アメリカでの偽装結婚斡旋サービスと実態

アメリカでの偽装結婚斡旋サービスと実態

トランプ政権発足後、不法移民問題だけでなく、不法な形でビザを取得した人への摘発も強化されつつある。ビザの取得が難しいアメリカにおいて、永住権・通称グリーンカードを取得するために偽装結婚をする人はかなりいるというが、偽装が分かってしまったら、一体どんな罪になるのだろう?


フロリダ、ラスベガスで偽装結婚摘発が続く

 今年に入ってから、偽装結婚の斡旋業者の摘発が続いている。摘発強化は今のところ全国規模ではないようだが、これからこうした動きは全国的に広がるとみられている。

 最近、摘発が続いているのはフロリダ州だ。特に同州Brevard郡では、過去18ケ月の間に、50以上の偽装結婚を斡旋した詐欺師が摘発されて、大きな話題となった。この地域では2015年以降、同地域でウズベキスタン、カザフスタン、キルギスおよびその他旧ソ連諸国からの移民が著しく増加。これを不審とした移民税関執行機関の国土安全保障局が、郡との協力により本格調査に乗り出したていたが、その結果、斡旋を働いたデニス・ヤコブレフとサービスを受けた合計9人が、先月末までの間に有罪判決を受けた。

 また、ネバダ州ラスベガス市でも摘発が続いている。今年5月にも斡旋業者が有罪判決を受けたばかりで、犯行に及んだジェニファー・ハモイとアントニオ・イバネズは、2013年から2015年に偽装結婚を斡旋。正式に刑が言い渡されるのは今月で、求刑は5年の懲役および罰金25万ドルだ。

 米国民との偽装結婚斡旋料は、1万ドルから2万ドルが相場。サービスを利用して結婚し、逮捕される人たちは、ほぼ全員が学生ビザで米国に入国したのち、偽装結婚へ至っているという。

偽装結婚がバレた場合、本国への強制送還だけで済むのか?

 斡旋業者同様、偽装結婚した当人ももちろん罪に問われる。斡旋業者はビザ取得のための面接内容や書類の書き方など細かく指導をするそうだが、偽物夫婦がビザ申請と面接を無事に乗り越えるのは容易ではないと言われている。

 米国移民局にとっても、偽装結婚の摘発は現在の最優先事項のひとつだ。1980年代から摘発強化はされ続けており、それに伴い、米国内での婚姻による永住権申請は年々審査が厳しくなっている。同局によれば、米国内での外国人と米国市民結婚のうちの30%近くが、すんなりと永住権申請の書類やインタビューを通過させるには疑わしいと判断されているという。

 なかには簡単な追加調査で済む場合もあるが、それでも疑わしいと判断されると、徹底的な追加調査が入る。国土安全保障省の検査官が、永住権申請者の家を訪問調査したり、本人には内緒で交友関係の調査が行われたり、雇用主に連絡して事情を聞くこともある。

 こうした調査を経て、少しでも偽装の疑いが残れば、申請中のビザは却下される。しかし、場合によっては却下されるだけでは済まない。偽装結婚が「疑わしい」のではなく、完全にバレてしまった場合は、ビザ申請却下だけでなく、刑事追及される可能性もある。U.S. Immigration and Customs Enforcement(ICE)によると、懲役は最大で5年間か罰金25万ドル。しかも、これは偽装結婚を依頼した外国人本人だけでなく、その結婚に協力した米国人との双方にかかるリスクだ。

 外国人だから、「たとえ偽装結婚がバレても本国へ強制送還だけで済む」と軽く考える人もいるかもしれないが、刑事罰によって強制送還された場合には向こう10年間、もしくは二度とアメリカには入国できないという条件が付くことも知識として知っておきたい。

 ちなみに隣国カナダやイギリスでは、軽犯罪歴があると入国が却下されるので、犯罪歴がついた場合はアメリカだけでなく、複数国で入国不可になってしまうこともお忘れなく。

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