デルタ航空との争議をフェイスブック誘致でカバー? 地方州知事の判断

デルタ航空との争議をフェイスブック誘致でカバー? 地方州知事の判断

シリコンバレーを代表する大企業フェイスブック社が米南部ジョージア州に大型データセンターの建設を決定した。保守派の同州は、全米ライフル協会との契約破棄を発表したデルタ航空へ税制優遇措置の撤廃を申し立て、現在その争議中だ。


全米ライフル協会の契約を破棄したデルタ、関係継続のフェイスブック

 フェイスブック社が、米南部ジョージア州に今後5年をかけて初期投資約7億5,000万ドル、416エーカーの面積を誇る大型データセンター・キャンパスの建設を決定したと、同州の地元紙「アトランタ・ビジネス・クロニクル」が報道した。この州知事の発表は2週間も前倒しされたことも報じられた。

 ジョージア州には航空大手のデルタ航空の本社があり、アトランタは同社のハブ空港だ。しかし、先月のフロリダ州銃乱射事件を受け、デルタ航空が全米ライフル協会(NRA)会員向け優待契約の廃止を発表した後、NRA会員企業が多い同州議会はデルタ航空に対して、これまで行ってきた約5,000万ドルの税制優遇措置(燃料税の優遇措置)の撤廃案を通過させ、現在も争議中だ。

 一方、フェイスブック社は世界で14億人が毎日使うSNSという大企業であり、シリコンバレーというリベラルな土地に本社を構えるが、同乱射事件後もそれまで通りNRAの広告掲載を継続している。今回の銃乱射事件後のNRAボイコットの動きは若い世代によるSNSの力で拡散されたため、同社がNRAの広告掲載に対して静観していることを指摘する声も多い。

デルタ航空「企業価値に値段などつけられない」

 ジョージア州では、州政府が長年その州でビジネスを営んできた民間企業にこのような措置をつきつけたことに対して、ジョージア州内の企業各社に懸念が生まれた。それを収めるためにも同州知事はフェイスブック誘致成功の発表を前倒し、同社がデータセンターを建設することで同州でもハイテク企業が成長、成功していく風土があることを強調したと見られている。

 そんな中、約5,000万ドルもの税制優遇を廃止される渦中のデルタ航空だが、NRA会員向け優待契約の廃止を発表後に過去記録を調べたところ、「そのサービスを利用したNRA会員は13人しかいなかった」ことが判明。たった13人のために税優遇利益を手放す判断を下したデルタ航空のエド・バスティアンCEOは、「私たちの判断は経済的利益に基づいたものではなく、私たちの価値は売り物ではない。デルタ航空は全米ライフル協会を支持しない」と発言。企業価値を守ると決めた同社の心意気が話題になっている。

参考:
アトランタ・ビジネス・クロニクル紙
USA Today紙

「facebook」に関する記事

この記事の寄稿者

関連する投稿


イーロン・マスクの「ぞっとする」発言にも揺るがないフェイスブック

イーロン・マスクの「ぞっとする」発言にも揺るがないフェイスブック

電気自動車、宇宙事業、都市トンネルや再生可能エネルギーなど大規模なビジネスを展開するイーロン・マスク氏。発言が常に注目される中、渦中のフェイスブックからテスラとスペースXのアカウントを削除したが……


トランプ大統領をSNSで批判すると警告の電話が来る?!

トランプ大統領をSNSで批判すると警告の電話が来る?!

SNSで友達に向けて、米大統領に批判的な意見を発信したとする。ある日、米大統領支持団体から、その投稿を指摘する電話が掛かってきたら、あなたはどう反応するだろう? 市民のSNSまでモニターされているのだろうか?


フェイスブックを作ったことを後悔 元管理職の告白

フェイスブックを作ったことを後悔 元管理職の告白

今や世界中で利用されているソーシャル・ネットワークを構築した先駆者、フェイスブック。しかし、その初期に参加していた制作者たちが次々にメディアで発言し、SNSそのものに対して警笛を鳴らし始めている。



SNSにおけるスマート・シェアリング

SNSにおけるスマート・シェアリング






最新の投稿


女性の大敵セルライト、アメリカで話題の撃退法とは

女性の大敵セルライト、アメリカで話題の撃退法とは

多くの成人女性の皮膚に見られる、悪しきセルライト。オレンジの皮のように、でこぼこした肌を少しでも目立たなくするために、エステやマッサージ、除去手術、超音波治療など様々な解決策が市場に出ているが 、アメリカでは安全で安価な撃退法や即効性のみを重視した解決法などに注目が集まっている


イーロン・マスクの地下交通システムがシカゴ市内を走る?!

イーロン・マスクの地下交通システムがシカゴ市内を走る?!

宇宙ロケットや高級電気自動車開発などで世界に話題を振りまく実業家イーロン・マスク氏のトンネル掘削会社ボーリングが、米シカゴ市の新交通システムの入札で交渉権を獲得。同市の市街地と空港間に地下トンネルを作り、電動ポッドを走らせる正式交渉に入ることが決まった。もし完成すれば空港と市街地をたった12分で移動できることになる。


「Amazon Go」に対抗 米マイクロソフトが無人精算システムを開発中

「Amazon Go」に対抗 米マイクロソフトが無人精算システムを開発中

米アマゾンドットコム社が、鳴り物入りでオープンした無人精算システム小売店「Amazon Go」の存在を脅かすライバルが登場した。相手はアマゾン本社と同州内に本社を構えるマイクロソフト社だ。マイクロソフトの新開発システムは、アマゾンに対抗できるのだろうか?


【Red vs Blue】差別ツイートをした人気女優の番組を即打ち切ったTV局をどう見るか?

【Red vs Blue】差別ツイートをした人気女優の番組を即打ち切ったTV局をどう見るか?

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回は、高視聴率の冠番組を持つ女優が人種差別ツイートをした直後に、その女優をクビにしたABCテレビの対応について


風呂好きが多い日本でも流行るか? アメリカの最新バスタブ

風呂好きが多い日本でも流行るか? アメリカの最新バスタブ

アメリカでは「湯船に肩まで浸かって毎日温まる」という人は、日本に比べると極端に少ない。たいていのアメリカ人は、毎日シャワーのみだ。しかし最近はアメリカでも湯船の効用が認識されはじめ、性能の良い「バスタブ」が開発されている。なかには、こんな優れた商品も登場している。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング