マクドナルドの売上げを超える日本未上陸の米ファストフード店とは?

マクドナルドの売上げを超える日本未上陸の米ファストフード店とは?

ハンバーガーやフライドチキンなど全米展開するファストフード店がひしめくアメリカ。マクドナルド、KFC、バーガーキング、サブウェイ、タコベルなど多くの企業が日本でもビジネスを展開しているが、ここ3年連続で「アメリカで最も愛されているファストフード店」に選ばれた「Chick-fil-A」は、日本未上陸だ。その人気の秘密とは?


アメリカで最も愛され、創業以来50年連続で売上げ更新中

 アメリカ南部アトランタに本社を構える「Chick-fil-A」(チックフィレイ)は、揚げたてのフライドチキンと、それを挟んだサンドイッチが根強く支持される大人気店で、全米に約2,300店舗を展開。創業より50年連続で売上げを伸ばし、ここ3年連続で「アメリカで最も愛されているファストフード店」にも選ばれている。

 QSR マガジンの2017年のセールス報告書によると、「Chick-fil-A」は1店舗当たりの平均売上げが440万ドル(約4億9千万円)で、あのマクドナルドと比べても200万ドル(約2億2千万円)、フライドチキンのKFCに比べると330万ドル(3億7千万円)も売上げが上回っている。

 健康志向が高まってきたアメリカで、油で揚げたカロリーの高いフライドチキンやそれを挟んだサンドイッチが健闘しているには複数の訳があるが、最も客に支持されている理由は同社の商品の品質の高さと、カスタマーサービスだという。

 Forbes誌によると、同社は米国内で初めて「抗生物質を与えて育てられた鶏を使わない」と表明した飲食チェーンであり、バンズもグルテンフリー。人気のチキンナゲットには揚げたものに加え、カロリーが低めのグリルのオプションを設ける等、細かい企業努力がうかがえる。また、「Chick- fil-A」の「A」は、「品質A」(Grade A)の商品を提供するという意味合いも兼ねており、シンプルなメニューながら、そのこだわりが売上げ連続更新という勝因につながっていると分析している。

ファストフード店なのに日曜は全店休業

 米南部で発祥した店だけあり、同社のダン・キャシー社長は敬虔な南部バプティスト教徒だ。聖書の教えに従い、安息日である日曜日は、飲食店にとって最もかきいれ時であるにも関わらず、2,300店舗を超える全米の全店舗が休みになる。これは創業時から継続する全従業員を気遣う同社の方針で、たとえ空港やショッピングモールなど日々客足が絶えない店舗でも日曜は閉店。この姿勢は米国内の多くのキリスト教徒から経営理念への共感や尊敬を得ている。

 過去に同社長が同姓婚反対の発言をしたことで、リベラル派が同レストラン利用をボイコットするという事態に発展したこともあったが、クリスチャンが多い保守派の絶大な支持により、その事件があった年の売上げは、その前年度を上回る結果となった。

 「Chick-fil-A」は従業員に手厚いことでも知られ、従業員の学費支援や個人的な緊急事態の際の資金援助だけでなく、もし結果的に同社を離れることになったとしても、従業員が夢を追いかけることを支援している。また、通常だと顧客に対し「You are welcome」(どういたしまして)というような場面でも、「My Pleasure」と答えるよう指導するなど、礼儀作法の徹底も図っている。フライドチキンの品質だけでなく、対応が丁寧な従業員、清潔な店舗、心地よさなど、米南部らしい社風が人気の秘密なのかも知れない。

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