【Red vs Blue】ビットコインが抱える“多くの問題”に頭を悩ませる監査当局

【Red vs Blue】ビットコインが抱える“多くの問題”に頭を悩ませる監査当局

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は、両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々の見解を披露する。今回は、アメリカでも話題の仮想通貨への投資について。


 仮想通貨ビットコインが発行されたのは2009年だが、昨年初めに800米ドルだったビットコインが、1年後には17,000米ドルに値上がりし、投資の対象として注目されている。新規の仮想通貨も続々と登場しているが、安全性には多くの疑問が投げかけられており、先月には日本の大手仮想通貨取引所コインチェックから仮想通貨NEMが580億円相当も不正流出してニュースになったばかり。
 こうした状況下で、米国商品先物取引委員会は、仮想通貨の投資家を詐欺や不正から守るため、より厳格な規制と連邦政府機関間の協力体制が必要だとしているが、ビットコインの定義付けが難しいため、規制作りに頭を悩ませている。デジタル時代の申し子とも言える仮想通貨ビットコインについて、スイスに本拠を置く国際決済銀行のゼネラル・マネージャーは、「バブルとネズミ講と環境災害のコンビネーション」だと言っているが、アメリカ人はこれをどう捉えているのだろう?

出典『CNN Money』
元記事:Bitcoin's 'many problems' puzzle regulators

[RED: 保守派] ビットコインは見かけ倒し

Fool’s Gold

 アメリカでは、金持ちになる方法を主張する者が毎日のように出てくる。「これを売ったらいい」、「あれに投資しろ」、「ほとんど何もしないで金持ちになれる」などと言うが、実際にはリスクも取らず、何もせずに金持ちになどなれない。そんな中で、ここ3年の最大の流行が仮想通貨だが、そのほとんどが匿名でビットコインやそのほかの仮想通貨をマイニング(採掘)し、取引をしている無規制デジタル・ネットワークの利用者だ。

 私には仮想通貨に関して 3つの懸念がある。その1。ビットコインは安定した通貨ではない。例えば日本円(国の通貨)は、過去3年間の価格変動は約7%、つまり、この3年間で円を保持していた場合、価値はほとんど同じだが、ビットコインはそうではない。2015年にはほぼ無価値だったが、昨年は14,000米ドルにまで跳ね上がり、今日は8,410米ドルへ急落した。これは実用的な通貨ではなく、数百万人ものビットコイン所有者に影響を与える大規模な操作への勧誘だ。

 その2。仮想通貨は決して安定しない。例えばビットコインは上限である2100万コインに達すると(次の20年以内)、新しいコインの生産を完全に停止するように設計されている。これは、ビットコインが会社の株式であれば有効かもしれないが、通貨としては適していない。ビットコインは収集可能な「デジタルのおもちゃ」であり、危険な値札のついた金融の流行だ。地域に分散するグロ―バル通貨を確立するというのは、真面目な取り組みではない。

 その3。ビットコインのような仮想通貨よりも、はるかに優れた金融投資の選択肢が他にたくさんある。つまり、仮想通貨に投資する必要はない。

[Blue:リベラル派] 監査当局はブロックチェーンを理解しているのか?

Bitcoin's 'many problems' puzzle regulators

 ビットコインに関して、このところ良くない報道が続いている。その多くの指摘は単純で、規制されていないほとんどの金融商品と同様に「ハッキングや盗難の対象になる」、「これはネズミ講だ」と捉えられるものだ。

 しかし、ビットコインが存在するためには、それぞれのコインの正当性を検証する検証方法が必要とされる。ブロックチェーンという方法で、簡単に言えばデジタル・ファイルの信頼性を検証するために使用できるユニークな一連のコードだ。そして、ブロックチェーンに関連するファイルが変更されるたびに、変更を反映するための情報がブロックチェーンに追加される。従って、そのブロックチェーンに関連するファイルを盗み出したり、不適切に変更することは事実上、不可能だ。このようにして各ビットコインの真偽は容易に確認することができるのである。

 インターネット上でさまざまなものを購入できるという、エキサイティングでオタクらしい方法を提供しただけでなく、ビットコインには、「ブロックチェーン」というものを広く一般に認識させた功績がある。現在、ブロックチェーンは農場から市場まで食品を追跡するのに使用されている。銀行では金融商品の検証のために用いられ、医療記録が改ざんされていないことを確認するために使用されている。教育機関やオンライン知識ベースでも、インターネット上の情報を検証する手段としてブロックチェーンの導入を検討している。

 ビットコインそのものは、最初に投資家を引きつけた「ワイルド・ウエスト(西部開拓)」の興奮に苦しめられているかもしれないが、ビットコインが構築した独自のテクノロジーは、デジタルの世界をより安全な場所にしているように思える。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者

 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント

 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

それでも、やっぱり「仮想通貨投資」はやめられない

https://bizseeds.net/articles/634

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