宅配からシフト? アメリカの「ミール・キット」は店頭販売

宅配からシフト? アメリカの「ミール・キット」は店頭販売

あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料がセットされた「ミール・キット」。食材を洗ったり、切ったりする必要がなく、同封レシピに沿って調理すれば30分以内で美味しい食事を楽しめるキットは宅配が主流だったが、アメリカでは「ミール・キット」がスーパーマーケットやドラッグストアで販売される方向にシフトしているという。


アマゾンがホールフーズ・マーケットを買収後、市場が変化

忙しくても自宅で調理した料理を食べたいと考える人たちを対象に発展した「ミール・キット」は、あらかじめレシピに合わせて必要な分量の食材や調味料がパッケージされ、レシピに沿って調理すれば30分以内で美味しい食事を楽しめる。アメリカでミール・キットの大御所といえば、「Blue Apron」や「Sun Basket」の名前が挙がるが、「Hello Fresh」、「Plated」、「Home Chef」、「Munchery」、 「Chef’d」、「Marth & Marley Spoon」、「Purple Carrot」、「Green Chef」、 「Greenblender」、「Freshly」、「Terra’s Kitchen」など数多くのブランドが競合。どのブランドも有名シェフによる監修、オーガニック食材の使用、ベジタリアン対象などの特色を明確に打ち出し健闘している成長産業だ。

 ミール・キット市場は、言うまでもなくネット販売による定期宅配が基本。しかし、昨年アマゾンドットコム社が、全米展開する高級スーパーマーケットのホールフーズを買収後は、全米展開する他の大手スーパーマーケットやドラッグストアと組んで店頭販売する動きが、急速に広がっている。

1億人のアマゾンプライム会員を相手に

 アマゾンドットコム社は、プライム会員だけで1億人以上の会員がいるが、まだそこに向けての食料品販売は開始していない。しかし、話題のレジなし小売店「アマゾン・ゴー」の第1号店では、同社オリジナルのミール・キットをテスト販売しており、これが売れているという。

 また昨年から「Blue Apron」が大型倉庫型小売業のコストコと組んだり、大手スーパーマーケット・チェーンのアルバートソンズが「Plated」を買収したり、小売業界の王者ウォルマートが独自のキットを開発販売したり、大手食品企業がスタートアップのミール・キット会社と組んだりと、宅配一辺倒だった業界から大きく変化しつつある。

 中小の食品スーパーも地元のスーパーも、ヴィーガン専用のキットを開発したり、 「インストア・ミールキット」(店内の生鮮食品を使い、店内で下準備をするミール・キット)を展開するなど、新しいアイデアを続出。大手のなかには有名スポーツ選手やセレブリティーを起用して、キットの良さを大々的に宣伝する企業も増えてきた。

 調査会社ニールセンによると、ミール・キットの店舗における購入数は増加しているという。昨年の調査では過去6カ月間にミール・キットを購入した世帯は全体の9%となる1,050万世帯にも上る。これまでは宅配業者のキラー商品だったミール・キットだが、今後は小売業界の主要棚を占めそうだ。

参考記事:
https://www.cnbc.com/2018/06/29/amazons-purchase-of-whole-foods-changed-the-meal-kit-industry.html

アマゾンのハイテク無人ストア「Amazon Go」、さらに年内6店舗

https://bizseeds.net/articles/659

アマゾンが「ショッピングの改革」と銘打って開発した無人ストア「Amazon Go」。ネット小売業界を牽引しつつ、その真逆にも見える戦略で高級スーパーマーケット・チェーンの買収や本屋を次々と開店する同社の狙いとは?

その他の「飲食業界」に関する記事へ

この記事の寄稿者

関連する投稿


スターバックス全米直営店2,000店舗で来春から宅配開始

スターバックス全米直営店2,000店舗で来春から宅配開始

とうとうバリスタが淹れたエスプレッソやカフェラテが自宅に届く時代がやってきた。スターバックス社が来春から全米規模でコーヒーの宅配サービスを開始する。部屋着のままでフラペチーノが飲めることを喜ぶ人もいれば、コーヒーまで宅配できると外出が減りそうだと心配する声も。同社のこの動きは業界のテクノロジー化に拍車を掛けそうだ。


来年は「カツサンド」がアメリカのトレンドに?

来年は「カツサンド」がアメリカのトレンドに?

アメリカでは年末が近づくと発表される、来年の「レストラン・メニューのトレンド」予想。今年の食トレンドは、「サステーナブルなシーフード」、「手作り調味料」、メルロー・カットなど牛ステーキの「新カット」などだったが、来年は日本が誇るB級グルメ「カツサンド」が、アメリカのレストランにおけるトレンドになるらしい。


マリファナ入り食品市場が広がるアメリカ

マリファナ入り食品市場が広がるアメリカ

マリファナ合法州が一段と増えたアメリカでは、葉に火をつけて吸引するだけでなく、成分を飲み物に混ぜたり、スイーツや料理に加えたりと、様々な嗜好品が誕生している。しかも、この市場は来年以降、さらに広がる見込みだという。


アメリカのティーンが選ぶベスト10ブランド 2018年秋冬版

アメリカのティーンが選ぶベスト10ブランド 2018年秋冬版

アメリカのティーンエイジャー6,000人を対象に実施されたアンケート調査。平均年齢16歳のティーンたちが支持するアパレル・ブランドのベスト10、そしてファストフード・チェーン店のベスト5とは?


なぜ、アマゾンは毎日5,000本ものバナナを配り続けるのか?

なぜ、アマゾンは毎日5,000本ものバナナを配り続けるのか?

米アマゾン・ドットコム社の本社があるシアトルの街中で、無料のバナナ・スタンドを開始したのは2015年12月。昨年1月には配布100万本を達成し、来月末でスタンド開始から早3年が経とうとしている。同社は今後もバナナの配布を続ける予定だというが、なぜバナナなのだろう?






最新の投稿


成功への選択「入浴剤」2019年1月18日~1月24日

成功への選択「入浴剤」2019年1月18日~1月24日

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが送る「成功への選択」。算命学、数秘術、占星術などをベースにしたオリジナル手法を用いて、あなたが切り開くべき幸運への扉のヒントを毎週アドバイスします。さて、あなたのビジネスを成功に導くのは、どちらの選択肢でしょうか?


アメリカの本当の顔とは?

アメリカの本当の顔とは?

圧倒的にリベラル派が多く住むカルフォルニア州。同州在住でトランプ大統領に投票しなかったアメリカ人のひとりである著者が語る、今のアメリカのリアル。今回は、時代の変化に柔軟性のない共和党(保守)に対して、民主党(リベラル)がいかにそうした変化を受け入れて柔軟であるかを軸に、アメリカのあるべき今後の姿について語る。


誰でもシルク・ドゥ・ソレイユに挑戦できる! ラスベガスで新体験

誰でもシルク・ドゥ・ソレイユに挑戦できる! ラスベガスで新体験

エンターテインメントの街、ラスベガスは、カナダに本拠地のあるシルク・ドゥ・ソレイユのアメリカ拠点としても知られている。現在ラスベガスでは6つのショーが上演されているが、その本場の舞台に出演中の日本人パフォーマーが、新しいビジネスをスタートさせた。ラスベガス旅行を計画している人には特に注目の新情報だ。


あれから1年、#MeToo はどうなった?

あれから1年、#MeToo はどうなった?

アメリカ生活20年強。翻訳家の高柳準が、アメリカ文化とそれにまつわる矛盾を語る「アメリカで暮らしながら想うこと」。今回はハリウッド界に端を発する「#MeToo」について。女性差別問題は根深く、複雑化しやすい。性別や文化により、セクハラと性犯罪の違いに対する意識の違いを浮き彫りにしたこの運動、あれからどうなったのだろう?


アメリカ版の福袋? 女子力アップの「サブスクリプション・ボックス」

アメリカ版の福袋? 女子力アップの「サブスクリプション・ボックス」

日本の1月の風物詩のひとつである「福袋」。今年も85,000円もする「ジャイアント馬場福袋」があっという間に完売したり、新たな出会いを願う人のための「婚活福袋」が登場したりと世間を賑わせたが、アメリカにも福袋の発想に近い商品がある。それは若い女性を中心に人気を博している「サブスクリプション・ボックス」だ。その箱の中身とは?


アクセスランキング


>>総合人気ランキング