テキサス人が選んだ2018年のフェイク・ニュース トップ5

テキサス人が選んだ2018年のフェイク・ニュース トップ5

 テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。年末を迎えた今回は、テキサスに暮らす保守派たちが選んだ「2018年のフェイク・ニュース トップ5」を著者の解説つきで紹介しよう。


裏が取れていないニュースを報道した米大手メディア

 米大手メディアは記者も幹部もリベラル派が圧倒的に多いため、トランプ政権や共和党に不利になる”噂”を裏を取らずに事実として報道することが多い、とテキサス人の多くは思っている。そこで今回は、数あるフェイク・ニュースの中から、テキサス人が特に呆れかえった飛び切りフェイクなフェイク・ニューストップ5を紹介したい。

5位:カヴァナー判事は高校生の時に集団レイプ乱交パーティを組織していた

 証人のひとり、ジュリー・スウェトニックという女性のこの根も葉もない一言を、大手メディアは「信ぴょう性のある証言」として報道した。その後、スウェトニックは学歴詐称、キャリア誇張などの虚言癖があり、”ゆすり”とおぼしきセクハラ訴訟を起こしていたことや、カヴァナー判事が高校生の時に彼女は既に大学生で二人の間に接点がなかったことなどが判明。しかし、大手メディアは後追い報道をせず、アメリカ人のほぼ半数はいまだにカヴァナー判事が集団レイプ乱交パーティを仕切っていたと信じていると予想される。
 ちなみに、ハーヴァード大学法学部のアラン・ダーショウィッツ教授も、「司法省は偽証罪でスウェトニックを起訴すべきだ」と言っている。

4位:中米から押し寄せた移民集団のほとんどは女性と子どもで、自国で迫害され、命からがら逃れてきた亡命希望者だ

 テキサスの地元ニュースとFOXニュースは、望遠レンズで移民集団の全体像を撮影している。これらの映像を見ると、8割以上が20~30代の男性であることが一目で分かる。また、記者のインタビューに答える人々は皆口々に「自国には仕事がないので、いい職につくためにアメリカに行く」と言っている。
 しかし、大手メディアはこういった全体像は映さず、幼い子ども連れの母親のみをフィーチャーし、「移民集団は迫害を逃れ、亡命を求める哀れな人々だ」という報道だけを続けている。11月下旬に移民集団がアメリカの国境警備隊に石や瓶を投げつけ、検問所を不法に強行突破しようとしたため、米国境警備隊が催涙ガスで対応した。その際、大手メディアの記者たちは「トランプは残忍だ」と激怒したが、過去にオバマ政権が同じ手段を講じたときはニュースにならなかった。

保守が選んだトップ3はすべてトランプ大統領関連ニュース

3位:トランプは同時多発テロ記念式典でガッツポーズと取った

 トランプ大統領がカッツポーズを取っている写真や映像と共に、9月11日に大手メディアが大々的に報道したニュース。アメリカ人の大半はこれを鵜呑みにして、「悲劇的テロの遺族の前でガッツポーズを取るなんて、トランプは本当に無礼で無神経だ」と思っただろう。しかし実際は、空港で大統領夫妻の到着を待っていた熱烈な支持者たちの前で謝意を表すためにガッツポーズを取り、支持者たちと握手し、数分に渡って会話した。そして、式典の席では、厳格な面持ちで礼儀正しい振る舞いをしていた。

2位:トランプは奴隷制度続行のために戦った南軍のロバート・E・リー司令官を褒めた

 トランプ大統領はオハイオ州の共和党候補の応援演説で、オハイオ州出身の第18代大統領、ユリシーズ・グラントの偉大さを語った。その際、「ロバート・E・リーは偉大な将軍だった。彼は南北戦争で勝利を重ねていた。しかし、ユリシーズ・グラントも偉大な将軍で、リーを打ち負かした。グラントはこの州の出身だ」と言った。この文脈を完全に無視して、大手メディアは上記のようなフェイク・ニュースを広めたため、アメリカ人の大半がトランプは奴隷時代にノスタルジーを感じている人種差別者だと信じている。

1位:トランプは「報道機関は国民の敵だ!」と言い続けている独裁者で、スターリンやヒットラーの再現である

 トランプ大統領は「フェイク・ニュースは国民の敵だ」と何度も言っているが、「報道機関は国民の敵だ」と言ったことは一度もない。彼は頻繁に記者の質問に答え、インタビューも度々行っており、フェイク・ニュースには文句をつけているものの、報道の自由を奪おうとしたことはない。トランプが独裁者であれば、上記のようなフェイク・ニュースを堂々と報道する大手メディアの記者や関係者は投獄されているだろう。

 オバマ政権下では、FOXニュースのジェイムズ・ローゼン記者の通話記録を収集したり、彼の行動を見張り、FOXニュースにはインタビューの機会を与えなかったが、それについて大手メディアは何も文句を言わなかった。

この記事の寄稿者

エジプト、カイロ大学で比較言語心理学を専攻。1989年から1994年までNHK関東ローカル・ニュース、NHK教育テレビ『英語会話I 』講師、NHK海外向け英語放送ラジオ・ジャパンのDJ、テレビ朝日系『CNNモーニング』キャスターを務め、1994年にオランダに移住。1998年、拠点をテキサスに移し、”レッド・ステイト(共和党が強い州)に住むイスラム教徒”というユニークな立場からアメリカでも日本でも報道されていないアメリカ保守派の視点を伝えている。

著書:
『ドナルド・トランプはなぜ大統領になれたのか?アメリカを蝕むリベラル・エリートの真実』(星海社)
『レッド・ステイツの真実 アメリカの知られざる実像に迫る』(研究社)
『世界のエリートがみんな使っているシェイクスピアの英語』(講談社)
『聖書をわかれば英語はもっと分かる』(講談社)

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