トランプより優れた大統領候補の登場か?

トランプより優れた大統領候補の登場か?

圧倒的にリベラル派が多く住むカルフォルニア州。同州在住で、トランプ大統領に投票しなかったアメリカ人のひとりである著者が語る、今のアメリカのリアル。今秋に行われる中間選挙を前に、現政権に対立する民主党はもとより、共和党内でもトランプに異を唱える政治家が出はじめている。そんな共和党候補者を、リベラルはどう見ているのか。


同じ共和党からトランプに反旗

 ジョン・ケーシック(John Kasich)は、アメリカ大統領になりたいと思っている。彼がドナルド・トランプよりも大統領に向かないとは言いにくい。なぜなら、ケーシックは経験豊富な政治家だからだ。今までにオハイオ州上院議員4年、米下院議員を18年務め、現在は2期目のオハイオ州知事である。彼はどうすれば物事を成し遂げられるかを熟知している知的な男で、謙虚にもなれるし、必要であれば譲歩することもできる、精通した政治家だ。

 そんな彼が抱く「大統領への野望」に立ちはだかる主要因は、彼が共和党員であり、トランプもそうであることだ。一期目を終えた大統領が、自身が所属する党の大統領予備選挙で他の候補者から挑戦されることは、珍しいことではない。しかし、アメリカの歴史上、挑戦者が2期目の大統領職を目指す候補者を破ったことは一度しかない。

 ケーシックは、2020年大統領候補として共和党の指名を得るためにトランプに挑戦するかもしれないし、無所属として大統領選に立つかもしれない。現在66歳なので、自分はまだ十分若いと考えて、次期ではなく、2024年の大統領選まで待つかもしれない。今のところ、彼は自身の計画をまだ発表しておらず、共和党を離れてはいないと言っているが、「共和党が彼から離れていっている」と感じているようだ。

 現在の共和党は、伝統的な共和党の価値を支持していない。トランプの言動が彼らの価値観やアメリカの理想に反していても、やみくもにトランプを支えるために、繰り返し国民の信頼を裏切っている。たとえば現状、彼らはトランプが業界を規制するための政府機関のトップに内部関係者を任命することを許しているため、政府は企業の利益ではなく、国民の利益のために働くという考え方を放棄していることになる。それでは事実上、最高値の入札者にアメリカ政府を売っているのと同じことだ。

 ケーシックは、そんな共和党を社会的にちゃんとしたものに戻したいと言っている。彼は「トランプを選んでしまったことは、とんでもない間違いだった」とアメリカ国民が気づいていると信じ、トランプとは対照的に、自身を「理性的で道理をわきまえた共和党員」と位置づける努力を続けている。

 彼の国民の心情についての考察は正しいかもしれない。しかし彼は、共和党の有権者は騙されやすいことも知っている。共和党と民主党を比較する時のように、彼とトランプがどう違うのかという比較ではなく、ケーシック自身がどういう人であるかが判断されることが重要だろう。トランプと比べれば、チンパンジーでさえ妥当な大統領候補に見えるからだ。

ケーシックは本当にトランプより穏健なのか?

 皆から穏健な共和党員だと思われたいケーシックだが、実はそれほど穏健ではない。彼の経済政策は、貧しい人々を犠牲にして富裕層に都合の良いものだし、国民による選挙を今よりも困難にしたいと考えているだけでなく、地球温暖化の進行を止めるために行われる全てのことに反対している。オハイオ州知事としては、教職員組合と警察組合を弱体化させるように動き、同州では女性が妊娠中絶を受けることと、生殖に関する医療へのアクセスを制限する法律を制定している。ちなみに、オハイオ州知事選挙に出馬する前の彼は、大手投資銀行リーマンブラザーズの取締役で、2008年に世界金融危機の引き金を引いたリーマンショック時も同社取締役だった。

 トランプが出てくるまでは、ケーシックは急進派の共和党員であり、ひどく欠点のある大統領候補だった。それは今でも変わっていない。しかし彼は、自身をトランプと比較することによって、彼の立ち位置を急進派から穏健派共和党員にすり替えられると信じているようだ。

 アメリカ国民はケーシックの策略に乗せられてはならない。ケーシックは、アメリカにとって、トランプと全く同じくらい危険である。いや、もしかすると、彼はトランプよりも危険かもしれない。なぜならケーシックは間抜けなトランプとは違って、熟練した政治家だからだ。

銃乱射事件生存者たちの「マトモ」な訴えが、マトモに伝わらない国

https://bizseeds.net/articles/662

圧倒的にリベラル派が多く住むカルフォルニア州。同州在住で、トランプ大統領に投票しなかったアメリカ人のひとりである著者が語る、今のアメリカのリアル。今回は先月、フロリダの高校で起きた銃乱射事件後の米国内のリアクションについて、著者がリベラル派としての見解を述べる。

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