アメリカでは夫婦で同じ人に投票するのが当然なのか?

アメリカでは夫婦で同じ人に投票するのが当然なのか?

アメリカ人男性と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんな男性像だろうか? 個人の意見を尊重する男性が多そうだが、意外にも……


憂鬱な選挙シーズンと夫婦の会話

 去る11月6日、アメリカの中間選挙が行われた。選挙の時期になると、夫婦の間で話題に上ることの多くが「政治の話」と決まっている。かく言う我が家も、選挙の数週間前から候補者のカタログを片手に激論が開始された。ときには夫婦でも考えが異なるため、話合いにはかなりの労力が必要だった。

 リベラルと保守で国が分断したと騒がれるようになってからというもの、夫婦間で支持する政治的思想が一致していることは重要だと常に感じる。大恋愛の末に結婚したところで、それが一致していないと段々と溝が生じてしまうからだ。

 以前にもこの連載で書いたが、知り合いの中にも支持政党が違うことで、離婚してしまった人たちが数組いる。今年の中間選挙前にも、何組かが離婚協議に入ったが、原因のひとつはやはり「政治」だった。ある友人が「選挙の時は、世の中がすべて発狂気味になるから、夫との会話すら憂鬱になる」と話していたが、それはある意味正しい。私自身も憂鬱だったので、深くうなずけた。

昭和の頑固親父よりも強烈なマッチョ夫たち

 日本には「昭和の頑固親父」という言葉がある。昔、さだまさしさんが歌った「関白宣言」を地で行くような人は、こうした親父の定義になるかもしれない。「俺より先に寝るな、飯は上手く作って綺麗でいろ」と、言葉にするとトンでもない感じだ。「そんな人はアメリカにはいないだろう」とほとんどの人は思うだろうし、国が違うので「ちゃぶ台」をひっくり返すような真似をする人はいないが、「黙って俺についてこい」的なマッチョ男性の比重は高いと言える。

 こうした男性は、総じて優しい。レディファーストを重んじ、とても紳士的で、妻を大事にする。しかし裏返すと、彼らの多くは生活を支え、妻や子供を守る代わりに、「家族」というひとつの単位で何かを決めることを好む傾向が強く、選挙についても、それは何ら変わらない。

 子供の学校のPTAの会合で「夫婦で同じ人に投票するか?」と質問したところ、15組ほどのカップルが口を揃えて「当然だろう?」と言ったのを聞いたときには、驚愕した。「意見が違えば、夫に従う。夫婦はチームなのだから、同じ候補者を支持するのが一番よい」ということらしいが、ある意味スゴイ考え方だと思った。

 こうしたアメリカの意外な一面を知るたびに、日本で語られているアメリカのイメージは、一体何だったのかと思えてしまう。アメリカは自由の国だが、ある部分においては日本よりも保守的で、自由は許されない国でもある。知らないアメリカに出会うたび、「この国は面白い」と、人ごとのように感じている自分に苦笑いしている。

この記事の寄稿者

青山学院大学卒業。コマーシャルなどの映像コーディネーターを経て1998 年、宝塚歌劇団香港公演の制作に参加。その後プロデューサーに転身。株式会社MJ コンテスほか複数企業の代表として、ネバダ州立大学公認のピラティススタジオ日本進出事業や各種研修事業、2007 年に行われた松任谷由実の 「ユーミン・スペクタクル シャングリラⅢ」をはじめとする国内外の舞台・イベント制作など、さまざまな事業を展開。これまでにベストセラー数冊を含む70以上の書籍、DVD 作品を企画、プロデュース。現在も様々な事業を展開しながら“Go Tiny”(大切なものが、すべて半径5メートル以内にあることに気づこう!の意)というライフスタイルの提案も展開中。

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