世界の種子を制するモンサントを告訴した米男性、奇跡の勝訴!

世界の種子を制するモンサントを告訴した米男性、奇跡の勝訴!

とうもろこしや大豆など遺伝子組換え種子や農薬を生産販売してきた多国籍バイオ化学メーカー、モンサント社の主力除草剤「ラウンドアップ」。これに発がん性があることを隠して販売していたとして、末期がんを宣告された男性が同社を告訴していた裁判で11日、男性側が勝訴。モンサントは約320億円の賠償金の支払いを命じられた。


GMO種子の王者モンサントが開発した除草剤「ラウンドアップ」

 米カリフォルニア州在住で末期がんの診断をされた男性が、「がんになったのは農薬大手モンサントが開発した除草剤、ラウンドアップ(Roundup)とレンジャープロ(RangerPro)の使用が原因。しかも、発がん性がある事実を同社は隠していた」として同社を提訴していた裁判で11日、この男性の主張を支持する判決が下り、モンサント社は男性に2億8,900万ドル(約320億4,346万円)の賠償金を支払うよう命じられた。

 原告のドウェイン・ジョンソン氏(46歳)は、2児の父。サンフランシスコ近郊の学区の校庭の管理を担当していた2012年から2年間にわたってランドアップを頻繁に使用したため、非ホジキン・リンパ腫のがんが発症したと主張し、製品の危険性を同社が故意に隠していたとして、訴訟していた。

モンサントを買収したばかりのバイエル社は?

 モンサント社は1901年に米ミズーリ州で創業され、1940年代から農薬の開発販売を着手し、ベトナム戦争などで使用された枯葉剤の開発にも関与したことで知られている。1976年に除草剤「ラウンドアップ」を発売後、この除草剤に耐性のある遺伝子組換え作物(GMO)の種子生産販売を開始し、GMO種子と除草剤をセット販売してきた。世界中の種子市場の90%を保有する世界最王手のバイオ化学企業だったが、今年6月に620億ドル(約6兆8,744億円)でドイツの製薬会社バイエルに買収され、その117年の歴史に幕を下ろしたばかりだ。

 世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)が2015年に発表した報告書では、ラウンドアップの主要成分であるグリホサート(グリホサートカリウム塩)は、5段階の発がん性分類リストにおいて2番目に高いと分類されている。それに対してモンサント社は評価を否定し、WHOに報告書の撤回を求めていたが、今回の判決では、その調査結果が大きく影響したと見られている。

 同社を買収して3カ月も経っていないバイエル社は、今回の判決の結果を受けて、グリホサートとがんの関連性を全面的に否定しているが、今裁判が行われたカリフォルニア州はグリホサートを発がん性物質に指定している。

 ジョンソン氏を弁護したリッチェンバーグ弁護士によると、昨年だけで800人の患者が対モンサント社を訴え、さらに4,000件以上のケースが裁判の順番を待っている状況だという。バイエル社が控訴するのは確実だが、このタイミングでモンサント社を買収したバイエル社の経営陣と、逃げ切ったモンサント社の経営陣の今の心境はいかなるものだろうか。

参考記事:
Jurors Give $289 Million to a Man They Say Got Canner From Monsanto’s Roundup Weedkiller
https://www.cnn.com/2018/08/10/health/monsanto-johnson-trial-verdict/index.html

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