イーロン・マスクの「ぞっとする」発言にも揺るがないフェイスブック

イーロン・マスクの「ぞっとする」発言にも揺るがないフェイスブック

電気自動車、宇宙事業、都市トンネルや再生可能エネルギーなど大規模なビジネスを展開するイーロン・マスク氏。発言が常に注目される中、渦中のフェイスブックからテスラとスペースXのアカウントを削除したが……


「政治的な主張ではなく、ただ嫌いなだけ」

 アメリカで連日ニュースになっている、フェイスブック社による同社ユーザーの個人情報の漏洩事件。26日には米連邦取引委員会(FTC)が、フェイスブックのユーザー5,000万人の個人データが、トランプ陣営を支援した英国ケンブリッジ・アナリティカ社にどのようにして渡ったのかを正式に調査することが発表された。

 フェイスブックのアカウントを削除しようという「# DeleteFacebook」も活発化する中、イーロン・マスク氏が自社であるテスラとスペースXのフェイスブックページを削除。そして、「政治的な主張でもなければ、誰かにやれと言われた訳でもない。ただ、フェイスブックが嫌いなだけ。ぞっとするね。悪いけど」とツイートし、瞬く間に話題になった。

 テスラもスペースXもフェイスブックで広告を出しておらず、有名人に自社の宣伝も依頼していない。マスク氏は「商品が生き残るか死ぬかは、その商品の価値次第」だとツイートし、その後にフェイスブック社がアンドロイドのユーザーの電話とショートメッセージの履歴を収集していたというニュースが出ると、一言だけ「ぞっとする(Shocker)」とツイートした。

それでもフェイスブック株の価値は不動なのか

 こうした社会的な動きだけでなく、フェイスブックに米連邦取引委員会(FTC)の調査が入ることが決定したニュースを受けて、同社の株価は26日に6.5%下落した。

 しかし、ファイナンシャル分析のFactsetなどによると、「アナリストたちの90%は、それでもフェイスブックは買いだと言っている」そうで、この逆境でも、20億ユーザーものデータを所有している同社に勝てる相手はおらず、するりと生き抜いていくだろうという予測らしい。その予測を裏付けるように、27日もその日の株取引平均予定価格(average target price)の40%以上も上回る1株約$220がつけられた。

 同社におけるデータ収集のように、ひとつの分野でここまで巨大化すると、そう簡単に株価には影響しないのかも知れない。しかし、自分の個人情報がまったく知らないところで使われていたユーザー側は、相当ザワついている。ユーザーの「フェイスブック離れ」を食い止める作戦を、同社が今後どう展開するのかが気になるところだ。

参考記事
Nine out of ten analysts think Facebook stock is still worth buying

Sorry, but Facebook give me the 'willies,' tweets Musk

フェイスブックを作ったことを後悔 元管理職の告白

https://bizseeds.net/articles/586

今や世界中で利用されているソーシャル・ネットワークを構築した先駆者、フェイスブック。しかし、その初期に参加していた制作者たちが次々にメディアで発言し、SNSそのものに対して警笛を鳴らし始めている。

「フェイスブック」に関する記事

この記事の寄稿者

関連する投稿


【Red vs. Blue】投資家に5兆ドル超の損失をもたらしたトランプ大統領のツイッター

【Red vs. Blue】投資家に5兆ドル超の損失をもたらしたトランプ大統領のツイッター

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回は『フォーブス』誌による、トランプ大統領のツィッターのつぶやきが投資家心理を悪化させて株価が急反落し、投資家たちは約5兆ドルも失ったという記事について。


フェイスブック、アメリカで「デート・アプリ」開始

フェイスブック、アメリカで「デート・アプリ」開始

昨年から19カ国で展開されているフェイスブック社のデート・アプリ、「フェイスブック・デーティング」のサービスがアメリカでも5日(日本時間6日)から開始された。個人情報の流出事故が続く同社によるデート・アプリだけに、「セキュリティーは大丈夫なのか?」という声が飛び交っている。


GDPRがアメリカにもたらした教訓 いまさら聞けないデータビジネスの心得とは

GDPRがアメリカにもたらした教訓 いまさら聞けないデータビジネスの心得とは

Facebookの個人情報流出事件では、その制裁金の高さに注目が集まったが、アメリカ企業であっても欧州の顧客データがあるだけで「EU一般データ保護規則(GDPR)」に従う必要があり、今、どの企業もデータ管理の再強化を迫られている。


フェイスブックに政治観を明記するか否か

フェイスブックに政治観を明記するか否か

保守とリベラル派の対立が激化し「分断された」と言われるアメリカだが、実際には中道派も多く存在する。二つの異なる思想の間で様々な思いを抱く中道派の視点で、グッドイヤー・ジュンコが語る。フェイスブックのプロフィール・ページの基本データの中にある「政治観」という欄。ここに「保守派」と堂々と書ける人とは?


フェイスブックの仮想通貨 来年から始動予定

フェイスブックの仮想通貨 来年から始動予定

フェイスブック社が独自に開発を続けている仮想通貨「グローバルコイン」。同社はこれを来年から市場に出そうと本格的に動いていることに経済専門家や欧米のマスコミがざわついている。それが現実になったら、どういうことが起きうるのだろうか。






最新の投稿


今週の神秘ナンバー占い(2019年10月18日〜24日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年10月18日〜24日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


大手メディアがまったく伝えない「トランプ大統領の良いところ」

大手メディアがまったく伝えない「トランプ大統領の良いところ」

米テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回は、アメリカの大手メディアがまったく伝えないトランプ大統領の良い部分を、保守系メディアではどう報道されているかを紹介しよう。


マイ・エコバッグより、さらに一歩進んだエコ袋とは?

マイ・エコバッグより、さらに一歩進んだエコ袋とは?

環境に配慮した日用品が市場に増えて来たアメリカでは、捨てずに何度も使用できるストローや、店で買い物をした際に自分のエコバッグを持参することなどがかなり定着してきた。最近ではエコバッグはもちろん、そのバッグ中にいれる商品の小分けに使う袋も洗って何度も使えるものや、土に返せるコンポースト素材のものが増えている。


今年も「ボスキャリ」の季節がやってきた

今年も「ボスキャリ」の季節がやってきた

アメリカの名門エモリー大学で28年間、教鞭をとってきた著者が語る、アメリカの日常と非日常。今回は、アメリカの大学を卒業する日本人学生のほとんどが参加すると言われている恒例の「ボストン・キャリア・フォーラム」における就活の様子について。


渦中の米WeWork、この3カ月半で新規オープン622件。大丈夫かの声

渦中の米WeWork、この3カ月半で新規オープン622件。大丈夫かの声

米メディアを騒がせている「WeWork(ウィーワーク)」。先月末のIPO撤回、カリスマ創設者の退任や現金不足など、厳しい局面を迎えていることで注目される一方で、ソフトバンク・グループの巨額出資、今月10日までの3カ月半で123都市、合計622件も新規共同オフィスをオープンしたことも注目されている。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング