FirstWorldProblemsと「SMART」を活用して目標を達成する方法

FirstWorldProblemsと「SMART」を活用して目標を達成する方法


 世の中にはあらゆる問題が充満しているが、実は「心持ちひとつ」でどうにでもなるのかもしれない。昨年の大統領選挙中のことだが、著名な漫画家Scott Adams (スコット・アダムス)が人気のポッドキャスト番組「Joe Rogan」に出演し、アメリカ国内の選挙がらみの混乱した状況を指して「この世で起こる問題の一次元的理由は、ほとんど心理的なものに起因する」と話した。また、数年前からネット上ではハッシュタグ「#FirstWorldProblems」が多く用いられるようになったが、これもまた「我々が抱えている問題は心理的なもの」ということを示すものである。

 心理学には世の中の諸問題の原因について、それを「欲望」として分析している説明がある。そんな中でも特に有名な分析事例は、マズローの「Maslow's Heirarchy of Needs(自己実現理論)」だろう。人間の成長段階が欲によって定義され、その欲は生理、安全、社会、愛、承認、自己実現のという5つの段階に分けられている。生理と安全以外の欲は、物理的なものではなく心理的なものである。マズローの5段階欲求を取ってみても、自己実現の手段として「自己流」や「個性」をどう表に出すべかという類の葛藤もまた「#FirstWorldProblems」が示すものとなるのかもしれない。

 こうした事例の通り、もしも「すべての問題が心理に起因する」と仮に言い切るとすれば、物理的な問題に対しても心理的なアプローチを用いて、現実的かつ有意義な力強いゴールをつくることが手っ取り早い解決方法になるかもしれない。そこで役立ちそうなのが、アメリカでは根強い人気がある「SMART」という経営分析のノウハウだ。これは明確な数字で成果を計る経営のツールで、経営の常識とピーター・ドラッカーの「Management By Objectives=MBO(目標による管理)」を元に構築されたものである。「SMART」とは、賢さを表す「スマート」と以下の単語をかけて作った造語を兼ねている。頭文字をつなげると「SMART」になるという、ちょっとシャレたネーミングだ。ゴール・セッティングの際には、下記の5つを重視すべきだいうのが「SMART」の考え方である。

S=Specific (特定である)

M=Measurable (計測できる)

A=Agreed Upon(同意のある)、Achievable(達成可能が高い)、Assignable(割り当てうる)

R=Realistic (現実的である)

T=Time-Bound (期限付きである)

 これらの特徴を念頭におけば、いつ何をするのか、結果は何なのか、自分のゴールは現実的なのかという課題がクリアーに出来る。物事の優先順位や時間の有効活用もしやすくなるだろう。先に述べたように「SMART」は、もともとは心理学ツールではなく経営学ツールだが、これをそのまま心理的な問題に当ててみるとよいと思う。自分が目標を持っているのか、その目標はSMARTなのかをまず検証してみよう。心理的に辛くなるような問題を抱えていたとしても、それらを一度、俯瞰して見ることにより、#FirstWorldProblemを具体的なものに切り替えることができるだろう。

 「SMART」の活用が目の前にあることへの心のざわめきを抑え、小さい目標を超える力につながるはずだ。そして、それが叶えば、大きな計画も実施できるようになるだろう。

この記事の寄稿者

カリフォルニア大学バークレー校、大阪外国語大学大学院を卒業。2009年任天堂DSゲーム「ガールズ・モード」の編訳チームに参加、アプリ「DoggyDoc」の英語版ローカライゼーションを担当。2014年、現代日本詩集『トカゲのテレパシー、キツネのテレパシー』をChin Music Press社から出版。2016年には『京都・有次の包丁案内』(小学館) の翻訳チームにも加わった。現在アメリカ大手保険会社のリクルーターとして、目標達成術とモチベーション術を指導している。芸術、自己啓発系の文学を愛読し、日本文化にも造詣が深い。米国ワシントン州シアトル市に在住。

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