マンハッタンのど真ん中に瞑想するためのバス
上司からのプレッシャー、日々の残業、高額な家賃、物価の高騰……。世界中の多くの人が憧れるニューヨークは華やかな街だが、マンハッタン周辺に住む社会人は日々、多大なるストレスを抱えながら生活している。ワークライフバランスが重要なのは十分承知でも、それを実現する時間がないのが現実だ。
そこを狙って考案されたサービスが、「BE TIME」だ。ストレスから解放されるためなら何でもしたいと感じている人たちや、瞑想できるような静かな場所を欲している人たちのために、毎日マンハッタン内の異なるロケーションに「瞑想をするためのバス」を配置するという画期的なアイデアだ。利用希望者は専用アプリを通して簡単に予約できる。
サービスには15分または30分のセッションがあり、15分のセッションは11ドル、30分なら22ドルだ(初回は限定10ドル)。車内は1,500個のLEDライトが配された神秘的かつモダンな雰囲気で、瞑想して頭を休めたい人たちが、より落ち着いて集中できるようにデザインされている。そのバスの内部の映像はこちら。
マインドフルネスはNYの常識
マインドフルネスが盛んなマンハッタンには、この瞑想バス以外にも様々なビジネスがあるが、もうひとつ最近注目されている「Yoga to the People」(ヨガをすべての人へ)を紹介しよう。このサービスはその名の通り、「すべての人へ届けるためのヨガ・クラス」。受講は寄付金ベース、つまり「クラスの料金は受講者が決める」という仕組みになのだ。
無料で受けたければ無料で受けられるヨガ・クラスなので、予算に限りのある学生にも人気が高く、コロンビア大学の学生の中でもキャンパスでヨガマットを持ち歩く姿がよく見かけられる。現在はニューヨークとサンフランシスコで展開中だ。
企業や学校などでも、それぞれの取り組みが始められたマインドフルネス。「BE TIME」は、そのマインドフルネスを提供する環境を多くの人が参加できるようにモバイル化し、「Yoga to the People」は、その機会をほぼ無償化した。都会の騒がしさやストレスから心の距離を置き、自分に集中して精神を安定させる心がけは、誰にとってもとても重要なことだ。誰にでも手の届きやすいマインドフルネスへの取り組みが、さらに拡大することを願いたい。
1997年生まれ、21歳。東京都出身。青山学院初等部・中等部を卒業後、米国バージニア州の女子校、St. Margaret’s Schoolに2年通う。2015年にコネチカット州のWestminster Schoolに転校し、卒業。現在はニューヨークにあるコロンビア大学・バーナードカレッジにて都市計画と国際関係、教育を専攻し、国際貢献の分野を志している。