。

 大自然に囲まれた都市という恵まれた立地にも関係し、シアトル市は西海岸の中でも特に環境への取り組みに積極的な街だ。同市に本社を構えるスターバックス社も、徐々にプラスチック製品廃止を導入する取り組みを始めているという。スターバックス社が今後、他州や他国の店舗でも同様の取り組みをするかどうかは不明だが、もし同社が積極的に世界中の店舗でプラスチック製品を排除していけば、同様のムーブメントが世界的に波及する日は近いかもしれない。

もうレストランでは、怖くて働けない

 しかし、カリフォルニア州で今年1月に提出されたストローに関する新法案は、シアトル市の遥か上を行く厳しいものとして、同州のレストラン業界を早くも震え上がらせている。これは同州下院で民主党の大多数を牽引しているイアン・カルデロン氏の提案による、「カリフォルニア州内のレストランは、顧客が特別に要求しない限り、飲み物と一緒にストローを提供することを禁止する」という法案だ。これだけ聞くと、それほど大変な法案には聞こえないが、問題はその罰則である。ストローを頼まれていないのに「うっかり」ストローを提供してしまった場合、その行為を働いた店員には最高6カ月の懲役と最高1,000ドルの罰金を科せられるというのだ。

 環境問題への配慮にモノ言う人は少ないかもしれないが、この罰則はいくらなんでも過激すぎるという反発の声が上がっている。もっとも同法案はまだ「提出された」にすぎず、可決されるかは分からない。それでも、「もし、この法案が通過してしまったら、レストランではもう怖くて働けない」という人が既に急増しているという。確かにファストフード店のドライブスルーなどでは、飲み物とストローを一緒に客に手渡すことが反射的な動作になっている店員も多いだろう。うっかりストローを出してしまう度に高額な罰金が課され、ヘタをすれば収監されてしまうリスクが伴うような仕事を、好んで選ぶ人は少ないだろう。論議をかもす同州の法案成立への行方に今後も注目したい。

参考記事
http://abcnews.go.com/US/california-lawmaker-taking-flak-plastic-straw-bill/story?id=52681569

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