銀行にカフェ? Wi-Fiやヨガも提供する銀行の新しいカタチ

銀行にカフェ? Wi-Fiやヨガも提供する銀行の新しいカタチ

クレジットカード社会のアメリカでは、オンラインやモバイル・バンキングが早くから普及したため、銀行の窓口に行く機会は日本に比べて少ない。ところが、デジタルでなんでも出来る時代の裏返しか、「人と人のインターアクション」を全面に打ち出したサービスを提供する銀行がこのところ増えている。その一部を紹介しよう。


まずは来てくれるだけでいい すべてはそこから

 銀行口座をオンラインで操作できる時代になってから、アメリカでは銀行の窓口を利用する客が年々減っていた。例えば米大手銀行のバンク・オブ・アメリカに至っては、無人の完全自動運転支店のテスト中だ。しかし、その無人化への動きとは対照的に、ヒューマンタッチを全面に打ち出す銀行が増えてきている。

 これまで銀行といえば、無機質でビジネスライクな雰囲気が一般的だった。そんな銀行をカフェ風や、モダンなブテッィクホテル風に大々的に改装してイメージを一新し、人々がもっと気軽に集まれる場所を提供する動きが出てきた。

 たとえば大手銀行では、全米750以上の支店を持つキャピタル・ワンが、「Capital One Café」という名称で、カフェを併設した支店を開始している。すでに全米に30店舗以上を展開しているが、ここでは窓口係ではなく、「アンバサダー」や「コーチ」と呼ばれるスタッフが、カラフルなソファやテーブルが配置された明るい店内で、口座開設や個人のファイナンシャルに関する相談を受け付けている。しかも、客から聞かれない限り、営業トークはしない。

 併設のカフェでは地元の人気店のコーヒーやペイストリーを提供し、同銀行のカード所有者は飲み物をすべて半額で購入できる。会議室を2時間まで無料で貸してくれるサービスもあり、客はたとえ銀行を利用しなくても、そこでWi-Fiや電源を使用して仕事しながらお茶が飲めるのだ。そんな銀行の様子がわかる映像はこちら。

銀行なのに、ヨガ・クラスや映画ナイトも開催

 オレゴン州ポートランドを拠点とし、米西海岸に350支店以上を展開するアンプクア銀行(Umpqua Bank)では、支店を「ストア」と呼んでいる。ブティックホテルのロビーをイメージさせる「ストア」の店内には無料Wi-Fiやテーブル席が完備され、コーヒーやチョコレート、クッキーなども無料で提供。その上、無料の図書館と会議室もついている。

 同じくオレゴン州やワシントン州を中心に140店舗を展開するコロンビア銀行(Columbia Bank)も、この流れに乗り、シアトル市街の繁華街にある支店を「Neighbor Hub」という多目的スペース式の銀行に改装した。洗練されたシティーホテルのロビーを彷彿させるスペースには、子供たちが遊べるスペースだけでなく、オープンキッチンを完備。ワイン・テイスティングや展覧会、ファンドレイジングの集まりなどで簡単な食事も振る舞えるスペースとしてコミュニティに貸し出し、大盛況だ。

 銀行はもとより、企業がビジネス寄りのイメージを捨てて、「コミュニティ・ハブ」(地域の拠点)になることを目指す動きは、これからさらに大きくなりそうだ。

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