【Red vs. Blue】日米首脳会談で安倍総理がトランプに言うべきことは……?

【Red vs. Blue】日米首脳会談で安倍総理がトランプに言うべきことは……?

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は、両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について、各派のアメリカ人が各々の見解を披露する。今回は、今週アメリカで開催される安倍総理とトランプ大統領の日米首脳会談について、両派の意見を乞う。


 安倍総理は今週、トランプ大統領と金正恩北朝鮮委員長の5月の会談予定に先駆けて訪米し、日米首脳会談を行う。『ジャパンタイムズ』紙の報道によると、総理は政府関係者に「大統領に、北朝鮮との会談の際に拉致問題について取り上げてもらうよう、直接要請するつもりだ」と語っている。しかし、ホワイトハウス報道官の公式発表では、会談は両首脳が北朝鮮に対して圧力をかけ続けることと日米間の公正な貿易関係を拡大する方法を模索することが挙げられているが、拉致問題についての言及はない。朝日新聞は、大統領が日米の自由貿易協定の問題を持ち出せば、総理は譲歩を強いられるかもしれないと報じている。アメリカの保守派とリベラル派はこの会談をどう見るか?

出典『United Press International』
Trump, Japanese PM Abe to talk North Korea at meeting this month

【Blue : リベラル派】 晋三君、不動産について話そうじゃないか。

Let me tell you about real estate, Shinzo. I had this hotel in Panama...

 安倍総理とトランプ大統領は、最高の友人同士に違いない。彼らはどちらも自国の軍隊を強化し、二人ともゴルフが大好きで、自分のことを素晴らしいディール・メーカーだと思っている。税制上の優遇措置と経済成長に関しても、2人の見解は広く類似している。これらの類似した視点に基づくと、北朝鮮を封じ込めようと協調してきた二国間の長年にわたる歴史も考慮して、今月の会談では、お互いへの尊重と協力が見られるだろうと予測できる。

 ただし、昨年はトランプのリゾート「マー・ア・ラゴ」にて友好的な訪問を楽しんだ安倍氏も、今回は話が違うかもしれない。トランプはアメリカの企業に与える影響や、同盟国との関係に与える影響にはお構いなく、貿易関係国に対し関税を課すことを決め、日本による関税免除要請も拒否したようだ。さらに、朝日新聞は「日米関係は変わった。もはや首脳同士の友好関係が二国間の協力関係を生み出す主な理由にはならない」という米当局者の発言を報じている。

 なぜ昨年から、それほど態度が変わったのだろうか。「トランプは自身が行った国際的な外交における草稿なしの交渉によって恥をかいたため、同盟国に対して譲歩を要求することで強い指導者としての自分を見せたいのである」と、勘ぐりたくなる。アメリカの自動車企業は日本の市場から撤退し始めていたにも関わらず、「日本はアメリカの自動車を十分に買っていない」とトランプが苦情を言ったのは、つい昨年のことだ。そして、TPP協定からアメリカを離脱させたが、おそらくトランプは他の11カ国がアメリカ抜きで協定交渉を進めたことに憤慨しているのだろう。

 彼の真意が何であれ、トランプは日本との強い関係による相互利益について鈍感なようだ。トランプはそもそも自国の利益のみしか考えておらず、両国の利益など求めていない。これに対処するには、少なくとも「トランプが強く見える」助けになるように、安倍氏がトランプに 北朝鮮による日本人拉致問題への援助を頼み、貿易に関して少しだけ譲歩することだろう。ただ、現在の両首脳を取り巻く個人的なスキャンダルのレベルを考えれば、彼らの会合が主にゴルフとお互いを憐れむための言い訳であることが判明したとしても、驚くには当たらない。

【Red:保守派】北朝鮮の計算は……

North Korea’s Reckoning

 先月26日、金正恩と彼の妻は、北朝鮮の核兵器プログラムに関するアメリカ政府との話し合いの可能性も含めて、諸問題について共産主義中国代表と会談するために北京へ出向いた。この会談は偶発的に起こったものではない。偶発的どころか、これまでの中国は、金正恩が2011年に北朝鮮の権力を握って以来、この独裁者との会談を拒否し続けていた。

 では、何が変わったのか? トランプがアメリカの大統領になったからだ。トランプ大統領の指揮下のアメリカは、あらゆる点においてビジネスを意味する。提案されたばかりの中国の鉄鋼とアルミニウムに関する米貿易関税に加え、トランプは、北朝鮮の核開発計画への野心に対する彼の考えを明らかにした。北朝鮮の代表はトランプがツイッターで発信した「北朝鮮が間違った行動をとった場合、軍事的な解決の準備は完全に整っている。いつでも攻撃に入れる。金正恩が違う道を見つけることを願う」という発言を真剣に受け止めているようだ。米国国防長官マティス将軍も昨夏、米軍は戦争に備えていると北朝鮮に警告し、 「私は敵に対して、何をするかを事前に教えたりはしない。我々の備えは……全て準備は整っている」と述べている。

 私は安倍総理とトランプ大統領との会談では、安倍氏に日本にとって重要な北朝鮮との問題についてアメリカに一役買うよう、大統領を説得してもらいたい。これは非常に重要なことだ。自らの意思に反して拉致され、北朝鮮の犯罪政府に協力することを余儀なくされた日本の人々のために、何らかの正義がなされること望む。アメリカは今度こそ、北朝鮮が拉致したすべての日本人を解放するように共産主義の凶悪犯に強要すべきだ。 8年もの間、何もしないで座っていたバラク・オバマとは違い、トランプ大統領は北朝鮮に対して、文明国家のように振る舞うよう迫り、拒絶すれば重大な結果に直面することになると強いるだろう。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者

 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント

 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

【Red vs Blue】NYタイムス紙の詩織さん報道 レイプ被害者に対する日米の視点の違い

https://bizseeds.net/articles/622

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された記事に各派のアメリカ人が各々見解を披露する。今回は米メディアが取り上げた日本の「詩織さんレイプ被害事件」について。通常は意見が対立するレッドとブルーだが……?!

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