爆発的な人気TV番組「Fixer Upper」の影響力

爆発的な人気TV番組「Fixer Upper」の影響力

家とガーデニングの話題に特化したケーブルTV局HGTVで、爆発的な人気を博していた「Fixer Upper」。テキサス州の田舎町で改装業を営むゲインズ夫婦が、古い家をおしゃれに改装するリアリティーTV番組で、今年4月に最終回を放送したばかり。その番組の影響で、夫妻が住む田舎街に全米から観光客が集まり、大々的な町興しになっている。


マーサ・ ステュワートも怯えるジョアンナ ・ゲインズとは?

 昨年のシーズン4の最終回は全米で521万人が視聴し、ケーブルTV局のその年の歴代2位の視聴率を記録したHGTVの「Fixer Upper」。プロデューサーは日系アメリカ人Michael Matsumoto氏、主役はテキサス州にあるWACOという小さな田舎町で、「マグノリア・ホームズ」を家族経営するチップ&ジョアンナ・ゲインズ夫妻だ。

 夫のチップ・ゲインズさんと妻のジョアンナさん が、クライアントの希望に応じて現存の古い家を見違えるほど素敵にリフォームして、「アメリカン・ドリームホーム」を提供するという、非常に分かりやすいリアリティー番組。4月に放送された同番組シーズン5の最終回では全米ライブ週間視聴率2位を獲得し、別れを惜しむファンたちから番組の続投を願うEメールが同局に押し寄せたというが、それほどの人気を誇るゲインズ夫婦とは、どんな一般人なのだろう?

 番組の人気の秘密は、チップさんのユニークで親しみやすい性格が織り成す、夫婦漫才にも近いアットホームな雰囲気と、妻ジョアンナさんが生み出す今どきのデザインと、誰もが息をのむ空間の提供力、そして彼らの家族愛のようだ。ただカッコ良くリフォームするのは誰にでもできるが、クライアントがハッピーになるように寄り添う姿勢のリフォームが、クライアントだけでなく、視聴者をも釘付けにしたのだろう。そんな彼らのHGTVの「Fixer Upper」のトレーラー映像はこちら。

カフェや別荘も展開! 地元の町興しに大貢献

 ジョアンナのインテリア・デザインのセンスには誰もが目を奪われる。本人たちがファーム(農場)に住んでいることから、フレンチ・カントリーとファーム・ハウス系のデザインを得意としながらも、男性ウケするインダストリアルなデザインや、マスキュリンなミッド・センチュリー・モダンなデザインも加えて彼女らしく仕上げる腕前だ。

 ジョアンナが出版した本のひとつ「Magnolia Table」(定価$30)は、ゲインズ家のお気に入りの料理を集めたレシピ本で、発売1週間で約17万部を売り上げた。これまで「カリスマ主婦」、「主婦の鏡」と、もてはやされたマーサ・ステュワートも、ジョアンナの活躍に自身の立ち位置が揺るがされるとヤキモキしているということが週刊誌に掲載されたばかりだが、それもそのはず、ジョアンナの作るカップケーキや朝食も人気を博している。

 ケインズ夫妻 は、拠点であるWACO市にあった古いカフェを自らリノベーションし、彼らのレシピ本の中から選んだ朝食をサーブするレストラン「Magnolia Table」をはじめ、ジョアンナ監修のホームグッズ店「Magnolia Market」や、複数のバケーション・ハウスもオープンさせた。そのWACO市に、HGTVを放送しているカナダを含めた北米全土から「Fixer Upper」ファンが押し寄せて、同市は 同番組が放送される前の観光客数2万5,000人から30万人以上が安定して訪れる観光都市に成長した。つまり、ケインズ夫妻は同市にとって、これ以上ないような観光大使になったのである。

 全米を一斉風靡したカリスマ主婦、マーサ・ステュワートの時代はもう終わり、新しいヒロインであるジョアンナ・ゲインズが生まれた。「Fixer Upper」の終了後、彼女をフィーチャーしたスピンオフ新番組「Behind the Design」が好評放送中だ。彼女の今後の活躍に多方面から注目が集まっている。

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