リベラルなベテラン記者が語る「現ホワイトハウスは大嘘つき」

リベラルなベテラン記者が語る「現ホワイトハウスは大嘘つき」


 アンドレア・ミッチェルは、アメリカの三大ネットワーク・テレビ局のひとつであるNBCの外交問題担当チーフで、MSNBCニュースでは独自の番組を持つ外交問題専門のジャーナリストだ。ジミー・カーター政権に始まり、これまでに7人の大統領と政権の取材をしてきたベテランで、アグレッシブな報道スタイルでも知られている。つい先日もホワイトハウスで、訪問中の外国要人と記者団向けの撮影を行なっていたティラーソン国務長官に対し、大声でプーチン大統領について質問してホワイトハウス職員に連れ出される一幕がテレビニュースで放映されたばかり。そのミッチェル女史が『Global Politico』のインタビューに対し、「いろんな大統領を取材してきたけれど、トランプはメディアに対して最も敵意が露わね。現ホワイトハウスのスタッフは毎日記者会見室でまるっきりウソの情報ばかり発表するし、大統領と国務長官がジャーナリストに仕事をさせないなんて、現政権になるまで見たことがない」と語った。通常アメリカの政府高官が外交で重要な国を訪問する時、メジャーなメディアは政府専用機で同行するが、4月に国務長官として初めてのモスクワ訪問をした際にティラーソンは、メディアをシャットアウトした。「(国務長官が)メディア抜きでモスクワに行くなんて間違っている」と、ミッチェルは民間機でティラーソンを追った。記者魂に満ちたミッチェルの言動をRedとBlue はどう受け止めるか?

出典『Politico Magazine』
元記事「People Just Flat-Out Lie」
http://www.politico.com/magazine/story/2017/04/andrea-mitchell-donald-trump-215008

 トランプが大統領に就任してまだ数カ月しか経っていないが、ベテラン記者・ミッチェはドナルド・トランプについて、もうすっかり全てお見通しなのだと言いたいらしい。「ニュース速報をお伝えします。彼は嘘つきです」と言わんばかり。その上、トランプ政権について、こんな不平をこぼしている。

 「これまで、こんなに大嘘つきな人たちは見たことがない。黒を白と言い、白は黒と言って私たちを欺くのだから。ホワイトハウスの記者会見室が記者たちを誤解させ、間違った方向に導くための手段として使われるなんて当惑する」

 この無知な70歳の記者は、ジミー・カーター以来の歴代大統領をそのリベラルな刀で滅多斬りにしてきたようだが、トランプが就任して4カ月も経たないうちに彼が最悪だって? ちょっと待ってくれ。彼女が担当した大統領には世界的な大嘘つきのビル・クリントンとバラク・オバマも含まれている。言っておくが、私が知る限りでは、ドナルド・トランプは「司法の妨害と偽証の罪」で議会に告発されたことはない。それをされたのは民主党のビル・クリントンだ。例えばドナルド・トランプはアメリカがテロリストに襲撃された(2012年9月のリビアにおけるアメリカ在外公館襲撃事件)理由について、ぬけぬけと国民に嘘をついたりしない。しかし、本当はイスラム教テロリストの仕業だったことを、YouTubeのビデオに憤慨した民衆がしたことだと嘘をついた大統領が過去にいる。それはバラク・オバマで、彼は民主党だ。上記の記事の中で嘘をついているのは、アンドレア・ミッチェル本人ではないか。頼むから事実を正しく理解して、人々の時間を無駄にするのはやめてくれ。

 アメリカの政治が、ごまかしと裏切りに満ちた歴史を持っていることは周知の事実だ。トランプ氏を擁護する人は、過去の政権の不正を取り上げたくもなるだろう。例えば「ビル・クリントンはどうなんだ!? インターンと寝たことで嘘をついたじゃないか!」と。しかし、嘘をついているのは共和党の大統領も同様だ。ジョージ・W・ブッシュはサダム・フセインの幻の「大量破壊兵器」を理由にイラクと戦争を始めたし、歴代大統領による嘘で最も悪名高いのは、なんと言っても70年代の共和党大統領リチャード・ニクソンだろう。しかし、真実の定義について独自の尺度を持ち、自分の発言ですらしばしば否定し、自分のスタッフたちにも毎週のように発言を変えさせる自由奔放なドナルド・トランプは、すでにニクソンの隠蔽でさえ、古風で趣があると感じさせる。
 
 トランプが言うことを信じる者はアメリカにはいない。例外は、FOXニュースのコメンテーターと、未だに自分たちが間違いを犯したことを信じたがらない数千人のトランプ支持者くらいのものだろう。

記事トピックスは過去のメジャーな事件やニュースも含みます。

寄稿者

ジム・スミス(Jim Smith)農場経営者
 1965年生まれ。アラバマの伝統的な保守派の両親のもとで生まれ育った影響から、自身も根っからの保守支持に。高校卒業後、アメリカ陸軍に入隊。特殊部隊に所属し8年軍に従事するも、怪我が原因で除隊。その後テキサス州オースティンの大学で農経営学を学び、現在は同州アマリロ近郊で牧畜を中心とする多角的な農場を営んでいる。地元の消防団に所属し、ボランティアの消防隊員としても活動するなど、社会奉仕活動多数。妻と子供3人の家族5人暮らし。

ポール・クラーク(Paul Clark)データ分析コンサルタント
 1972年、オレゴン州のリベラルな街に生まれ、両親も親戚も学友も周囲は皆リベラルという環境で育つ。カリフォルニアのベイエリアにある大学へ進学し、英文学とコンピューターサイエンスを専攻。卒業後はベイエリアの複数の企業に勤務し、各種のデータ分析業務に従事。現在は家族と共にオレゴン州に在住。趣味はサッカーとクラフト・ビール造り。

この記事の寄稿者

「市民の声」を分かりやすくお届けする公式企画。分断が進むアメリカで、対立する思想を持つ市民はひとつのニュースをどう読むのか?
 対立する思想を持つ市民たちによって深まるアメリカの「分断」。アメリカには二大政党の共和党(保守)と民主党(リベラル)があるが、それぞれの政党支持者は、どれだけ考え方が異なるのだろう?人口で見ると保守派、リベラル派の比率は約半々で、両者のものの考え方は、水と油ほど異なると言われている。日本からはあまり分からない「普通」のアメリカ人たちの思想の傾向。
 この連載では保守派共和党の公式カラーである赤、リベラル派民主党の青をタイトルに、アメリカ国内で報道された「ひとつの記事」に対して、保守派(赤)とリベラル派(青)のアメリカ人がそれぞれのどんな見解を示すかを対比するBizseedsイチオシの連載・特別企画!

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