日本の弁当とはちょっと違う、アメリカの「Bentoスタイル」

日本の弁当とはちょっと違う、アメリカの「Bentoスタイル」

 日本の「弁当」は歴史ある文化だが、アメリカにおける弁当、つまり「ランチ」というのは、かなり解釈が曖昧だ。アメリカにも弁当箱はあるが、和食屋の幕内風定食も弁当と呼ばれるし、仕切りのついたトレイにおかずを選んで載せるスタイルを弁当とも呼ぶ。おかずの選択肢が複数あれば弁当なのか、容器が弁当なのか、「Bento」にまつわる疑問はつきない。


日本のものを真似ていても、しっかりローカライズ

 オンライン・ショッピングが日々盛んになる中、歴史のあるデパートは、顧客に来店してもらうために、取り扱う商品だけでなく、館内のテナントも厳選し、しのぎを削っている。そんな中、全米展開するデパート、ノードストロームでは、古参客が多いデパートのイメージを一新するような、これまでにない形式の飲食店を誘致、新規顧客の獲得を狙っている。

 ノードストロームが、ワシントン州ベルビューにあるデパート内にオープンさせたのが、米西海岸に16ものレストランを経営するセレブシェフ、トム・ダグラス氏による「Department Bento」だ。店名通り、日本の弁当にインスパイアーされたランチボックスを提供するレストランで、今年6月の開店以来、評判は上々だという。

 客が自分で好きなものを選んでいくカフェテリア方式のレストランで、日本では社員食堂などでもお馴染みのスタイルだ。「テイクアウトがしやすいトレイ」とアメリカ人客に評判の持ち帰り用容器は、日本の弁当屋ではお馴染みの「仕切りがついた箱」が使用されている。

©Image courtesy of Nordstrom, Inc.

ビーツ味やキャロット味のおにぎり?

 セレブシェフが考案した色鮮やかな4種類のおにぎりは、ショッキング・ピンクは「ビーツ」味、オレンジ色は「キャロット・ジンジャー」、緑は「わさびふりかけ」、茶色のものは「椎茸マッシュルーム」。このチョイスがいかにもアメリカらしい。

©Image courtesy of Nordstrom, Inc.

 約70席ある店内では、カウンターでまずベースとなるメニューを選ぶ。弁当トレイ、丼、サラダ(ライスの代わりにサラダ菜が入ったボウル)を選び、その上におにぎり(またはライス)、主菜、副菜を選んでいく。主菜は焼いたサーモン、照り焼きビーフ、豆腐ステーキなど5種類。弁当も丼も、値段は$15〜$18(約2,000円)だ。

  ほぼセルフサービスの弁当屋であるにもかかわらず、店内では、ワインや日本のビール、さまざまなカクテルなども楽しめる。このBento形態は今後アメリカでも定着していきそうだ。

この記事の寄稿者

関連する投稿


「牛肉を控えても健康上のメリットなし」? 調査結果に揺れるアメリカ

「牛肉を控えても健康上のメリットなし」? 調査結果に揺れるアメリカ

医学学術誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」が、「牛肉などの赤身肉を控えても健康上のメリットはない」という調査結果を公開し、菜食主義者や健康を気遣うヘルスコンシャスな人が日々増え続けているアメリカが揺れている。これまでの通説を覆すこの研究発表に対して、主要な国際機関からも反発がおきている。


MITメディアラボ所長・伊藤穣一氏が辞任! 米富豪との関係が明るみに

MITメディアラボ所長・伊藤穣一氏が辞任! 米富豪との関係が明るみに

米マサチューセッツ工科大学(MIT)傘下の名門研究所MITメディアラボの所長を務めていた伊藤穣一氏が、少女への性的虐待疑惑で起訴された刑務所で自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏との関係を表す証拠メールが公表された直後、メディアラボ所長を辞任した。


日本の「べんとう箱」をアメリカ人がローカライズすると?

日本の「べんとう箱」をアメリカ人がローカライズすると?

日本語の「弁当(べんとう)」という単語が、「Bento」として欧米文化に浸透するようになってから久しい。今では「べんとうばこ」=「Bento Box」の説明も欧米を代表する辞書に掲載されるようになった。とはいえ、日本の弁当箱そのものがアメリカに定着したのではない。あくまで米市場に出回っているのはアメリカ人が考える「Bento Box」だ。


こんなに違う! アメリカの「就活」常識

こんなに違う! アメリカの「就活」常識

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生、光田有希が、アメリカの大学生たちに人気のアプリやサービス、学生たちのトレンドなどの情報をお届け。今回は日本とは異なる、アメリカの「就活」の常識について。


アメリカ生活に欠かせない「持ち寄り&助け合い」最強アプリ

アメリカ生活に欠かせない「持ち寄り&助け合い」最強アプリ

アメリカでは、夏の行楽シーズンや、卒業・学年末などのシーズンになると「SignUpGenius(サインナップ・ジニアス)」というサイトを使ったEメールが頻繁に飛び交う。学校やサークル、ボランティア活動、様々な集会などに欠かせない便利なツールの具体的な使われ方とは?






最新の投稿


今週の神秘ナンバー占い(2019年10月18日〜24日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年10月18日〜24日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


大手メディアがまったく伝えない「トランプ大統領の良いところ」

大手メディアがまったく伝えない「トランプ大統領の良いところ」

米テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回は、アメリカの大手メディアがまったく伝えないトランプ大統領の良い部分を、保守系メディアではどう報道されているかを紹介しよう。


マイ・エコバッグより、さらに一歩進んだエコ袋とは?

マイ・エコバッグより、さらに一歩進んだエコ袋とは?

環境に配慮した日用品が市場に増えて来たアメリカでは、捨てずに何度も使用できるストローや、店で買い物をした際に自分のエコバッグを持参することなどがかなり定着してきた。最近ではエコバッグはもちろん、そのバッグ中にいれる商品の小分けに使う袋も洗って何度も使えるものや、土に返せるコンポースト素材のものが増えている。


今年も「ボスキャリ」の季節がやってきた

今年も「ボスキャリ」の季節がやってきた

アメリカの名門エモリー大学で28年間、教鞭をとってきた著者が語る、アメリカの日常と非日常。今回は、アメリカの大学を卒業する日本人学生のほとんどが参加すると言われている恒例の「ボストン・キャリア・フォーラム」における就活の様子について。


渦中の米WeWork、この3カ月半で新規オープン622件。大丈夫かの声

渦中の米WeWork、この3カ月半で新規オープン622件。大丈夫かの声

米メディアを騒がせている「WeWork(ウィーワーク)」。先月末のIPO撤回、カリスマ創設者の退任や現金不足など、厳しい局面を迎えていることで注目される一方で、ソフトバンク・グループの巨額出資、今月10日までの3カ月半で123都市、合計622件も新規共同オフィスをオープンしたことも注目されている。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング