アメリカの若者たちに大人気の電子タバコ、JUULとは?

アメリカの若者たちに大人気の電子タバコ、JUULとは?

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生、光田有希が、アメリカの大学生たちに人気のアプリやサービス、学生たちのトレンドなどの情報をお届けする。今回は、アメリカの若者たちの間に急速に浸透したフレーバー入りの電子タバコ「JUUL」(ジュール)と、それにまつわる様々な問題について。


クールな電子タバコを吸引することがトレンドに

 アメリカの若者たちの間で、フレーバー入りの電子タバコ、JUUL(ジュール)がとても流行っていることをご存知だろうか。2015年にPax Labs(現在はJUUL Labs)という会社が売り出した新型電子タバコだが、性能は一般的な電子タバコと同様、ニコチンと香料が混ざった液体を気化した水蒸気を吸うものだ。8種類のフレーバーがあり、大人気なのはマンゴ味やミント味。スターター・キットは約50ドルと安くはないが、タバコ税が高いアメリカにおいては飛び抜けて高い値段設定でもない。

 USBメモリースティックのようにも見えるシンプルなデザインのJUULは、まるでちょっとオシャレな小物のようだ。教室や家の中でも簡単に隠せるため、学校の構内や親の見えないところで吸っている若者が多い。最近では「JUULを吸引すること」は、若者たちの隠れた楽しみのひとつであるだけでなく、社会に反抗しているという「かっこいいステータス」のひとつにもなっており、JUULという商品名が、その行為をする際の動詞としてセンテンスに使用されることもあるほどだ。

もともとは大人が禁煙するために開発されたものが……

 JUULはもともと、タバコ喫煙者が徐々にニコチン摂取量を減らして禁煙できるように開発されたものだった。しかし、さまざまなフレーバーが楽しめて手軽に入手できることから、未成年の若者がJUULを利用し始め、SNSなどによって大流行してしまったのだ。

 「かっこいい」というステータスが欲しくてJUULを購入し、吸引を続けてニコチン中毒になってしまったティーンエイジャーが続出したことで、親や学校をはじめ、FDA(米食品医薬品局)などの政府健康機関もJUUL Labsに販売規制やマーケティング活動の変更を求める要請をしている。しかし、現在15ビリオン・ドル(1.5兆円)、そのうち60%がJUULといわれるアメリカの電子タバコ市場で、これだけティーンの間に浸透してしまった製品をコントロールすることは非常に難しいだろう。

 JUUL以外にも健康被害が報告されている若者に人気のタバコ製品は多々あるが、電子タバコによる若年禁煙が将来どのような影響をもたらすかは、まだ研究すらできていない。学校、親、企業が一丸となって電子タバコの浸透を防ぐ取り組みをすることも必要だが、若者自身が自覚を持って行動することが最も重要だろう。

この記事の寄稿者

1997年生まれ、21歳。東京都出身。青山学院初等部・中等部を卒業後、米国バージニア州の女子校、St. Margaret’s Schoolに2年通う。2015年にコネチカット州のWestminster Schoolに転校し、卒業。現在はニューヨークにあるコロンビア大学・バーナードカレッジにて都市計画と国際関係、教育を専攻し、国際貢献の分野を志している。

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