「使用済みのティッシュペーパー」を高額で販売?!

「使用済みのティッシュペーパー」を高額で販売?!

他人が使用したティッシュペーパーなど、触りたくもないと思う方が一般的な気がするが、米ロサンゼルスに、それを高値で販売している会社がある。なぜ、そんなものが売られているのだろう? そもそも、誰がわざわざ他人が使用したティッシュペーパーを購入するのだろうか?


誰が買うの? 8千円以上もする「使用済みティッシュ」

 アメリカで「使用済みのティッシュペーパー」が$79.99(約8,200円)という高値で販売されていることが話題だ。冗談のような話だが、理科の実験室などで使われるガラスのペトリ皿に入った「他人が鼻をかんだ後のティッシュペーパー」が、おしゃれな箱に入って販売されているのである。

 その「使用済みのティッシュペーパー」は北欧コペンハーゲン生まれ。商品の名は「VaevTissue」という。米ロサンゼルスにあるVAEV社が、インフルエンザの予防グッズとして、このティッシュを販売しているのだ。その商品のCM映像はこちら。

アンチ予防接種派が支持、それホント?

 この季節は日本と同様、アメリカでもインフルエンザが流行する。かかる前に予防するために通常は予防接種を受けるが、アメリカでは近年、予防接種によって喘息の悪化やアレルギー反応、副作用や効果への懸念が拡がっている。また、予防接種を通例化することで儲かる産業に対して不信感を抱く人たちも増えつつあり、そのような考えを支持する人たちは予防接種を受けていない。

 しかし予防接種反対派も、インフルエンザのように毎年流行して、しかも命にかかわるような病気にはなりたくないはずだ。同社の創業者であるオリヴァー・ニーセン氏(34歳)も、『タイム』紙の取材に対して、「予防接種の注射針や薬を使うよりも、誰かのくしゃみによって菌のついたティッシュペーパーで鼻をこする方が安全だ」と話しており、購入者は予防接種の代替品を模索して同商品に辿り着く20代の若い親が多いという。

 そして、この商品のキャッチフレーズは、「自分の都合のよい時に病気になれる」(get sick on your own terms)。旅行に行く前など、このティッシュで鼻をふいて先に風邪にかかって免疫をつけようということらしい。しかも同社によると、この商品がこれまでに1,000箱近く売れ、現在は売り切れ状態。確かに同社のサイトを見ると「Sold Out」と書かれている。

 しかし、アリゾナ大学の微生物学者であるガーバ教授や、ヴァンダビルド大学の感染症学者のシャフナー教授らは、この商品には効果がないどころか、危険だと警告している。ティシュペーパーについている菌は決して1種類ではなく、約200種類ほどの菌が付着しているはずだという。また、このニュースを報道したFOXニュースも、同社の販売実績について「これまでに実際いくつ売れたのかは明らかではないが、同社は売り切れで在庫がないと言っている」と含みのある表現でニュースを締めている。

 これを買うか、買わないかはともかく、病気になる時期を自分でコントロールするとか、政府機関の情報は信用せずに自分の身は自分で守るべきという宣伝文句は、いかにもアメリカらしいと言えるだろう。

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