「アロハ」商標獲得で炎上! シカゴのポケ店、ボイコット運動に発展

「アロハ」商標獲得で炎上! シカゴのポケ店、ボイコット運動に発展

「アロハ」(Aloha)は、ハワイの挨拶語。ハワイ語で愛、平和、同情心という意味を持ち、ハワイアン文化を象徴する言葉だ。しかし、「アロハ」をハワイ名物料理の「ポケ」(Poke)と抱き合わせてシカゴの企業が商標化したため、ハワイアンたちが立腹。ソーシャルメディアで人種文化問題だとして炎上し、同店のボイコット運動へ……


「アロハ」はハワイアンの心。商標化などできない!

 ポケ(Poke)は、切ったマグロや鮭などの生魚を、ゴマ油や醤油などで味付けしたハワイの地元料理で、そのまま食べたり、ご飯やサラダ菜に乗せて食べる手軽な一品だ。数年前から全米では「ポケ・ブーム」なるものが起き、各地に多くの専門店が登場。それまではハワイならではだったポケは、今では全米展開する大手スーパーマーケット「Whole Foods」のデリ・セクションなどでも売られている。

 そのブーム初期の2016年に、イリノイ州シカゴで創業されたポケ専門のファストフード店「Aloha Poke Co.」は、創業と同時に米国特許商標庁に「Aloha Poke」という商標を申請し、同年に商標を獲得した。アメリカでは商標所有者が弁護士を通じて、米国内にて同名でビジネスを営む企業や店舗に対し、名称変更要請をすることは珍しいことではない。そのため、全米展開する準備が整った同社も、同名称を使用中の各社に対して名称変更を即す手紙を出したのだが、「Aloha Poke」だけでなく、「Aloha」という単語も使用不可という内容だったため、手紙を受け取った経営者たちだけでなく、大勢のハワイアンたちが、「アロハという言葉を一企業が商標化するなど、ありえない」とソーシャルメディアで反発。同社へのボイコット運動を起こす動きにまで発展した。

ハワイアンにとって「アロハ」は精神的な象徴

 昨年、店名の変更をシカゴの弁護士から要請されて、結果的に従ったワシントン州フェアヘヴンのポケ店の経営者は、ハワイアンの象徴だとして「アロハ」を店名に残すために法的に戦ったが、店名から外さざるを得ず、今は「Fairhaven Poke」という店名でポケ専門店を経営している。同店のフェイスブックには、シカゴからアロハという単語は一切使えないと言われたと記載されており、「あなたはアロハを商標登録できても、ハワイアン精神は商標登録できない!」と書かれている。

 先月末にハワイアンの活動家がソーシャルメディアに動画を公開し、ハワイアンにとって、「アロハがどれほど大切か」を詳しく説明、「Aloha Poke Co.」をボイコットする運動を呼びかけたことで騒ぎが大きくなった。

 一方、渦中の「Aloha Poke Co.」は、イリノイ州だけでなく、すでにカリフォルニア州、フロリダ州、ミネソタ州に進出している。この騒動に対して同社は、事実が誤解されて拡散されているとフェイスブック・ページで反論。同社は「アロハ」も「ポケ」も、各単語での商標登録は申請すらしておらず、商標は「アロハ・ポケ」で取得しているため、ソーシャル・ネットワークに出回っている数々のエピソードは事実と反すると発表している。

 ボイコット運動によって一躍有名になった同社だが、同商標の獲得に動いた元社長は、この騒動が起きる数カ月前にすでに退任しており、現社長は全米430店舗以上を展開する「Potbelly Sandwich」の元社長が就任している。

参考記事:
https://chicago.eater.com/2018/7/30/17631154/aloha-poke-response-boycott-leis-poke-stop-anchorage-alaska

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