魚を出さない寿司屋! インスタ映えする「100%ヴィーガン寿司」

魚を出さない寿司屋! インスタ映えする「100%ヴィーガン寿司」

食に対する意識が高いニューヨークには、肉や魚を食べない人たちも多く、健康的な料理を出すレストランの人気が高い。そんなニューヨークで、野菜と果物と穀物だけで作る「100%ヴィーガンの寿司」が、着々とファンを増やしている。


食材は植物ベースのみ。ヘルシーでカラフルな寿司

 「自分が食べるもの、そのものが自分」という美意識を持つ人が多いニューヨークでは、体に良いもの、無農薬のもの、ジャンクフードではないもの、地球環境に優しいものなど、口に入れる食材にこだわりを持ち、なおかつ美味しいものを求める人たちが大勢いる。

 アメリカには、ベジタリアン(肉と魚を食べない人、Vegetarian)、ペスカタリアン(肉を食べない人、Pescatarian)、ヴィーガン(肉と魚と乳製品を食べない人、Vegan)、フルータリアン(果物が主食で肉・魚・穀物も食べない人、Fruitarian)など、食に対して様々な主義を明確に持つ人たちだけでなく、宗教的に特別な方法で処理されたものでなければ口に出来ない人も多い。つまり、「出されたものは何でも食べるのが礼儀」という日本流は存在しないのだ。そのためレストラン・オーナーも自身が対象にする客層を明確にしなければ、大都市では勝ち残れない。

 アメリカでは、和食はヘルシーという印象は浸透しているものの、鰹節や煮干しで取った出汁や、魚を使う料理が多い和食は、意外にもベジタリアンやヴィーガンたちは食べられない。そんな客層に狙いを定めて、オーガニックな野菜や果物、穀物など「100%オーガニックで植物ベースの食材」で作る寿司や丼などを出す 「Beyond Sushi」というレストランが、ニューヨークで店舗を着々と増やしている。そのお店の様子がわかる映像はこちら。

魚がのっていない寿司を食べたい人が多い?

 店舗規模が小さいものも含めて、ニューヨークに6店舗を出すこの店の売りは、その独創的なプレゼンテーションと、本格的に料理を学んだシェフが作り出す味。シャリには黒米や赤米、または玄米やライ麦など4〜6種を混ぜた米などが用意され、 アボカドやハラペーニョ、黒豆ペーストを入れて野菜で巻き、ライムを加えてラテン風味に仕上げたものや、マリネしたキノコ、酢漬けにしたゴボウや大根を巻いてトリュフ・オイルをかけた巻き寿司(8ピース$7.50)、カレー風味のカリフラワーやローストしたトマトがのった軍艦(4貫$5.95)など、色とりどりで驚きがあるメニューが並ぶ。

Photo Credit: Beyond-Sushi

  カラフルなプレゼンテーションがインスタ映えすることも人気を支えている。そのインスタを見て来店する人もいれば、これまで寿司を食べられなかったベジタリアンやヴィーガンたち、魚の寿司とは別物としてこれを楽しむ人たちなども利用している。オーナー・シェフがイスラエル人ということもあり、ユダヤ教徒でも安心して食せるコーシャー(Kosher)の国際承認も得ているため、「使われている食材が、どこから来たものか」が明確にわかっている安心さもあるという。

 「魚を出さない寿司屋」を、もはや「寿司屋」と呼べるのかという議論は別として、「進化し続けるニューヨークらしい進化した料理」であることは間違いなさそうだ。

アメリカの「食」に関する記事

この記事の寄稿者

関連する投稿


ベーグルの切り方でNYが大論争 縦に切るか、横に切るか?

ベーグルの切り方でNYが大論争 縦に切るか、横に切るか?

ニューヨークの名物、ベーグル。リング状の形をしたこの固めのパンは文化の一部なんだと言えるほど、ニューヨーカーのベーグルに対する想いは熱い。そんなニューヨークで、セントルイスの出身者がニューヨークとは異なるベーグルの食べ方を自信満々に紹介したツイートが炎上。単なる「ベーグルの切り方の違い」なのだが、まだ騒ぎは収まらないようだ。


アマゾンは、なぜニューヨークの第2本社計画を断念したのか?

アマゾンは、なぜニューヨークの第2本社計画を断念したのか?

圧倒的にリベラル派が多く住むカルフォルニア州。同州在住でトランプ大統領に投票しなかったアメリカ人のひとりである著者が語る、今のアメリカのリアル。今回はアマゾン・ドットコム社が、ニューヨークに第2本社を建設する計画を突然取りやめると発表した件について、リベラル派の意見を述べる。


アメリカ料理はハンバーガーだけじゃない! 食通も支持する米南部の食

アメリカ料理はハンバーガーだけじゃない! 食通も支持する米南部の食

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをアーカンソー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。今回は、一般的にはあまり知られていない米南部ならではの美味しい地元料理の数々をご紹介。


リサイクルよりも環境に優しい店がNYに登場! 容器持参で食材を買う

リサイクルよりも環境に優しい店がNYに登場! 容器持参で食材を買う

食材の買い物には、持参したエコバックを使用する人が増えたが、それでも店が用意したビニールの買い物袋を使用する人は後を絶たない。また、買い物袋だけでなく、パッケージ容器などのプラスティック製品はリサイクルできないものが多く、ゴミはなかなか減らない。そんな現状を変えるべく、さらに環境に優しい店が登場し、話題を呼んでいる。


日本人が提案するヴィーガン食にアメリカ人も夢中!

日本人が提案するヴィーガン食にアメリカ人も夢中!

アメリカでは現在、「こんまり」こと近藤麻理恵の「ミニマリズム」が大ブームだ。彼女が提案するライフスタイルに魅了されるアメリカ人が続出し、今やその名前を聞かない日がないほど。しかし、その「こんまり」よりも、ずっと以前からアメリカで活動を続け、昨今のヴィーガン・ブームの火付け役の一人となった日本人女性がいる。その人物とは?






最新の投稿


有罪に見えにくい服装とは? 法廷スタイリストが選ぶセレブの出廷服

有罪に見えにくい服装とは? 法廷スタイリストが選ぶセレブの出廷服

巨額の資産を持つドイツの令嬢になりすましてニューヨークの社交界に入り、高級ホテルの宿泊費やプライベートジェットのフライト代などを踏み倒して有罪判決を受けていた女性詐欺師、アナ・ソロキン。今月、同被告に4~12年の禁固刑が言い渡されたことで再び法廷での彼女の服装や、他の女性被告たちの服装に注目が集まった。


今週の神秘ナンバー占い(2019年5月17日〜23日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年5月17日〜23日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


【Red vs. Blue】全米ライフル協会に迎合するトランプ、国連武器貿易条約から離脱か?

【Red vs. Blue】全米ライフル協会に迎合するトランプ、国連武器貿易条約から離脱か?

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回は、銃規制に反対する全米ライフル協会を支持するトランプ大統領が、同協会の会合で「国連武器貿易条約」から離脱すると発言したことについて。


アメリカでは4人に1人がスマートスピーカーを所有している

アメリカでは4人に1人がスマートスピーカーを所有している

進化を続けるオンライン事情により、日々豊かに変化していく人々の暮らし。そんな世界で賢く生きる術とは? デジタルマーケティング専門家、ティム・ポールが解説するコラム『オンラインと僕らの生活』。アメリカの一般家庭におけるスマートスピーカーの普及率が上昇し、成人の4人に1人が所有するといわれるアメリカ市場の現状とは?


米大手メディアはなぜキリスト教徒迫害の現状を伝えないのか?

米大手メディアはなぜキリスト教徒迫害の現状を伝えないのか?

米テキサス州に暮らすイスラム教徒のジャーナリスト・西森マリーが、米国内でも報道されにくい保守派の声やテキサス州など南部の住民たちの声をお届けするコラム。今回は、欧米にはびこる「ポリティカル・コレクトネスの風潮」から、イスラム教徒の迫害は欧米でニュースになるのに、キリスト教徒の迫害は報道されないという現状について。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング