スターバックスの最高峰「Starbucks Reserve」、世界第1号店の評判は?

スターバックスの最高峰「Starbucks Reserve」、世界第1号店の評判は?

コーヒー好きを魅了する「ブルーボトル」や「インテリジェンシア」等、サードウェーブ系本格派コーヒー店に顧客を奪われることに危機感を覚えたスターバックス社が、米シアトルの本社ビル1階に、世界初高級志向の「Starbucks Reserve(スターバックス・リザーブ)」を開店。オープンから約2カ月、現地の人々の反応はいかに?


今後は「リザーブ」を1,000店舗オープン。東京にも!

 世界で最も有名なコーヒー・チェーン、スターバックス社。世界中に約2万7千店舗を展開する同社が、米国シアトルにある本社ビルの1階に、これまでのスターバックスとはイメージが大きく異なる、シックで高級志向のブランド「スターバックス・リザーブ®」の第一号店を作った。これから、この「リザーブ」店を世界中に1,000店舗展開していく予定だ。

 希少価値の高い豆を揃えた「スターバックス・リザーブ」セレクションによるコーヒーや、イタリアから原材料を輸入し、店舗に隣接するベーカリーで作るパンや軽食などを提供し、価格帯も従来のスターバックスよりも高く設定している。

 アップスケールな雰囲気が漂う黒と木目を基調とした天井の高い店内は、通常のスターバックス店舗の4倍以上の広さがある。そこに日本にも一部で既に導入されているフル・サービスのコーヒー・バー「リザーブ・バー」と、 イタリア発「プリンチ(Princi)」のベーカリー&デリ、グッズ売り場、テーブル席が配されている。

©Starbucks

 同社の「リザーブ」ブランド店舗には、2014年に同じくシアトルにオープン後、世界展開を開始した「リザーブ・ロースタリーズ(Roasteries)」がある。しかし、「リザーブ」にはコーヒー豆を焙煎する巨大なロースターがないため、ファクトリーのライブ感を演出する「ロースタリーズ」とは店内の印象は大きく異なる。また、「ロースタリーズ」には日々、観光バスで乗り付けるアジアからの観光客が後を絶たないが、「リザーブ」にはまだ観光バスの団体はおらず、店内ではアルコール類も楽しめるからか、ファミリー層や未成年層が少なく「ロースタリーズ」よりも落ち着いた雰囲気だ。

サードウェーブ系に対抗する必要があるのか?

 「リザーブ・ブランド」は、コンセプトや内装、メニューはもちろん、カップやロゴなども従来のスターバックスとは異なる。店員も派手なタトゥーやカラフルな髪のスタッフを大勢揃えて、ヒップ感を強調している。

©Starbucks

 しかし、大量生産していない高級コーヒー豆を揃え、それを日本の喫茶店ではお馴染みのサイフォンやコーヒープレス、カリターを使用して客の好みの方法で淹れてもらうことができても、それが楽しめるカウンター席は数えるほどしかない。また、大型店内のそこに座ることで特別感を得られるような造りと演出、スターバックス独自の定番ドリンク各種も注文できる選択肢を残したことで、マス(大衆)から絶大な支持を得るスターバックス社らしさが随所に息づき、サードウェーブ系とは根本的に空気感がまったく異なる店舗だ。

 同社は今もなお、成長を続けている。例えば中国では過去5年間で店舗が800から3,200に増えた。平均して15時間毎に1店舗がオープンしている計算になるが、2021年までにはこれを5,000店舗に増やす計画だ。そんな背景から、コーヒー好きが多い地元シアトルでは、「これだけ成功している巨大企業が今さらサードウェーブ系に対抗することもなかろう」という声をよく耳にする。しかしそれは、同社の戦略を否定的に見ているわけでもなさそうだ。地元コラムニストの言葉を借りるなら、「トヨタの高級車レクサスがどんなに良い車でも、壊れやすいヨーロッパ車を好む人がいるように、コーヒー好きのこだわりは豆と淹れ方の問題よりも、さらに奥深い」ということらしい。

 スターバックスの「リザーブ」は、同社の高級志向ブランド店として、きっと成功するだろう。しかし、「リザーブ」はあくまでもスターバックスであり、サードウェーブ系ではない。そうである必要はなく、そうなることもないだろう。「リザーブ」は「スターバックスのファン」のためのブランドなのだ。サードウェーブ系ファンが「リザーブ」に行くことはなくても、世界中のスターバックス・ファンたちは「リザーブ」へ足を運び、同社はさらに発展していくだろう。

「ストロー禁止令」は、アメリカのレストラン業界をどう変える?

https://bizseeds.net/articles/641

米カリフォルニア州で「客からの要求がない限り、飲み物用のストローは提供しない」という新法案が提案され、レストラン業界が揺れている。なぜ、そのことが業界に不安の声を広げるのだろうか?

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