アメリカン航空、蛇や養鶏、山羊などの客室搭乗を禁止

アメリカン航空、蛇や養鶏、山羊などの客室搭乗を禁止

鬱病や精神的障害などから、飛行機にひとりで乗ることに不安を持つ乗客が、精神安定のために機内に同伴できる「エモーショナル・サポート・アニマル」(心を支えてくれる動物)。今までは基本的にどんな動物でも客室へ搭乗することが許されていたが、今年から新規定を設定する航空会社が続出している。その理由とは?


エモーショナル・サポート・アニマルならば搭乗は無料

 先週アメリカン航空が、今年の7月1日から機内に同伴できる「エモーショナル・サポート・アニマル」(以下ESA)の規約を改正すると発表した。このESAとは、精神疾患を持つ人たちの心の支えとなる「セラピー・アニマル」のこと。 支えがなければ飛行機に乗れない人にはかけがえないサービスだが、盲導犬のように専門の訓練を受けた「サポート・アニマル」とは異なり、ESAは特別な訓練を受けていないため、機内で吠えたり、粗相をしたりすることもある。

 アメリカの国内線におけるペットの機内搭乗料金は$125。しかし、ESAは「ペットではない」ため、搭乗料金は無料だ。その動物がESAであることを証明するには、精神科医の署名が入った書類が必要だが、近年、 費用さえ支払えば簡単に書類に署名する医者がいることが問題視されており、その動物が本当にESAなのか、それともペットなのかが判別しにくいことなども以前から問題になっていた。

隣席に蛇や蜘蛛? エモーショナル・サポートが必要なのは一体、誰?

 訓練を受けた盲導犬は、静かに振る舞うことができる。そのため飼い主の足元に盲導がにいても、それを気にしない乗客は多い。しかし、落ち着きなく動いたり、臭いがする動物や、人によっては見るだけでも鳥肌が立つような爬虫類を隣席の乗客がESAとして膝に乗せていたら、それらの動物や爬虫類が苦手な乗客にとっては精神的な苦痛になる。客室乗務員の中でも、訓練されていないESAの客室搭乗は、緊急時にさらなる混乱を招く恐れがあると懸念する声もあり、各社による新規定は、「支援が必要なのは一体、誰なのか」という声に対する妥協案だと見られている。

 今回、アメリカン航空が新規定で「安全と公共の健康にリスクを与える恐れがある」として客室への搭乗を禁止したのは「牙や角や蹄のある動物」や「清潔でない、または臭う動物」、「養鶏、水鳥、猟鳥、猛禽類」などに加えて、蜘蛛、蛇、爬虫類、山羊など。きっと過去には、それらを機内に同伴した乗客がいたということだろうが、特例として「訓練を受けたミニチュアの馬」は、今後も客室への搭乗が可能だそうだ。まさに、アメリカらしい規定である。

参考記事:NBC News
Goats? No. American Airlines debuts new emotional support animal policy

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