アメリカにおける結婚と現実

アメリカにおける結婚と現実

国際結婚をする人が増えているが、アメリカ人と結婚する場合は、上手くいかなくなった時のリスクも考えた方がよさそうだ。


日本は離婚パラダイス?

 先日、何組かの親しい友人家族を呼んでバーベキュー・パーティーを開いた。参加した友人のひとりが1年半の離婚裁判を終えたばかりということもあり、当日はその話題で持ち切りになった。日本の感覚だと、離婚に1年半を要し、裁判をしたこと自体が珍しいだろうが、彼にかけられた言葉のほとんどは「たった1年半で離婚裁判が終わってラッキー」というものだった。

 厚生労働省の調べによると、日本では裁判所を絡めて離婚する人の数は、わずか2%程度。そして裁判にかかる期間は平均1年間というが、そのことを皆に話したら「ありえない」と驚愕された。アメリカでは州によって法律が異なるため、離婚のプロセスも異なるが、ここワシントン州では稀なケースを除いては、裁判所を通さない離婚は成立しないと思った方がいい。子供がいたり、家や貯金などの財産があれば裁判は複雑化するため、この州では離婚に2〜3年かかることは珍しいことではないのだ。

理由は妻の浮気なのに、夫が慰謝料を支払う?

 離婚した友人が失ったものは計り知れない。ワシントン州では結婚している間に作った資産はすべて半々の権利があるため、浮気したのは元妻のほうで、彼に原因があったわけではないのに、住んでいた家を売却し、そのお金を半々にさせられた。しかも、元妻は無職という理由から、収入が高かった彼が向こう5年間、別れた妻に月間3,000ドルの「スパウス・メンテナンス」、つまり生活援助金を支払わねばならないことも命じられたという。彼は軍隊出身なので、国から恩給が支払われるが、その恩給についても未来永劫、半々。子供の養育費はすべて彼持ち。「離婚した原因は妻の浮気なのに、なぜ?」と聞くと、彼は苦笑いしてこういった。

 「妻は、浮気したのは夫である自分が保守派で、僕の政治思想をリベラルな自分に強要したという言い分をまくしたてたんだよ」

 2年前の大統領選挙の際には、夫婦間の政治思想に相違がみられたことを理由に離婚したカップルが、私の周りだけでも5組もいた。今年は中間選挙があるので、思想背景の不一致が原因で、不仲になるカップルが増えるかもしれないと思うと、ため息が出そうになる。

 ちなみにピュー研究所の最近の発表では、俗にいうミレニアル世代の結婚率はわずか26%だった。若者が結婚したくない理由は、離婚の大変さという一因もあるかもしれない。

この記事の寄稿者

青山学院大学卒業。コマーシャルなどの映像コーディネーターを経て1998 年、宝塚歌劇団香港公演の制作に参加。その後プロデューサーに転身。株式会社MJ コンテスほか複数企業の代表として、ネバダ州立大学公認のピラティススタジオ日本進出事業や各種研修事業、2007 年に行われた松任谷由実の 「ユーミン・スペクタクル シャングリラⅢ」をはじめとする国内外の舞台・イベント制作など、さまざまな事業を展開。これまでにベストセラー数冊を含む70以上の書籍、DVD 作品を企画、プロデュース。現在も様々な事業を展開しながら“Go Tiny”(大切なものが、すべて半径5メートル以内にあることに気づこう!の意)というライフスタイルの提案も展開中。

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