サマーキャンプで未来を創造するリーダー育成

サマーキャンプで未来を創造するリーダー育成

夏休みが長いアメリカでは、子供を「サマーキャンプ」に送るのが通常だ。キャンプといっても、テントで寝泊まりするのではなく、科学や美術、スポーツなど様々なスキルを学ぶためのもの。なかでも昨今の人気は……?


サマーキャンプはアメリカの常識

 日本の子供の夏休みは、お受験に備えて日々塾に通うことなどが一般的かもしれない。しかし、アメリカでは夏休みは「ライフスキル習得の機会」だと考えることが一般的だ。そのため、子供達を学校以外の場でそれぞれの興味に合わせて学ぶことができる「サマーキャンプ」に通わせる。

 キャンプの種類はアート、スポーツ、演劇、科学、社会福祉系などと様々だが、なかにはサーカスの曲芸を学べるサーカス・キャンプ、ヨットで数日間の旅をするセイリング・キャンプ、西部開拓時代の生活を体験するカウボーイ・キャンプ、ネイティブ・アメリカンの薬草の知識を学ぶキャンプなど、なかなか体験できないような変わったプログラムも用意されている。

 人気のサマーキャンプになると年明け早々に募集を開始し、あっという間に満員になるものもあるが、一般的にはサマーキャンプを選ぶ時期は4月頃。子供のいる家庭では家族で夏の計画を立て、子供たちが今年はどんなスキルを学びたいかといった会話が盛んになる。

 このようにアメリカの生活に浸透しているサマーキャンプだが、最近人気が高いのは「テクノロジー・キャンプ」と呼ばれるもの。なかでも特に人気の高い「iD Techキャンプ」を紹介した映像はこちら。

会場は有名校ばかり、生徒は世界中から

 「iD Techキャンプ」は、7歳から18歳までの子供を対象にした、あらゆる最新テクノロジーを学ぶためのキャンプだ。アメリカでは科学、技術、工学、数学を一連の流れで学ぶSTEM(ステム)教育が根付いているが、「iD Techキャンプ」が提供するものも、このSTEMスキルである。

 同キャンプは毎年全米150以上の会場で開催されるが、会場が名門スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)、など、一流大学であることも人気の秘密。プログラムは1週間から4週間に及ぶものまであり、子供たちはコーディングやゲーム構築、ロボット工学、3Dデザインなど、社会に出てから役立つ技術を思う存分学ぶことができる。講師には、超一流企業の現場技術者らが来ることでも知られており、このキャンプを受講した生徒の多くは、実際に一流企業に就職している実績も多数ある。そんな理由もあって、生徒はアメリカのみならず、世界中から集まるという。

 アメリカでは「良い大学に入ること」よりも、子供たちが「何に興味を持ち、どんな将来を構築したいか」ということが重要視される。それを育てるきっかけになるのがサマーキャンプ。未来を創造するテクノロジー・エリアのリーダー育成は、サマーキャンプを通じて、かなり早くから始まっているのである。

iD Techキャンプ
https://www.idtech.com/

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