【Red vs. Blue】トランプ大統領をノーベル平和賞候補に推薦した共和党議員たち

【Red vs. Blue】トランプ大統領をノーベル平和賞候補に推薦した共和党議員たち

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は、両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について、各派のアメリカ人が各々の見解を披露する。今回は、朝鮮半島の非核化実現に向けたトランプ大統領の功績について、両者の意見を乞う。


 先月末の韓国と北朝鮮の首脳会談において、両国が65年以上に及ぶ朝鮮戦争の終結に公式合意し、歴史的な瞬間が世界的に報道された。さらに朝鮮半島の非核化への対話を進める中、アメリカの共和党議員は、「もしも朝鮮半島の非核化が実現すれば、これは北朝鮮に対して強硬な姿勢をとって来たトランプ大統領の功績である」とし、今月2日、同大統領をノーベル平和賞の候補者として正式に推薦する書状をノーベル賞委員会へ送った。今月末には米朝首脳会談が予定されているが、保守派とリベラル派のアメリカ人は トランプ大統領がノーベル平和賞に値すると考えているのだろうか?

出典:『The Hill』
GOP Lawmaker Planning to Nominate Trump for Nobel Peace Prize

【RED:保守派】やっと「本当にノーベル平和賞に値すること」を米大統領が実行した

Finally a President Who Actually Did Something to Earn the Nobel Peace Prize

 北朝鮮の核兵器獲得に対する執念を考慮すると、トランプ大統領がこの共産主義独裁者に対して、核兵器放棄を検討させただけでなく、韓国との平和条約を締結して朝鮮戦争を終わらせたことは、まさに注目に値する。過去4代の米大統領政権とは異なり、トランプ大統領は、北朝鮮が核兵器や大陸間ミサイル計画を加速させている間、それをただ座って見ているだけではなかった。彼はソーシャルメディアを使って公的に金正恩に直接働きかけ、北朝鮮の挑発行為の社会的な認識も含めて「何も認めるつもりはない」と、はっきり理解させた。

 さらにトランプ大統領は中国政府に対して、中国から北朝鮮への貿易、物資、資源の流入を制限し、金正恩に米国の決断の重大さを伝えるよう中国国家主席に外交的圧力をかけた。トランプ大統領は、日本や韓国のような地域の同盟国を真に評価しており、北朝鮮の核武装は米国だけでなく、太平洋全域にとって危険であることを認識している。

 北朝鮮によって平和な隣国にもたらされる脅威を取り除くためには、必要なことは何でもするという同大統領の意欲こそ、ノーベル平和賞を考慮されるべき理由であろう。南北朝鮮間の恒久的な平和が実現するかどうかは、この夏まで待たなくてはならないが、いずれにせよ今回の平和協定実現の大部分はトランプ大統領の努力によるものであり、約65年も続いた朝鮮戦争が終結を迎える可能性を見出した功績は非常に大きい。

【Blue:リベラル派】 ノーベル賞に最もふさわしくないことを証明するトランプの10ツイート

Ten Tweets from Trump Which Show He's the Last Person on Earth to Deserve a Nobel Prize

 共和党のリンゼー・グラハム上院議員は、「もしトランプが北朝鮮の非核化交渉を成功に導くことができたら賞に値する」と言っているが、朝鮮半島の平和交渉において、金正恩のことをツイッターでコメントする以外にトランプが何をしたというのか? 韓国はトランプが平和実現に貢献したと賞賛しているらしいが、噴飯ものだ。韓国がアメリカ軍の継続的な支持を本当に望んでいるという事実は別として、彼らはトランプのエゴを満足させる術を知っている。

 南北平和の本当の可能性をもたらした功績として、むしろ我々は金正恩の妹、キム・ヨジョンと韓国のムン・ジェイン大統領を評価すべきだろう。先の冬季オリンピックで最初に両国間の緊張を解いたのはこの二人で、トランプの代理として出席したペンス副大統領は、すぐそばで渋い顔をして座っていただけだ。参考までに、これまでトランプが韓国と北朝鮮に対してツイッターで発信してきた中から、ノーベル平和賞の選考員が読むべき10本のツイートを抜粋する。

 まず、ムン大統領が平和についてトランプを称賛した理由の最初のヒントがこれだ。
2013年3月3日
韓国はアメリカの北朝鮮防衛に対していくら払っているか???? ゼロだ!
How much is South Korea paying the U.S. for protection against North Korea???? NOTHING!

 次に、最初のツイートを見逃した人のために。
2013年3月30日
北朝鮮から韓国を守るための膨大な費用に対して、経済競争国の韓国から我々は何を受け取っているか? 何ひとつない!
What do we get from our economic competitor South Korea for the tremendous cost of protecting them from North Korea? NOTHING!

 トランプは決して北朝鮮にはいかないらしい。
2014年5月7日
クレージーなデニス・ロッドマンは、私が彼と一緒に北朝鮮に行きたがっているなどと言っている。そんな話は出たこともないし、興味もない。世界で最も行きたくないところだ。
Crazy Dennis Rodman is saying I wanted to go to North Korea with him. Never discussed, no interest, last place on Earth I want to go to.

 そして、トランプはまるで脅しのようなツイートを連発した。
2017年8月11日
北朝鮮が愚かな行動を起こせば、軍事的解決に向けて万事準備が整っている。金正恩が他の道を見つけることを望む!
Military solutions are now fully in place, locked and loaded, should North Korea act unwisely. Hopefully Kim Jong Un will find another path!

2017年9月17日
ムン韓国大統領と昨夜話した。ロケットマンはどうしているか聞いた。北朝鮮に長いガスラインができているらしい。最悪だ!
I spoke with President Moon of South Korea last night. Asked him how Rocket Man is doing. Long gas lines forming in North Korea. Too bad!

2017年9月22日
自国の国民を飢えさせたり殺したりすることを気にもかけない北朝鮮の金正恩は、明らかに狂っている。その彼がこれまでにないほど試される時が来た!
Kim Jong Un of North Korea, who is obviously a madman who doesn't mind starving or killing his people, will be tested like never before!

2017年9月23日
北朝鮮の外相が国連で演説したのを聞いた。もし彼が、ちびロケットマンの考えを反映しているのであれば、彼らの未来は長くないだろう!
Just heard Foreign Minister of North Korea speak at U.N. If he echoes thoughts of Little Rocket Man, they won't be around much longer!

2017年11月11日
なぜ金正恩は私のことを「年寄り」と呼ぶのか。私は彼のことを決して「チビでデブ」とは呼ばないのに? やれやれ、私は彼と友達になろうと一生懸命努力しているのに。たぶん、いつかは実現するだろう!
Why would Kim Jong-un insult me by calling me "old," when I would NEVER call him "short and fat?" Oh well, I try so hard to be his friend - and maybe someday that will happen!

2018年1月2日
北朝鮮のリーダー金正恩がたった今、「核のボタンはいつでも机の上にある」と表明した。枯渇し、食糧に飢えている政権の誰かから彼に伝えてもらいたい。私も核のボタンは持っている、しかし、それは彼のよりもっと大きく、もっと強力で、しかも私のボタンはちゃんと機能する!
North Korean Leader Kim Jong Un just stated that the “Nuclear Button is on his desk at all times.” Will someone from his depleted and food starved regime please inform him that I too have a Nuclear Button, but it is a much bigger & more powerful one than his, and my Button works!

 「俺の方が大きいぞ!」と発言する大統領は、まさにノーベル委員会が求めている指導者そのもので、これでノーベル平和賞は事実上、保証されたと共和党員は言うのだろう。そして、その証拠に使うのがこのツイートだ。

2018年5月2日
共謀なんかない(でっち上げだ)し、公務執行の妨害もない(仕組まれた罠だ)。いまあることは、北朝鮮の核戦争における交渉と、中国との貿易赤字の交渉と、NAFTA(北米自由貿易協定)の交渉、そしてもろもろだ。魔女狩り!
There was no Collusion (it is a Hoax) and there is no Obstruction of Justice (that is a setup & trap). What there is Negotiations going on with North Korea over Nuclear War, Negotiations going on with China over Trade Deficits, Negotiations on NAFTA, and much more. Witch Hunt!

 トランプは自分は北朝鮮と核戦争を協議していたと言っているが、誰ひとりとして、そのことを世界に伝えなかったようだ。トランプをノーベル平和賞に推薦したグラハム上院議員は、もしもトランプが受賞したら、「リベラル派たちは自殺するだろう」と発言しているが、そういう発言からもトランプ支持者たちが、平和を何だと考えているのかが、本当によくわかる。

記事トピックスは、過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者

 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント

 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

【Red vs. Blue】日米首脳会談で安倍総理がトランプに言うべきことは……?

https://bizseeds.net/articles/699

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。アメリカの分断は、両者の意見が大きく異なるためだ。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について、各派のアメリカ人が各々の見解を披露する。今回は、今週アメリカで開催される安倍総理とトランプ大統領の日米首脳会談について、両派の意見を乞う。

「北朝鮮」に関する記事

この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

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