テキサス人は知っている! 大手メディアがひた隠しにする不法移民の実態

テキサス人は知っている! 大手メディアがひた隠しにする不法移民の実態

テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回は、世界的な批判をうけている「不法入国した親子を引き離して収監する」米現政権の姿勢とそれを報道するメディアなどについて、テキサスの人々の意見を著者が代弁!


金網の中の子供たちは、誰の子供なのか?

 この数週間、アメリカの大手メディアは、「不法移民の子どもたちが金網の檻に収監されている」という、いつ撮影されたものかが明確でない写真に、「非人道的!」、「強制収容所!」などのキャプションをつけ、あたかもトランプ政権が不法移民の子どもを投獄しているかのようなニュースを流している。

 テキサス州内に不法移民の子どもを一時的に収容する施設が存在することは事実だが、施設にいる子どもの83%はそもそも親が不法入国斡旋業者に預けた子どもたちで、彼等は親の同伴なしに不法入国した。つまり、トランプ政権が親子を引き離したわけではない。残りの17%は大人に同伴されてきたものの、大人との親子関係を証明できない子どもたちだ。不法入国者が、同情を買うために血縁ではない子どもを小道具として使っている例もたくさん報告されており、子どもたちが”偽親”に虐待されているケースも少なくないため、本物の親かどうかが分からない大人と子どもを分離するのは、子どもを虐待から守るためにも理にかなった措置である。

 米大手メディアはこうした事実は全く伝えずに、ひたすら「子どもたちが、かわいそう」と叫び続け、トランプ政権に対する敵意を煽っているが、不法移民の子どもたちは決して非人道的な扱いを受けているわけではない。たとえば、テキサス州内にある不法移民の子どものための施設は、サマー・キャンプの雰囲気をモチーフに作られている。親が犯罪を犯して投獄され、孤児院や複数の里親の間をたらい回しにされている貧しいアメリカ人の子どもたちよりも、不法移民用の施設にいる子どもたちは、はるかに人道的な待遇を受けているとも言われている中、9割方がリベラルなアメリカの記者たちは、「親子を引き裂いて強制収容するとは、まるでホロコーストのようだ」と、感情的な報道を繰り返している。

 テキサス人はこうした扇情的な報道を見て、「リベラルな記者たちは、アメリカ人の犯罪者の子どもたちやホームレスの帰還兵、肉親や配偶者を不法移民に殺されて死別を余儀なくされた遺族に対しては同情心のかけらも示さないくせに」と、大手メディアの偽善とダブル・スタンダードにうんざりしているのだ。

難民を装って不法入国するテロリストや麻薬カルテル

 また、大手メディアの記者たちは、不法入国斡旋業者(多くは麻薬カルテルと共謀している密輸組織)が、メキシコとの国境からテキサス州にバングラデッシュ人を不法入国させている、という驚異的な事実も全く報道していない。今年の前半だけで、300人以上のバングラデッシュ人がテキサス・メキシコ国境で逮捕されている。この数字は、あくまでも「逮捕された」バングラデッシュ人のみの数字であり、捕まらずに密入国を遂げた不法入国者が何人いるのかは、神のみぞ知る、ということだ。

 テキサスでは大きく報道されているものの、大手メディアからは全く無視されているこのニュースは、二つの重要な事実を物語っている。

 ひとつは、不法入国斡旋業者がヒスパニック系のみならず、イスラム圏にもビジネスの枠を広げた、ということだ。そして、もうひとつは、イスラム国やアルカイダを支持するテロリストが、難民や亡命者を装って、不法入国斡旋業者の手を借りてアメリカに入ってくる可能性は決して低くはない、ということである。

 バングラデッシュはイスラム国の温床になりかけていると言われているが、今のところはバングラデッシュからの不法移民は経済難民のようだ。しかし、バングラデッシュ人と同じ行程をたどって何十人ものシリア人も不法入国しているため、難民を装ってイスラム国支持者がアメリカに不法入国してくる可能性は否定できない。

 残念なことに、米大手メディアはヒスパニック系の親子ばかりをフィーチャーして、不法移民に対する同情心を駆り立てる報道を繰り返しているため、アメリカ人の多くは国境の警備に関して全く危機感がないようだ。それに対し、麻薬カルテルが警察への密告者などを殺した後に、切り刻んだ死体を見せしめとして人通りの多い駐車場に置き去りにする、などの事件がよく起きるテキサス州では、多くの住人が国境に壁を造る必然性をひしひしと感じているのである。ここテキサスと、ニューヨークやワシントンDCには同じ国とは思えないほどの温度差があるのだ。

参考記事として:

多くの米メディアがトランプ政権の不法移民対策を批判するために使った写真には、実はトランプ政権の前に撮影された写真も使用されている。トランプ政権の開始日は2017年1月20日。
https://www.reuters.com/search/pictures?sortBy=&dateRange=&blob=2014++ross+franklin

https://www.americanimmigrationcouncil.org/content/photo-exhibits-doe-v-johnson

TIME誌の表紙になった衝撃的な写真、泣き叫ぶ不法移民の子どもが「実はずっと母親と一緒にいたこと」、そして「そのお母親は過去に不法入国の罪で強制送還された前科がある経済難民」であることが書かれた記事
https://www.washingtonpost.com/national/honduran-girl-in-symbolic-photo-not-separated-from-mother/2018/06/22/40a4da2a-7665-11e8-bda1-18e53a448a14_story.html?noredirect=on&utm_term=.fe8a2b7489dc

銃を規制しても問題は解決しない

https://bizseeds.net/articles/672

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などを、ジョーンズ千穂がアーカンソー州より徹底紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。今回は アメリカの世論を二分する銃規制問題に対して、銃を所持している一般人のひとりとしての意見を述べる。

アメリカの「不法移民」に関する記事

この記事の寄稿者

エジプト、カイロ大学で比較言語心理学を専攻。1989年から1994年までNHK関東ローカル・ニュース、NHK教育テレビ『英語会話I 』講師、NHK海外向け英語放送ラジオ・ジャパンのDJ、テレビ朝日系『CNNモーニング』キャスターを務め、1994年にオランダに移住。1998年、拠点をテキサスに移し、”レッド・ステイト(共和党が強い州)に住むイスラム教徒”というユニークな立場からアメリカでも日本でも報道されていないアメリカ保守派の視点を伝えている。

著書:
『ドナルド・トランプはなぜ大統領になれたのか?アメリカを蝕むリベラル・エリートの真実』(星海社)
『レッド・ステイツの真実 アメリカの知られざる実像に迫る』(研究社)
『世界のエリートがみんな使っているシェイクスピアの英語』(講談社)
『聖書をわかれば英語はもっと分かる』(講談社)

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