ペプシコの名物CEO退任 女性CEO企業数が昨年より減少

ペプシコの名物CEO退任 女性CEO企業数が昨年より減少

アメリカのトップ500企業において、昨年は史上初めて女性がCEOの企業数が32社まで増え、全体の約6%となった。しかし今月6日、ペプリコのリーダーとして12年間、同社を牽引してきた敏腕女性CEO、インドラ・ヌーイ氏が秋に退任することを発表し、米大企業における女性経営者のパイオニアが経営の第一線から退くことを惜しむ声があがっている。


就任以来ずっと右肩上がりの敏腕女性経営者

 主に炭酸飲料で知られる米食品飲料メーカー、ペプシコ(PepsiCo)社を、12年間に渡って牽引してきたインドラ・ヌーイ(Indra Nooyi)CEO(62歳)が、10月に退任することを発表した。2006年からCEOを務めてきたヌーイ氏は、炭酸飲料ソーダのニーズの衰退を就任前から予想し、炭酸飲料を主軸にしてきた同社の商品比重を健康飲料やスナック菓子に大胆に移したことで知られている。

 ヌーイ氏は炭酸飲料消費の減少傾向を考慮し、CFO時代からトロピカーナ社や、ゲータレードを持っていたクイッカー・オーツ社などの買収に成功。健康路線の強化を続け、2016年ではペプシコの売り上げのうち、炭酸飲料の割合が25%以下になった。 その後も、ヘルシーなイメージで知られていたネイキット・ジュースや、食品会社サブラなども買収し、ハイエンドを狙った電解水を販売するなど、「チェンジ」のイメージで同社の経営をずっと右肩上がりで牽引した。昨年の売上高は630億ドル(約7兆円)を上回った。

米S&P 500 Indexで、女性CEOは27社に

 インドはチェンナイで生まれ育ったヌーイ氏は、奨学金を受けてイェール大学へ入学するために渡米。ヘッドハントで1994年にペプシの戦略部署のヘッドとして転職し、最高財務責任者(CFO)と社長就任を経た後、2006年に同社初の女性、そして初の国外出身者としてCEOに就任した。その年のフォーチュン500社のうち、女性がCEOを務める企業は10社しかなかったが、その後、少しずつ増加し、昨年は史上初の32社になった。

 今年に入ってから、ヒューレット・パッカード社、キャンベル・スープ・カンパニー、玩具のマテル社、オレオ・クッキーやリッツなどで知られるモンデリーズ・インターナショナル社の女性CEOたちが次々と退任したため、先月ハイネケンU.S.A.に女性CEOが就任したものの、10月のヌーイ氏の退任により、現状S&P 500 Index社のうちの女性CEOは27社に減る。

 ヌーイ氏の退任は、先日ニュースになった自動車大手GMの新CFOに若い女性が就任したことと対比され、今後は大企業各社が経営陣のジェンダー・バランスを取っていく方向へ進むのか、あくまでも一時的なものなのかが注目されている。しかし、現実には女性CEOを冠する企業はトップ500社のうちの約6%。企業におけるジェンダー・バランスの取り方と新しい環境作りには、まだ時間がかかりそうだ。

参考記事:
How Pepsi-s CEO Predicted the Death of Soda and Saved the Beverage Giant in the Process
https://www.businessinsider.com/pepsi-ceo-inda-nooyi-predicted-soda-declines-2018-8

この記事の寄稿者

関連するキーワード


飲料業界 CEO 女性 経営

関連する投稿


「限定」に弱いのは世界共通? やっぱり気になるご当地メニュー

「限定」に弱いのは世界共通? やっぱり気になるご当地メニュー

スナック菓子が好きなアメリカ人は、とにかく多い。ポテトチップスが学校給食に出るのはもちろん、ポテトチップスやトルティーヤ・チップス類を常備する家庭も多い。ドリトスなどのチーズ味やバーベキュー味のお菓子は子供だけでなく、大人のおつまみとしても人気が高い。そんなスナック菓子がハンバーガーとコラボした企画が話題だ。


ミレニアル世代は瓶より、缶入りワインが好き?

ミレニアル世代は瓶より、缶入りワインが好き?

ワインといえば、コルク栓がついた瓶をイメージするのが一般的だが、アメリカのワイン売り場には缶ワインが増えている。高級ワイナリーで缶入りのワインを作り始めたり、スーパーマーケット・チェーンがオリジナル缶ワインを出したりと、ワイン市場に新風が吹いている。


マリファナ入り食品市場が広がるアメリカ

マリファナ入り食品市場が広がるアメリカ

マリファナ合法州が一段と増えたアメリカでは、葉に火をつけて吸引するだけでなく、成分を飲み物に混ぜたり、スイーツや料理に加えたりと、様々な嗜好品が誕生している。しかも、この市場は来年以降、さらに広がる見込みだという。


米自動車大手GMに最年少シンデレラCFOが誕生

米自動車大手GMに最年少シンデレラCFOが誕生

9月から米ゼネラル・モーターズ社(GM)の最高財務責任者(CFO)に39歳の女性が就任する。これにより同社過去最強との呼び声も高い敏腕女性社長、メアリー・バーラCEOが率いるGMのイメージが、さらに変わりそうだ。男性中心の自動車産業で唯一、女性がトップを務めるGMのジェンダー・バランスは業界を変えていくのだろうか。


南部では、トランプ大統領は嫌われていない

南部では、トランプ大統領は嫌われていない

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などを、ジョーンズ千穂がアーカンソー州より徹底紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。今回は、長年アメリカを二分する「人工妊娠中絶手術問題」を、南部在住の著者が一般人目線で、ご近所さんの意見をまとめてみた。






最新の投稿


有罪に見えにくい服装とは? 法廷スタイリストが選ぶセレブの出廷服

有罪に見えにくい服装とは? 法廷スタイリストが選ぶセレブの出廷服

巨額の資産を持つドイツの令嬢になりすましてニューヨークの社交界に入り、高級ホテルの宿泊費やプライベートジェットのフライト代などを踏み倒して有罪判決を受けていた女性詐欺師、アナ・ソロキン。今月、同被告に4~12年の禁固刑が言い渡されたことで再び法廷での彼女の服装や、他の女性被告たちの服装に注目が集まった。


今週の神秘ナンバー占い(2019年5月17日〜23日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年5月17日〜23日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


【Red vs. Blue】全米ライフル協会に迎合するトランプ、国連武器貿易条約から離脱か?

【Red vs. Blue】全米ライフル協会に迎合するトランプ、国連武器貿易条約から離脱か?

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回は、銃規制に反対する全米ライフル協会を支持するトランプ大統領が、同協会の会合で「国連武器貿易条約」から離脱すると発言したことについて。


アメリカでは4人に1人がスマートスピーカーを所有している

アメリカでは4人に1人がスマートスピーカーを所有している

進化を続けるオンライン事情により、日々豊かに変化していく人々の暮らし。そんな世界で賢く生きる術とは? デジタルマーケティング専門家、ティム・ポールが解説するコラム『オンラインと僕らの生活』。アメリカの一般家庭におけるスマートスピーカーの普及率が上昇し、成人の4人に1人が所有するといわれるアメリカ市場の現状とは?


米大手メディアはなぜキリスト教徒迫害の現状を伝えないのか?

米大手メディアはなぜキリスト教徒迫害の現状を伝えないのか?

米テキサス州に暮らすイスラム教徒のジャーナリスト・西森マリーが、米国内でも報道されにくい保守派の声やテキサス州など南部の住民たちの声をお届けするコラム。今回は、欧米にはびこる「ポリティカル・コレクトネスの風潮」から、イスラム教徒の迫害は欧米でニュースになるのに、キリスト教徒の迫害は報道されないという現状について。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング