知らない人を結婚式に招待! 〜アメリカのオープンウェディングとは?〜

知らない人を結婚式に招待! 〜アメリカのオープンウェディングとは?〜

ニューヨークにある名門コロンビア大学バーナードカレッジの学生、光田有希が、アメリカの大学生たちに人気のアプリやサービス、学生たちのトレンドなどの情報をお届けする。今回は多様なアメリカで広がり始めた、新しいタイプの結婚式をご紹介。


結婚式参加者を一般に呼びかけ

 きらびやかなドレスに身をまとった新婦。白とゴールドがテーマのデコレーション。親友からの手紙に涙する参列者。一見、普通に見えるこの結婚式だが、ひとつだけおかしな点がある——参列者のほとんどが新郎新婦を知らない赤の他人なのだ。

 これは私がニューヨークで最近参加した、「オープン・ウェディング」の一幕。最初に友達に誘われた時は「え? なにそれ?」と思ったのだが、新郎新婦がイベントページに載せたメッセージとオープン・ウェディングというコンセプトに心を掴まれた。オープン・ウェディングというのは、RSVP(参加することを事前登録)すれば誰でも参加できる結婚式のことで、特に決まりや常識はない。

 私の参加したオープン・ウェディングはフェイスブックのイベントページで拡散され、Eventbriteというイベントのチケットなどをオンラインで予約できるウェブサイトを通じて出席できる仕組みだった。イベント案内として書かれていたのは、

• イスラム教には結婚文化の伝統に “Walima” (祝福)というものがあり、家族と友達、そしてご近所さんが招待される
• 新郎新婦はその「ご近所さん」をニューヨーク市全体に広げた
• 式への出席は無料
• 洋服は派手なものを着てくること

おおまかに言えば、条件はこの4つだった。

祝福の形にも多様化の波

 イベントはホテルの会場で行われ、食事から始まり、新郎新婦の入場、パフォーマンス(余興)、親友・両親からの手紙の朗読、そして新郎新婦のスローダンスというアメリカの一般的なウェディング・レセプション、日本でいう披露宴と同じような流れだった。新郎がイスラム教で新婦がラテン系であること、そしてニューヨークというロケーションもあってか、参加者はとても多様だった。他の参加者にこのイベントに来た理由を聞くと、「結婚式に参加したことがないから」、「おしゃれをする理由づくり」、「ただ面白そうだったから」というような声が多かった。

 新郎新婦を知らなくても、幸せな家族の始まりを見ることや、愛の溢れる空間を体感できる点は他の結婚式と変わらない。人種や宗教が違っても愛の形は人それぞれで、カップルによって結婚式の形も異なるのだろう。確かにちょっと不思議な形ではあるが、こうした式はこれからもっと主流になるかもしれない。多様な愛の祝福のあり方に、これからも目が離せない。

この記事の寄稿者

1997年生まれ、21歳。東京都出身。青山学院初等部・中等部を卒業後、米国バージニア州の女子校、St. Margaret’s Schoolに2年通う。2015年にコネチカット州のWestminster Schoolに転校し、卒業。現在はニューヨークにあるコロンビア大学・バーナードカレッジにて都市計画と国際関係、教育を専攻し、国際貢献の分野を志している。

関連する投稿


学生たちを借金から解放させた米実業家に賞賛の声

学生たちを借金から解放させた米実業家に賞賛の声

大学の学費が高額なことで知られるアメリカ。親が裕福ではない限り、大抵の学生が卒業後に返済が始まる学生ローンを受けて進学するため、借金を抱えながら社会人になる。それでは若者たちが夢に向かいにくいと、ある実業家が大学を卒業する生徒、約400人分の学生ローン、総額約44億円を肩代わりすると発表。感動と賞賛の声がアメリカを駆け巡った。


知られざる米南部の高い“コンサバ度”

知られざる米南部の高い“コンサバ度”

NYやLAなどの沿岸都市部に比べると、圧倒的に知られていないアメリカ南部。その文化、習慣、宗教観などをアーカンソー州よりジョーンズ千穂が紹介するコラム『アメリカ南部のライフスタイル』。今回は沿岸部大都市に比べると驚くほど保守的な文化を誇る南部地域で、著者が経験したことを交えてそのコンサバ度合いを紹介する。


ストリーミング市場を制する米ネットフリックス、加入者数が歴代最大

ストリーミング市場を制する米ネットフリックス、加入者数が歴代最大

世界最大の動画ストリーミング配信企業、米ネットフリックスが、今年の第1四半期の業績を発表し、加入者数は前年同期比8%増で歴代最大の1億4,890万人だと明らかにした。アップルとディズニーの参入で競争が激化するストリーミング市場で今後の伸び悩みが懸念される同社だが、他社との差別化で躍進を続ける構えだ。


成功への選択特別編「令和」という時代を読む

成功への選択特別編「令和」という時代を読む

ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスが送る「成功への選択」。今回は新元号「令和」と、その時代がもたらす日本の行方についての特別編。新しい時代は、どのような変化を日本にもたらしていくのでしょう?


ベーグルの切り方でNYが大論争 縦に切るか、横に切るか?

ベーグルの切り方でNYが大論争 縦に切るか、横に切るか?

ニューヨークの名物、ベーグル。リング状の形をしたこの固めのパンは文化の一部なんだと言えるほど、ニューヨーカーのベーグルに対する想いは熱い。そんなニューヨークで、セントルイスの出身者がニューヨークとは異なるベーグルの食べ方を自信満々に紹介したツイートが炎上。単なる「ベーグルの切り方の違い」なのだが、まだ騒ぎは収まらないようだ。






最新の投稿


奴隷制に対する賠償金を支払うのは誰なのか?

奴隷制に対する賠償金を支払うのは誰なのか?

米テキサス州に暮らすイスラム教徒の著者が、米国内でも報道されにくい保守派の声をお届けするコラム、西森マリーの「トランプ支持がなぜ悪い? アメリカ保守派の考え方」。今回は、トランプ大統領に対抗するリベラル派の大統領候補や政治家たちが「過去の奴隷制に対して賠償金を払うべき」と訴えていることについて、保守派の見解を解説する。


今週の神秘ナンバー占い(2019年7月19日~25日)

今週の神秘ナンバー占い(2019年7月19日~25日)

当たりすぎて怖い? ロサンゼルスを拠点に多くのセレブリティを顧客に持つ運命鑑定家、サラ・セイヤスがお届けする今週の神秘ナンバー占い。神秘ナンバーとは、東洋数秘術、西洋数秘術、アステカ秘術など複数の占術をベースに導き出す、運気を読み解く数字のこと。あなたの運勢はどのように変化する?!


クレジットカード社会のアメリカらしい、子供向けサービス

クレジットカード社会のアメリカらしい、子供向けサービス

日本とは異なり、アメリカでは50ドル以上の現金を持ち歩く人はとても少ない。「現金はまったく持たず、クレジットカードかデビットカードのみ」という人も大勢いる。そんなカード社会だからこそ重宝されている、子供向けのサービスがある。


50歳以上の女性を対象にした一軒家シェア・マッチングとは

50歳以上の女性を対象にした一軒家シェア・マッチングとは

地域などで差はあるものの、一般的に個人主義と言われるアメリカ人は、高齢になってもひとり暮らしを好む傾向が高い。しかし50歳を過ぎて独身の場合は、必ずしもそうとは言えないようだ。一軒家の所有者で同居人を探している人と、賃貸マンションやアパート暮らしに不安を感じている人をマッチングさせるサイトの人気が上がっているという。


アイデア靴下の大勝利? 旅行やアウトドアの必需品に

アイデア靴下の大勝利? 旅行やアウトドアの必需品に

夏、真っ盛り! 旅行やイベントなどの予定がある人も多い中、海外旅行や野外イベントに行くときに、ちょっと心配なのが貴重品の管理だ。大勢が集まる場所や海外ではスリやひったくりに遭わないよう、昔ながらの腹巻型の貴重品入れに財布やパスポートを入れて持ち歩く人もいるのでは? そんなあなたにオススメなのが、このアイデア靴下だ。


アクセスランキング


>>総合人気ランキング