マリファナ入り食品市場が広がるアメリカ

マリファナ入り食品市場が広がるアメリカ

マリファナ合法州が一段と増えたアメリカでは、葉に火をつけて吸引するだけでなく、成分を飲み物に混ぜたり、スイーツや料理に加えたりと、様々な嗜好品が誕生している。しかも、この市場は来年以降、さらに広がる見込みだという。


米大手ビール企業らがマリファナ入り飲料市場に参入

 日本でこのニュースを聞くと、ピンと来ないかも知れないが、アメリカでは今、マリファナが熱い。マリファナ入り飲料やスイーツが続々と登場し、新商品が紹介される度に話題になる。そういった商品は、もちろん「マリファナが合法な州」だけでしか消費することはできないが、合法州の増加に伴い、商品数も増え続けている。

 現在、医療目的での使用が合法なのは33州。これにはニューヨーク州、ハワイ州など、医者の推薦状が必要な条件付きの州も含まれる。カリフォルニア州、コロラド州、オレゴン州、ワシントン州などの10州では娯楽目的の使用も合法だ。つまり、全米50州のうち、条件は異なるものの43州でマリファナは合法なのだ。

 たとえば、大企業ハイネケン社が昨年買収したカリフォルニアのクラフトビール醸造所Lagunitasでは、IPAビールに似せたノンアルコール炭酸飲料にマリファナのTHC(気分を高める成分)を入れた Hi-Fi Hopes を販売している。同商品はノーカロリーかつ、炭水化物ゼロ。ヘルシー志向なカリフォルニアンたちを意識している点も見逃せない。

 Coorsで知られるMolson Coors社でも、 Cannabiersというブランドでスタイリッシュなマリファナ入りビール、マリファナ入り缶コーヒーや紅茶などを販売中。また、Corona やModeloなどの人気ビールでお馴染みのコンスタレーション・ブランド社が今年、カナダのマリファナ栽培製造業 Canopy Growth Corp に40億ドル以上(約4,500億円以上)も投資したことも話題になった。すでにカナダでは全土でマリファナが合法化されたため、この Canopy Growth Corp社の株価が急上昇していることにも注目が集まっている。

なんとスムージーですら、マリファナ入り

 マリファナは、スイーツにも使われることが多い。特にクッキーやブラウニーに加えられることが多いが、最近はチョコレートにもマリファナ入りが増えた。また、このマリファナ食品のトレンドに便乗して、合法州にあるレストランではマリファナ入りの料理やデザートを出す店、スムージーやアイスクリームを出す店なども現れた。昨年のYahoo News Marist Pall調査によると、マリファナの最大のファンはミレニアル世代の若者たちで、代替医療などに明るいビーガンやベジタリアン支持者にも嗜好者が多いと言われる。そのせいか、若者や健康志向が強い客層を狙ったマリファナ商品の広告も多く見られる。

 ロサンゼルス国際空港では、今年からマリファナを所持していても28.5グラム以下ならば飛行機に搭乗できることになった。しかし、米連邦政府(国)が決めた法律と、州が決めた法律が混合しているアメリカでは、ロサンゼルスから搭乗できても、到着した先が非合法州であればマリファナ所持は犯罪となる。日本は国としてマリファナを禁じているので、旅行や出張でアメリカに来ることがあっても、好奇心で手を出さないよう注意しよう。

この記事の寄稿者

関連する投稿


知られざる米南部の高い“コンサバ度”

知られざる米南部の高い“コンサバ度”

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをアーカンソー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。今回は沿岸部大都市に比べると驚くほど保守的な文化を誇る南部地域で、著者が経験したことを交えてそのコンサバ度合いを紹介する。


死んだら肥料になる? ホラーな法案がワシントン州で成立間近

死んだら肥料になる? ホラーな法案がワシントン州で成立間近

アメリカには不思議な法律がいろいろ存在するが、ワシントン州で思わず首をかしげたくなるような「ホラーな法案」が承認され、この5月1日から施行されようとしている。かなり気味が悪い法律の全貌とは?


再生紙はもはや常識? 環境に優しいファストフード

再生紙はもはや常識? 環境に優しいファストフード

アメリカのファストフード企業の多くは、このところ環境配慮を全面に押し出したマーケティングを行っている。環境配慮の一環としてパッケージに再生紙を利用し、プラスチック・ストローを廃止し、パッケージのリサイクルなどを行うだけでなく、商品を包むパッケージの全てを「堆肥化可能なもの」にしたという企業も現れた。


ストリーミング市場を制する米ネットフリックス、加入者数が歴代最大

ストリーミング市場を制する米ネットフリックス、加入者数が歴代最大

世界最大の動画ストリーミング配信企業、米ネットフリックスが、今年の第1四半期の業績を発表し、加入者数は前年同期比8%増で歴代最大の1億4,890万人だと明らかにした。アップルとディズニーの参入で競争が激化するストリーミング市場で今後の伸び悩みが懸念される同社だが、他社との差別化で躍進を続ける構えだ。


成功への選択特別編「令和」という時代を読む

成功への選択特別編「令和」という時代を読む

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが送る「成功への選択」。今回は新元号「令和」と、その時代がもたらす日本の行方についての特別編。新しい時代は、どのような変化を日本にもたらしていくのでしょう?






最新の投稿


有罪に見えにくい服装とは? 法廷スタイリストが選ぶセレブの出廷服

有罪に見えにくい服装とは? 法廷スタイリストが選ぶセレブの出廷服

巨額の資産を持つドイツの令嬢になりすましてニューヨークの社交界に入り、高級ホテルの宿泊費やプライベートジェットのフライト代などを踏み倒して有罪判決を受けていた女性詐欺師、アナ・ソロキン。今月、同被告に4~12年の禁固刑が言い渡されたことで再び法廷での彼女の服装や、他の女性被告たちの服装に注目が集まった。


今週の神秘ナンバー占い(2019年5月17日〜23日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年5月17日〜23日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


【Red vs. Blue】全米ライフル協会に迎合するトランプ、国連武器貿易条約から離脱か?

【Red vs. Blue】全米ライフル協会に迎合するトランプ、国連武器貿易条約から離脱か?

米二大政党、共和党と民主党。保守派共和党の公式カラーは赤、リベラル派民主党は青。当連載ではアメリカで報道された新聞記事について各派のアメリカ人が見解を披露する。今回は、銃規制に反対する全米ライフル協会を支持するトランプ大統領が、同協会の会合で「国連武器貿易条約」から離脱すると発言したことについて。


アメリカでは4人に1人がスマートスピーカーを所有している

アメリカでは4人に1人がスマートスピーカーを所有している

進化を続けるオンライン事情により、日々豊かに変化していく人々の暮らし。そんな世界で賢く生きる術とは? デジタルマーケティング専門家、ティム・ポールが解説するコラム『オンラインと僕らの生活』。アメリカの一般家庭におけるスマートスピーカーの普及率が上昇し、成人の4人に1人が所有するといわれるアメリカ市場の現状とは?


米大手メディアはなぜキリスト教徒迫害の現状を伝えないのか?

米大手メディアはなぜキリスト教徒迫害の現状を伝えないのか?

米テキサス州に暮らすイスラム教徒のジャーナリスト・西森マリーが、米国内でも報道されにくい保守派の声やテキサス州など南部の住民たちの声をお届けするコラム。今回は、欧米にはびこる「ポリティカル・コレクトネスの風潮」から、イスラム教徒の迫害は欧米でニュースになるのに、キリスト教徒の迫害は報道されないという現状について。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング